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044青春を取り戻せ

南ロギス代表のサトザーク・クビエリ公爵だ。


筋肉神のおかげで、次回の筋肉美コンテストの優勝は間違いない。

この知識を忘れぬうちに、書きとめて本にしなくてはならない。

ここまで、私が感情的になったことは初めてだ!

筋肉神の知識を広めることが私の務めなのだな。


今回は、狂った女のお話。


 残された、最後の公爵のクシルが叫ぶ!


「私は、理想の彼氏が欲しい!!」


『その願いは、叶えられない』


 興奮したクシルに、感情が無い電子的な合成音が響く。


「何故だい?? 他の奴よりも全然簡単な願いじゃ無いのかい?」

 不満そうに訴える。


『その願いは、そなたの容姿があれば自分で叶えられる様な願いだ。自分では叶わぬ願いは無いのか?』


 褒められたと思い、少し赤くなり上気した声で答える。


「貴方に惚れました。結婚してください」


『は??? え?』


 今迄、感情がなかったが初めての動揺した声を出す。


 性格的な問題なのか、男性運がなかったのか、彼女の悩みは結婚のようだ。


『それは、出来ない。我はウラシルであり、人間ではない。お前が想像する神の力はあるが、人間の営みは出来ぬ。お主の本当の願いは、青春をもう一度では無いか?』


 クシルの体内のナノマシンを媒介して、彼女の脳へ「青春」の意味を教える。


「頭の中にいろいろな物語が入ってくる……青春!! これが、青春!! 私の望みは……青春が良いです!!」


『若返って学園という施設に通うのだ!』


 クシルの体内へ大気中のナノマシンを利用して細胞の寿命を司るDNAの短くなったテロメアを12歳時点迄修正する。顔をクシルに特徴を残したまま、絶世の美女レベルまで整形してDNA情報をそれに合わせて書き換える。


 クシルがヨシマエの対応の際に置いてある全身鏡を見て、若返りに歓喜する。


「本当に若返ってる! 顔も昔より可愛い?? 貴方に一生ついていきます。

 早速、領地に戻ったら新しく得た知識の共学の学校を作って、寮をも立てて身分を隠して通学すれば!! 恋が始まる!!」


『一生ついてこないで忠誠を誓え。ジェス・クロードが行くまで、謁見の間にて待つのだ』


「あはは、パンを咥えて、曲がり角でぶつかれば!……いいえ、初めは貧乏そうな外見をして……うははは!」


 口の周りに涎をを垂らしながら、淡々と理想の青春を送るための計画を練っていた。目が完全に、いってしまっている。


 怖いので強制転送する。


『次の願いは、誰だ?』

また崇拝者が一人増えていく。


4人すべての侯爵の願いを叶えたジェス。

残るは、国王と側近。


次回は、国王と側近のお話。


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