032旅立ち
ギルドの受付嬢のキャサルです。
今日で、ジェスさん達が町を出て行ってしまいます。
寂しいので、嫌味でも言わないと!
そんなお話です。
早朝早くに、零さんのナノマシン不調が完治した。
朝食をスーツ無しで、零封亭で3人で食べている。
結局、外食だけでラクアの料理って食べたのか?
「生まれ変わった気分よ! ランダムではなく自分で年齢設定できるなんて! 今迄無理しないと好きな年齢になれなかったので大変だったわ」
クルクル回りながら零さんが上機嫌。
「ジェスさんは、私の外見って何歳が良いですか? ウフフ」
豊満な……体を20歳ぐらいに調整して、胸を押し付けてくる零さんが悪い笑い方をしている。
「私が19歳なので、そのままで良いですよ」
私が少し赤くなって答えてラクアを見る。
「零さんは、お姉ちゃんって感じなので、30歳ぐらいがいいです」
ラクアが下心がないストレートな発言で、零さんを攻める。
「ラクアが、そう言うなら30歳ぐらいにしますね」
零さんの外見が、30歳ぐらいに変化した。
私としては、少し残念と思ってしまった。
不思議な感情だ。
朝食が終わって、キャサルに昇級試験の紹介状をもらいに行く。
「本当に行っちゃうんですか! 受かったら報告に戻ってくる義務があるんでお待ちしてます」
キャサルが絡んで来る。
「嘘っぽい、本当? そんな話は聞いてないぞ!」
「そ、そんなの常識じゃないですか!」
どうやら、私達を騙そうとしてる気がする。
少し間を置いて、答える。
「1番に知らせに戻って来るよ」
私が言うと
「うん!」
笑って見送ってくれた。
冒険者ギルドをでたら零封亭に置いてきた荷車まで移動して、零さんとラクアと合流した。
ロギス王国の王都の座標を衛星で確認して、王都の2km程手前にゲートを作り白銀の荷車で乗り込む。
王都迄の道が伸びている。道を辿って王都を目指す。
接近するにしたがって道幅が大きくなり、道を多くの人が行き交っている。
王都の6mぐらいの高さの門の前で、行商人の人達が並んで右側の高さ2m程の通用門から出たり入ったりしている。
「ジェスさん、あの通用門だと、馬車が入らないよ」
ラクアが高さが3m以上ある馬車を見て言う
門番の横まで来たので、聞いてみる。
「門番さん!馬車は、通用門に入らないよ。どうやって入るのですか?」
「ここは、裏口だから正門にまわってくれ。凄い立派な馬車だな。
貴族さんは、なおさら正門だよ。
裏から入ったら何かあると疑われちまうぜ」
「この門は、開かないの?」
高さ6m程の門を指差す。
「開くのは緊急時だけだが、金貨2枚で開けても良いぞ」
……正門にまわろう。
都壁沿いに荷車を走らせる。
やはり、外見が物凄い豪華な馬車に見えるらしく、すれ違う人は振り向いて食い入る様に馬車をみる。
正門付近に来ると堀があって、吊り橋がかかっている。吊り橋をあげると閉門になるようだ。高さ10m横幅20mはあると思われる吊り橋の正門に辿り着く。
「デカイですね!」
ラクアが喜んでいる。
入ろうと門に近づくと、衛兵に止められる。
「どなた様でしょうか?」
「ルークの町から、王都の冒険者ギルドに向かっており、1級の昇級試験を受けに来た者です」
地下に埋まってる戦艦発掘とは、言えないので良い理由があって良かった。
「紹介状などありますか?」
「ルークの町のギルドマスターから、頂いて来ています」
紹介状を見せる。
「ステータスプレートも見せてください」
「良いですよ」
私とラクアは4級で、今は白色のプレートになっている。
零さんは……ブラック?
見た瞬間に、衛兵が硬直する。
「す、すみませんでした。特級冒険者様だとは知らずに誠に申し訳御座いません」
平謝りして来た。
「かまいませんよ」
私が、言うと真剣な顔で聞いてきた。
「お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
馬車から降りて練習した自己紹介を実施してみる。
「私は、白銀の騎士ジェス」
「私は、真紅の聖騎士レイ」
「私は、緑の料理人ラクア」
「3人で【白銀荷車】!」
ポーズを決めて同時に3人で言ってみた。
毎回、ポーズは変えている。
「て、丁寧な紹介いたみいります。私の衛兵団長のケルカ・トートと言います。よろしお願いいたします」
少し、動揺して答える。
ポーズに威圧感があったのだろうか?
もっと改良の余地がありそうだ。
王都に入ると、道が分からないので通行人に冒険者ギルドの場所を聞くと王都の真ん中にお城があるのだが、そこの騎士団宿舎の隣であり王城に入らないと行けないらしい。
もう一度、身分証明を求められそうだな。
案の定、城の入り口に着くと呼び止められた。
「私は、第2騎士団団長のホルス・ロンネセンだ。
馬車に家紋が無い様だが誰だ?」
フェイス部分は無いが、フルプレートの青い鎧を着た赤毛の赤目で180cm程の団長に呼び止められる。
ホルス以外に10人ほどの青色騎士に囲まれる。
先程と全く同じやりとりをして、自己紹介のポーズが決まったところでホルスが言う。
「て、丁寧な紹介ありがとうございます。【白銀荷車】の噂は、常々伺っております。
第4騎士団の団長の妹がお世話になった様で、援軍5万を率いて私が行きましたが、あなた方のおかげで敵軍が引き上げたと聞き及んでいます。
その手腕を、後ほど聞かせてもらえたら幸いです」
深くお辞儀をされた。
「機会があれば是非」
と言って冒険者ギルドに向かう。
長話なるかと思ったが、早めに開放してくれた助かった。
王都の冒険者ギルドに到着した。
とうとうやってきたぞ王都!
どんなアクシデントが発生するのか?
何もなく終わるかも知れないですけど。
次回は、一気に一級昇格を狙うお話。
次回へ続く。




