048地下へ
2級冒険者のキュルケです。
なんか、特級の方とパーティーを組むことになりました。
強さの想像がつきません。
今回は、そのお話です。
ダンジョンに入って少し進むと広間があって、数人の冒険者が装備の確認や作戦会議などをしていた。
「私は、2級冒険者のキュルケと言います」
キュルケが、おどおどしながら自己紹介する。
「私は、白銀の騎士ジェス」
「私は、真紅の聖騎士レイ」
「私は、緑の料理人ラクア」
「3人で【白銀荷車】!」
3人で声を合わせて叫びポーズをとる。
「………。」
どう対応して良いかキュルケが困った顔をする。
やはり、3人では駄目で5人でポーズをすべきなのだろうか? など悩んだ。
私達は観光気分だが、キュルケは目的があるのだろうと聞いてみる。
「キュルケは、ダンジョンに入る目的はなんだい?南ロギスから来たって聞いたけど?」
「ミ、ミノタウルスの肝を採りに来ました。地下20階のフロアボスとしているそうなので」
言いづらそうに、教えてくれた。
「私達は、観光なので20階まで付き合いますよ」
「観光?! 特級の方の極秘の言えない事情でしょうか?」
「「「いいえ、観光です」」」
変に勘ぐるキュルケに対して、3人で全否定する声を上げる。
「観光しながら一気に下に行きたいので、先頭が零さんで右手のブレードでバッサバッサと切り進み、次がラクアで背中の高性能レーダーで罠のサーチを、最後に私で全体管理。
キュルケは私が背中におんぶするんで、倒した敵で金貨10枚以上の価値がある魔石がある時に、降りて回収って事で!」
「「了解」」
「へ?? 金貨10枚って??」
キュルケが、理解出来ないと言う顔で、私達を見る。
私のフルプレートアーマーの背中を少し変形させて座りやすくして、キュルケをおんぶする。
「え? 凄い乗りやすいんですけど。あと、物凄く恥ずかしいです」
顔を真っ赤にしてキュルケが言うが、気にせず観光開始!
零さんが、走るレベルで疾走しはじめる。
「零さん、速いですよ!!」
ラクアが愚痴るが余裕で追尾している。ラクアの適応力が凄すぎ。
はじめは、スライムやゴブリン達だ。
いつの間にかキングゴブリンなどのフロアボスが、いたのかもしれないが次のフロアに入っている。
零さんは、右手から出した1mぐらいの電子レベルのノコギリが回っているサーベルで、斬って斬って斬りまくって高速で前進中!
稀にすれ違う冒険者が、目を丸くする。
「やっと弱らせた、獲物を横取りしやがって!」
と叫ぶが、既に私達はその場のにいない。
よく見ると苦労してたモンスターの死体が、奥まで点々と落ちている。
「倒してないけど、素材貰っていいのか??」
トロール!オーガ!ビックスパイダー!………
グール!スケルトンナイト!ギガンテス!ガーゴイル!………
零さんは全て一刀両断して、加速していく。
「零さん、右前方の壁に槍が出てくる罠があります。って槍が出てくる前にみなさん通り抜けてる」
背後で槍が誰もいない空間を飛んでいる風切り音がする。
「零さん、前方に落とし穴です。って落とし穴が落ちる前に、みなさん通り抜けててる」
落ちていく床を蹴って落ちる前に通過する。
ラクアが罠を報告した時には、既に罠を抜けてる為に、ラクアが全く役になってない。
「私って役立たず」
疾走しながらラクアが落ち込む。
「きゃあぁぁぁ」
キュルケは終始悲鳴を上げている。予想だとパワーレべリングになってしまってるいるので、加速度的にキュルケのレベルが上がってそうだ。
たまーに休憩して、2時間程の進行で20階のボス部屋
まで来てしまった。
ボス部屋の前に、地上に戻るためのゲートが開きぱなしである。
「このゲートって、開きっぱなしではなくて本来は、ほっとくと少しづつ小さくなって消えるはずなので、どっかからエネルギー供給受けてるはずだが、それらしき物が見当たらないなぁ」
「確かに変なゲートね」
首をかしげると零さんも同意してくれる。
ゲートの前で30人程の冒険者がボス部屋待機して、前回倒された後に再度出現するのを待っていた。
あと何時間で出現かを聞くと、次回出現まで、あと6時間ほどと言われる。
「凄い競争率では?」
「出現アイテムは最後に留めを刺した人が貰えます」
これは、キュルケのアイテムゲットは、難しそうだ。
「別の場所で、ミノタウルスって出現しないんですか?」
キュルケに聞いたみた。
「地下45階に、ボスでは無く普通にダンジョンに一杯いるそうです。」
「なら、そこに行きましょう」
零さんが良いプランを提示。
「え? 45階って1級レベルで、私は帰ってこれないですよ。20階でもギリギリですよ。ミノタウルス自体も2級の人が5人で一体倒す感じですよ」
キュルケが、不安がる。
「大丈夫ですよ。本気で降りるんで、すぐ到着ですよ」
キュルケが何を言っているかわからないと言う顔をする。
先ほどダンジョンの壁を調べると、地形データが入力されたナノマシンが混じっていた。
これが、壊れたダンジョンを修復して、なおかつ何処からか送られてくるマップ情報を再現しているようだ。
ここまで分かれば簡単で、土に含まれるver9.3のナノマシンに命令して床を貫通して一気に降りれば良い。
4人で人気がない通路まで来た。
「ラクア、一気に下に向かって45階まで降りるにで、下を索敵して零さんに報告。零さんは、下の階に着いたら倒してください。」
「「了解」」
「下に移動??」
キュルケの理解の範疇を超えた。
落下中に危険があるので、大盾と大剣をキュルケが入れるほどのシェルターに再構築して、背中に背負う。
「キュルケ、背中に乗り物を付けたから入って?」
シェルターのハッチを開く。
「へへ?!」
頭に「?」が付いたまま、私が背中のシェルターに乗り込んだのでハッチを閉める。外の状況は見えるように一部可視光線を通す。
「うあ! 外が見える!!」
「みんな行きますよ!」
私と零さんとラクアが立っている土が、溶ける様に液状化して行き沈んでいく。
そのまま沈んで行くと、下のフロアの天井に辿り着き天井から落ちる。
「きゃあああぁぁぁ」
急な落下の加速でキュルケの悲鳴が響き渡る。
着地までに、ラクアが索敵したグレムリン2匹を零さんが一刀両断している。
そして、着地。
「また、次のフロア行きますよ!」
「グレムリンの魔石は、金貨1枚ですよ!!」
キュルケが、勿体無いと言ってくる。
「大丈夫ですよ、もっと良い魔石を取って行きましょう。金貨1枚程度だと集めてると日が暮れます」
キュルケが、悟った顔で言う。
「これが特級のクエスト攻略!!」
そして、また地面が液状化して行き下のフロアに落ちて行く。
ドンドン落ちて行ったら、何回落ちたかわからなくなってきた。
30分ほど落ちてから零さんに質問してみる。
「零さん!今地下何階?」
「数えてないわ」
「ラクアは?」
「索敵に集中しててわからない」
「ジェスさんは?」
「地面のナノマシン制御に集中しててわからない」
「キュルケは?」
「何が何だかわからない!!」
「「「何階??」」」
そして、一旦立ち止まる。
ほぼチート集団のジェス達!
無事にミノタウルスの肝は手に入るのか?
ダンジョンにも秘密がありそう?
次回は、ダンジョンの秘密に迫ります。




