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037グラパ・ハーゲの災難

王都の冒険者ギルド長のグラパだ。


聖剣がとんでもない奴を押し付けてきた。

俺が可愛がってやろう!


昇級試験で腕がなるぜ! ってな話だ。

 昨晩、エネルギーパックを帝国施設からピストン運搬でゲートを開いて機関室に運び込み接続したために、徹夜明けの3人組が黄金亭で朝食を食べていた。


「今日から、戦艦の居住区に転居しますよ」


「やった!! シャワーってあるの??」


 ラクアが、はしゃいでいる。


「シャワーありますよ。確か350m級の連邦戦艦ウラシルだったので大浴場もありますよ」


「大浴場ってなんだ??」


 ラクアの頭の上にお花畑が見える気がする。


「大浴場と言うのは、お湯でできた池よ」


「お湯??」


 零さんがわかりやすく、説明したが想像できないらしい。


 食事が終わり冒険者ギルドに移動して、3番受付の禿げ親父の所に来る。

 1番と2番の受付は冒険者が並んでいるが、禿げ親父の所には誰も並んでいない。


「おはようございます。ハーゲさん」


 ラクアが珍しく、ハゲのグラパにちょっかいをだす。


「グラパだ! グラパ・ハーゲだ! わざとだな! いい度胸だな!」


「なんで、この受付は誰も並んでないの?」


 零さんが、私の疑問を聞いてくれる。


「は? 1番と2番の受付をよく見ろ!」


 よく見ると、1番には16歳ぐらいの物凄い可愛い少女が仕事をしており、2番には20歳ぐらいの超イケメン貴公子が仕事をしていた。


「「「そう言う事か!!」」」


 1番と2番の受付の人物を見た後にグラパを見て、3人で納得する。


「1級試験は、この国のルールでは騎士団の団長と一騎打ちして勝てば合格だが、今は城でお家騒動らしくて万が一でも団長に怪我をさせたら不味いので、特級の俺が相手してやる!」


(どや?顔)で特級を強調して、グラパがこちらをみてニヤニヤしている。


「俺はな、ギルド創立者の3人組の初代ギルドマスターである真紅の聖騎士に憧れて特級になったんだぜ!

 白い鎧いをモンスターの血で真っ赤に染めるなんて、カッコ良すぎる! 今や伝説だが俺も伝説になるぜ!

 お前らも1級になったら俺を見習え!」


「…………。」


 3人とも絶句する。

 零さん! 過去にあんた何してん! 過去が伝説すぎる。

 零さんが、鎧で見えないが苦笑いしている気がする。

 ラクアが、偉い子で何も言わなくて良かった。


「裏が闘技場だ。一緒に行くぞ」


 グラパが、受付から立ち上がって裏へ向かう。


 グラパは、でかい。

 2m以上あるぞ。パワードスーツを着た私と同じぐらいの大きさだな。

 手に武器のハンマーを装備した。ハンマーもでかい。


 闘技場は直径200m程の広場があって、それを囲い込むように客席があり、正面に豪華な貴賓席もある。


「ここは、闘技大会でも使うんだ。闘技大会と違って結界を張ってないから、客席や地面を壊すと自腹修理だぞ。派手な魔法は禁止だ」


 うお !ラクアが不味い。範囲攻撃と衛星兵器のSSLしか使えない。仕方がないので誤魔化そう。


「グラパさん、特級と言うからには物凄い強さだと思います。私とラクアの2人でグラパさんに挑んで、良い戦いが出来たら合格でどうでしょう?」


「いいぜ! 聖剣の推薦があっても4級のお前達なら余裕だよ! 始めるぜ!」


 広場の中心で、グラパが2m程の両手持ち大ハンマーを構える。


「すぐに気絶させるので、ラクアは防御だけで攻撃禁止でお願いします」


「えええ!」


 不満そうなラクアを置いて、グラパに私が走る。


 私の大剣は、戦艦の機関室のエンジンで修理に使用しているので、今は大盾しか装備がない。

 大盾を手加減してグラパに叩きつける。

 それに合わせて、グラパは大ハンマーを盾に当てる。


 バッキン! ボッキン!!


