107.3「妄想の中で(アユム欲望2)」
m(__)m
おっ、遅れまくってすみません…。
~あらすじ~
天界の派閥争いで封印されたアユムを開放全てく皆が頑張ってます。
前回は説明会となるべきだったのが途中でポロリ…。
この世界の力について説明しよう。
基本的に下図の様に力と世界が構成されている。
始まりは謎の存在が「????」を【知覚】したことにより発生している。
神は「????」なる存在より発生し、己と「????」を守るために機能していた。
やがて「????」は世界を生み出しそれに伴い、神も守るべき対象を移していった。
そして長い時価を経て、生物が誕生し、多くの存在を【知覚】した。
それに伴い神も多様化していく。
「????」が生んだ世界の構造を守るため、管理するため。
劇的な変化が訪れたのは生命体が視覚を持ってからである。
世界がその姿を【知覚】された。
そして生物たちはその姿が全として生きる。
本来あるべき構造と縁遠い存在として新たな可能性を生み出し始めた。
故に、この世界の人類は「肉体」を基本として【知覚】する。
己が存在を肯定するために。
ここでハーフ天使の話に戻そう。
天使とは、亜神とは、神とは上記した3体を把握し管理する者達である。
存在を物理世界に依存する者ほど未熟者とされるが、「神」と名のつく種族は皆、神体を通し「????」へと干渉している。
ハーフ天使とは「????」への干渉力を持ったまま、99%以上を存在を物理世界に依存する存在である。
これの何が危険か?
それは神が物理世界への干渉を極力避けていることと関連する。
それだけ「何が起こるかわからない」管理が難しい力であるのだ。それを生まれたばかりで何も知らない赤子が暴走させずに済むか?答えは否である。親からの遺伝で生まれながらに「????」への親和性の強いハーフ天使は無意識に「????」へと干渉し、そのフィードバックを受けてしまう。そう、物理世界の己に。
もし、高度な術にて生き永らえさせた所でハーフ天使は苦しみ続ける。
世界は「物理世界」と「????」の2階建てだと意識してほしい。
人類は行きついた先で「神体」存在に気付く。2階建ての1階にいながら2階にいる自分を認識するようなものである。全ての物は認識され、知覚され存在を肯定される。つまり「行きつくまで」は人類にとって2階(????)の自分は幽霊の様なものである。存在しない。ありえない。干渉など受けはしない。そんな存在だ。
だが、ハーフ天使にとって2階(????)の自分は生まれた時から感じるもう1人の自分である。
しかし、知恵も経験も少ない幼子がそれをはっきりと知覚したところで、操る術がない。
どこの世界も危険とは存在する。
例えば歩いているときに石があるとしよう、物理世界であれば検知しかわす。しかし「そこにもう一人の自分がいる」程度の認識しか持たないハーフ天使達にとってそれは突然やってくる危機である。神体で起こった事象は力の流れを通じて物理世界(自身の体)に還流する。
これがハーフ天使達の生存率が極めて低い原因である。
しかし、何事にも例外がある。ハーフ天使達が生き残るためには有名なところで以下の3つの方法がある。
1つ、神体を深く制御する存在であったものが転生する。
1つ、肉体に偉大なるものの加護を受けている。
1つ、親が天界へ戻り子の神体を保護する。
最後の方法が一般的だと言われている。
敵対派閥の皆さんも「そう」だと判断していた。
しかし、アユムの父アスマは地上にいる。
そして、アユムはイエフの様に転生者ではない。
アユムが特別な存在。これが理由であった。
アユムがハーフ天使として生き永らえさせられた理由がそれ以外の選択肢ではこの封印術は解かれなかった。
だが、アユムを研究対象として観察してきたダンジョンマスターだからわかる。
アユムは、アユムの能力は、先天性である。そしてそれは神体を動かし、認識しての能力だ。
アユムがそれをし始めたのはアームさんを奪われたと思い込んでしまったあの時より。
15階層はその後アユムの力の実験場となっている。
力に苦しみつつも、能力を開花させかけている。
「アユムがこれからも生き残るためにも、この賭けは必要だったの……」
「……我が神も、成果に期待していますよ」
ダンジョンマスターは自分都合の苦しい言い訳に眉を寄せながら、眠るアユムの手をとる。
「……封印されたままだったらどうなりますかね……」
「……2人そろって左遷ですね」
2人のダンジョンマスターは不謹慎ことを口走りつつ溜息を吐き出す。
しかし彼らは知らない。
肝心なところを勘違いしているという事実を。
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「がう(なんかすっごく待った気がする!)」
「ボウ(落ち着け)」
ようやくご登場です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。




