045神話の住人
西ロギスのクシル・ノホシ公爵です!
若返って、青春を再び!
理想の彼氏を求め、いざゆかん!
共学もよいけど女子学園を作って、若い男性教師と……うふふ!
青春を取り戻してくれた、彼には忠誠を誓う事にしたわ。
これから、忙しくなるわね。
今回は、国王と側近のお話。
国王と側近だけが残された。
ゲルトが話し始める。
「私の願いは、神の奇跡を見る事でした。既に叶ってしまい思い残す事はございません」
ゲルトが誰もいない空間に土下座する。
『では、神の勅命を与えよう。先程のクシルの願いは、形が無いもので今叶えても明日には無くなっている可能性がある物だ。ゲルトがクシルをサポートして欲しい。サポート方法は任せる。サポートがやりやすいように年齢を若返らせて筋力を数倍にしておこう』
「神の仕事を手伝える事は、神官としての幸福! 是非やらせてください」
ゲルトの目がキラキラ輝く。
ナノマシンを利用して細胞の寿命を司るDNAの短くなったテロメアを12歳時点迄修正する。ゲルトの体内ナノマシンが4%だったが12%迄引き上げ筋力を増加させ、「青春」の知識や物語をナノマシン経由で脳に記憶させて理解させる。
『願いは叶えた。謁見の間にてジェス・クロードが、来るまで待っていろ』
「おおおお! 青春! 素晴らしい! 学園で始まるストーリー! この任務は、素晴らしいものだ!!!」
感動しているゲルトを強制転移させる。
最期に、国王のスピルが残る。
『依頼された内容は、ほぼ遂行された。4人の公爵は、ジェス・クロードに従う。
命令する内容は、以下の内容で良いか?』
スピルが、公爵達の願いを叶えている事には、そう言う意味があったことを理解する。
『ロギス領地内で4領地の代表は、決して争ってはいけない。常に協力して行く事。国が割れる事は避ける事。この命令で国が4つに割れる事は無くなるはずだ』
「ありがとうございます」
国王が深々と頭を下げる。
「ウラシル様は、ジェス様の配下なのでございますか?」
『そうだ』
「ジェス様は、何者なのですか?」
『お前達が、神と思う物を支配できる存在』
これ以上は、ウラシルが、勝手に喋ってしまうので、スピルを強制転移させる。
ジェスは、艦橋の船長席の操作パネルを使い全ての事をウラシルの人工頭脳と一緒に、処理してやり終えた。
艦橋の操縦コンソールで飛行制御しているレイさんが言う。
「やはり、戦艦のエネルギーが残り少ない。あと1時間が飛行の限界よ」
「ラクア! 近くに戦艦が隠れそうな場所はないか調べてくれ。」
ラクアは、管制制御コンソールで周辺を探索している。
「ジェスさん21km先に直径2kmほどの湖があります」
得意げに伝えて来る。この世界で育ったはずのラクアの適応力には驚かされる。
既に、管制制御を使いこなしている。
「凄いぞラクア! 零さんは、湖に戦艦を沈めて待機しててください。謁見の間に行って話をまとめてきます。ラクア、謁見の間へのゲートを開いて」
ラクアが、左手を伸ばしてジェスの目の前にゲートを開く。
中に入りジェスは謁見の間に転移した。
謁見の間に戻った6人は、各々の思いを胸に、ジェス・クロードが来るのを待っていた。
ジェスが戻ってくるまでに、国王のスピルは、最後のウラシルのとやりとりを皆に伝えていた。
ジェスが転移すると、6人とも土下座をして待っていた。
「神以上の存在とも知らずに、多くの無礼をした事を国を代表して謝罪する」
スピル国王が、怯えを含んだ声で謝罪した。
また、このパターンなのかと思うが今回は意図的にこの状況を作り出して、成功したので上機嫌で答える。
「構わぬよ。国王よ。状況を見ると既に言伝は、済んでいるようだが、ロギス領地内で4領地の代表は、決して争ってはいけない。協力して行く事。国が割れる事は、避ける事」
「「「「貴方様に永遠の忠誠を誓います」」」」
4公爵が、声を揃える。
最期に、見慣れたフルプレートアーマから元の戦闘用パワードスーツの姿に戻り、大盾と大剣を背中のブースターに再構築して戻す。
「これが、真のお姿!!」
神官が涙を流す。
他のものは、理解の範疇を超えた様だ。
完全に戦闘に特化されたロボットの形態は、この世界では、全く見たこともなくカルチャーショックとしての皆を襲う。
「国王よ。今回の代償としての謁見の間の天井をもらうぞ」
最期にブースターをフルブーストで天井のガラス張りを突き破って、戦艦へ飛んで行った。
消え去って行く、フルブーストしているブースターの光を夜空に見ながら、国王は昔聞いた神話で、空に光る星々の半分を支配していたが、残り半分と争いになり地に落ちた神を超える存在がいたお話を思い出す。
「神話の住人に出会ったのだな、私達は」
国のトップを従えたジェス。
これで、この国も安泰か?トップがおかしい人が多かった気がするが……
神話を作って、次回は今後の行動計画のお話。