 大ハンマーの先端が砕け、柄が1m付近で折れる。


「はああぁぁぁ??」


 グラパが動揺する。

 とっさに、グラパがバックステップして距離をとった。


 折れたハンマーと私の盾を交互に見て笑い出す。


「ハンマーが破壊されるとはな! 聖剣が推薦する理由がわかったよ。団長とやらせなくてよかった。

 合格だ!! 改めて、お前達の名前を聞かせてくれ」


「今ので合格?」


「なんだ、不満なのか? 俺のハンマーはA級の魔物ですらダメージを負う。その一撃を防げば、もはや認めざる得ないだろう」


「なるほど……」


 今までにない真剣な眼差しで見つめられる。

 名乗りを待っているのだろうか?

 空気を読んでいつもの紹介を始める。


「私は、白銀の騎士ジェス」

「私は、真紅の聖騎士レイ」

「私は、緑の料理人ラクア」


「3人で【白銀荷車】!!」


 ポーズを決めて同時に3人で言う。


「ヘ?!」


 1分は、グラパがフリーズした。

 私達もグラパがなんの反応をしめさないので、なのか不味い所があったのかと一緒にフリーズする。


 まだ、固まったまま動かないグラパに対して、零さんの事を秘密にしていた事とハンマーを折った事も悪いと思ったので、折れた大ハンマーを拾って解析してみる。


 強度を上げる為にかなり無理している組成金属で、ナノマシン含有が4%以上で強度だけでは脆くなるのをナノマシンが助けている感じであった。


 大気中のナノマシンを集めて、大ハンマーを修理して行く。

 ナノマシン含有を50%にあげて、インパクトした時に最大硬化するように設定。


 自己修復もプログラムして、日光浴させて、エネルギーを貯めたら先端からエネルギーを噴射させて威力がある一発を打てるように改造。


 使用法は、柄を握ったら使用者がわかるように書き込み。

 ナノマシンを増やしたことにより前より大きくなったが、重い組成の不純金属を除去したので軽くなったはずだ。


 フリーズから復帰したグラパが、叫ぶ。


「お前達も! 真紅の聖騎士様のファンだったのか!!」


 違うううぅぅ。

 グラパのフリーズは、全く違う方向性であった!


「まさか、あんなカッコイイ名乗りを上げられて、パーティーに真紅の聖騎士を入れる狂信的なファン魂! 感動したぞおおぉ」


 完全に目がいってる!


「グラパさん! ハンマー治しました。これを」


 グラパにハンマーを渡す。


「何を言っている。

 そのハンマーは、ドワーフの長を助けた際に最高の傑作として私が頂いたものだ。

 ドラゴンの鱗さえ砕く業物だ!

 治せるわけがないだろう!

 武器の寿命が、ちょうど今だっただけに過ぎない」


 ハンマーを受け取った瞬間、目を最大まで開いて鼻水を吹く。


「なんじゃこりゃああああぁぁ! わかるぞ! ハンマーが語りかけてくる! ハンマーの精霊なのか!!」

 ハンマーを天高く持ち上げ一気に振り下ろす。


「バーストヒット」


 ハンマーの先端からからアフターバーナーのようなエネルギーの噴射が発生し地面に叩きつけられる。


 叩きつけられた場所を中心に、地面が1m程陥没して行く。客席の数m手前で、その衝撃波は止まった。


 危ないよ! この親父!! 広場どうすんだよ!!


 また、グラパさんが、フリーズした。


「そのハンマーの〔バーストヒット〕は、日光に1日当てておけば1発打てますよ。

 2発目打つときは、自分の生命力がなくなるんで禁止です。

 2-3日、日光浴すると! 傷も自分で治す優れもの!

 日光に当てていれば、いつものピカピカで使えます」


 説明をしてあげた。


「神器なのか? 神の武器を作ってしまうジェス殿、いやジェス様は、神様なのか?

 真紅の聖騎士様は、まさか本人なのか?

 その、おまけみたいな緑の人も伝説の人なのか?」


 グラパさんが、呆然として聞いてくる。


「真紅の聖騎士様は、本人だよ」


 私が答えると土下座をはじめる。


「大変、申し訳ございません!!!」


 また! このパターンなのか!!


「落ち着いたらまた来ます。!!!」


 3人とも急いで逃げ出す。

グラパに正体がバレてしまう零さん。


何かトラブルを持ってきそう。


次回は、戦艦に関しての説明のお話。

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