107.2「妄想の中で(アユム欲望)」
すみません。超~短いのが出てしまいました。
火曜日の夜に本来な長さを追加で出しますm(__)m
「さて2つ目が解放されたましたね」
「アユムの神体と精神のリンクが深まったようです。予定通りに……」
ダンジョンマスターはアユムの体から手を離すとほっと溜息をつく。
「予定通り、ね……」
「……言わないでください……」
アユムがかけられた封印術は、対象者の神体を封じる術である。
『神体』とは、『神力』それを制御する機能、人間も亜神も生きるものは全て神の管理下にある。
管理されているのは物理ではない。
もちろん魔法力でもない。
世界を制御する力、全ての根源、全てを構成する力、『神力』。
そもそも魔法とは『神力』に干渉する簡易の力である。
故に、全ての物は意識せず『神力』を元に構成されている。
アユムに仕掛けられた術は相手の精神を神力を制御する『神体』に絡ませる封印術。
この封印術は一度仕掛けてしまえば外からの干渉はほぼ受け付けず、内、つまり封印対象者の精神が『神体』、『神力』、『魔法力』を認識し、封印によって絡まった状況を解きほぐさなければならない。
『神力』を認識できない亜神未満の生物には解除不可能な術である。
そんな高度な術を地上で行使できる派閥が『なぜアユムを殺さなかった』のか?
皆さんお忘れかもしれないがアユムは『天界が認めた保護対象』であるからだ。特にアユムは天界最強【派閥】の光の神ことブラック様のお気に入りである。
アユムを殺しては割に合わない。
新たな対立を増やすのを回避、しかしダンジョンマスターが組する派閥の金の卵を産む鶏を利用不可能に追い込むことを目的とした結果、地上の生命体であり、亜神に至っていないアユムにこの術をかけたのである。
しかし、彼らは見落としていた。
アユムが『親の影響で、生まれながらに神力の暴走と向き合わなければならない、生存率が限りなく0である半天使』であることを。




