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020施設の3人

元奴隷のラクアです。


騙されて借金を背負って、奴隷になりましたが、ジェスさんに買われたら数日で、奴隷も解放されて貯金すらある状態です。


ジェスさんが、町を去るようです。

お世話になったのでどうしよう?

そんなお話です。

 零封亭で、晩御飯を零さんとラクアと3人で食べている。


 今日の夜から零封亭は、零さんの知り合いの手に経営者が変わって、厨房には大柄の男が料理を作っていた。

 町に長く住んでいるとしても、すぐに店を任せられる知り合いがいるのは、零さんの人間性が良いからかな?


「今日から、もう宿を出ちゃうんですか?」


「施設で旅の準備したいからねぇ」


 零さんと私が会話していると

 ラクアが施設に興味を示す。


「施設って、なんですか?」


「零さんが昔住んでた所で、零さんの病気を治す道具がある所だよ」


 最低限の情報で、その場をごまかす。


「ラクアは、奴隷の解除の手続きが終わったのかい?」


「バッチリですよ。借金も返して貯金まである6級の冒険者です!」


 ラクアが、思いっきり胸を張って威張る態度をする。

 胸の谷間に目が行ってしまった。

 零さんが冷ややかな目で私を見る。


 今後、零さんと王都に行って他の国へ行く事をラクアに説明する。


 ラクアが少し考えて、意を決した表情になる。


「私も行きたいですが、よろしいですか?」


「目的は話せないけど、危険が伴って戻って来れないかもしれないけど行きます?」


「ハイ!」


 元気にラクアが即答する。


 結局3人で王都に行く事となり、ラクアに零さん事を全て話す事にした。


「ラクア、零さんの事はどこまで知ってます?」


「宿屋の女将?化粧が上手くて年齢詐称?」


「す、ストレートに言うわね、この子...」


 零さんが唖然としていた。


「すみません、少し残念な子で....」


「どいうことですかジェスさん!私は残念じゃないですよ」


「まぁ、簡単に話すとだな、零さんは大昔から生きてる賢者みたいな人で、昔に世界を彷徨って空の星々に行く方法を探していたらしい。私が手伝う依頼を受けたので一緒にいく事にした」


「え? 剣じゃ? 星々って? あれは、お空に描かれた絵ですよ」


 零さんと私で、どう説明するか頭を抱える。


「どう説明したら良いのだろう?」


「ジェスさんが凄い人で、零さんのお願いを叶えれるかもしれないので旅立って事ですか?」


「「そ、そういう事!」」


 ラクアがドヤ顔をしている。

 何故か腹が立つが、我慢しよう。


 実際に見たり聞いたりしたいと理解できないと考えて、今晩から3人で帝国施設で生活する事となった。


 食後に、みんなで私の部屋に集まる。

 改めて、ラクア用に転送装置を製作する。


「ラクアは、どんな武器がいいですか?」


「料理ばかりして来たので、包丁か延棒ですか?」


 大気中のver9.3のナノマシン右手に集めて、棍棒状の転送装置を作成する。


 周囲の大気中のステルス性能を失ったナノマシンが靄のように現れて私の右手に集まって棍棒が形成されていく。


「ジェスさん、凄い! 魔法?」


 完成したのでラクアに渡す。


「武器にも使える転送装置です。右手で構えて、『ゲート』って言ってみて。」


『ゲート!』


 棍棒型の転送装置の少し先に、人が通れるほどの転移ゲート開く。


「私に出来た!!!!」


「向こうに着いたら必ず、もう一度『ゲート』と言ってゲートを閉じてね。一方通行で、時間が経つと消えるが、稀に空間歪みとして残ってしまうと同じ座標にゲートが開けないからね」


「了解しました!!」


 全然理解していないと思うが、元気な返事が返ってきた。


 零さんとラクアがゲートをくぐり、私もパワードスーツを装備してからゲートをくぐる。

 ゲートの大きさがギリギリだったので、ちょっとだけ苦労して抜けた。


 施設の大型転送装置のある部屋に出て、ラクアに使い方と、棍棒状転送装置のエネルギー補充方法を教える。

 ラクアの頭から湯気が出てる気がする程、大変そうだ。


 居住区に機能している3部屋を確保して、みんなに割り当てて、解散となる。


「シャワーでも、浴びようかしら?」


 零さんがルンルンで機嫌が良い。


「ジェスさん! シャワーってなんですか?」


「女同士、零さんに相談して」


「教えるわよ、こっちいらっしゃい」


 零さんが、ラクアを連れて行く。


 2人を置いて武器庫に向かう。

 移動が出来る乗り物など、まだ動く装備があれば良いが……


ラクアと零とジェスの3人組が出来上がりました。


この3人が引き起こす珍道中が始まる予感。


次回は旅立ちの準備のお話。

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