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99.2「魚ボッチの戦争・中編」

すみません。

ちょいと短いですが今日はここまで。

「こけっ(……まさか……)」

「ジュワッ(……本当に……)」

「ぎゃう(……裏切り……)」

「ばう(……神の敵……)」

「にゃー(……天誅……)」

 魚の前に居並ぶ黒のモンスター軍団20体とモルフォスパーティの5名。


「ジュワッ(……信じてなどいなかった……)」

「ぎゃう(……半端者……)」

「こけっ(……意気地なし……)」

「ばう(……ひねくれもの……)」

「にゃー(……でも……)」

「ジュワッ・ぎゃう・こけっ・ばう(……仲間だと……思っていた……)」

 その言葉が魚の心に突き刺さる。

 嬉しく、辛く。

 自分だって仲間だと思っていた。

 伝えたい。

 だが、現状では説得力がない。

 魚は戦う。

 もう、そうするしかないから。

 仲間を願ったのは魚の欲望。

 だが、それは神の気まぐれ。

 侍従神は初めからダンジョンウィルスの実験台が欲しかっただけ……。

 潜伏期間は通常のダンジョン作物の様に。しかして神が望めば感染体の脳を意識を食い潰し暴走するモンスター本来の本能に塗りつぶす。それはダンジョン作物で可能性を見出したモンスターや人類にすら感染を引き起こす。

 魚は心を決めなければならなかった。

 彼らに希望を与えたのは自分だ。だが同時に絶望も与えてしまった。

 ニャンダーやメイちゃん(大志)に嫉妬したのは自分だが、彼らを好ましく思ったのも自分。

 魚はそこでようやく自分の本心を知る。


「仲間が……欲しくて……嫉妬した……」

 そしてから回った。

 黒のモンスター軍団を生み出したのは神かもしれない。でも魚でもある。

 自らが蒔いた種は刈り取らねばならぬ。

 魚は彼らを『ダンジョンモンスターとしてあるべき運命に戻す』、つまり葬る事を決意する。

 

ボン

 圧縮した空気が黒い鎧である魚の脚部より放出され、魚が弾丸の様に加速する。


ガンッ

 突き出した盾で2体のリトルホワイトコッコを捉え盾が光る。

 危機を察知した1体がすかさず盾を蹴ってその後の攻撃を回避する。

 しかし脳を揺さぶられ硬直したもう1体はそれを直撃した。

 盾が光硬直した一帯を丸焼きにした。盾を蹴って回避したもう一体も足に重大なダメージを負う。

 魚の攻撃はそれでは終わらない。本命への一撃が放たれる。

 腕を伸ばしランスでシャドー2体を貫く。物理攻撃の効かないシャドーは避けない。だから直撃を喰らう。

 魚のランスはまるでレーザーの発射口の様な無数のくぼみとレンズが埋め込まれている。

 それが突き刺されたシャドーの中心から全方位へ発射される。

 叫び声もなく2体のシャドーは倒され。近くにいた他のモンスターに被害をもたらす。

 一斉に下がる黒のモンスター軍団。

 逆に前に出る一団があった。


「おっかないな。大将」

 モルフォス達であった。本来であれば圧倒的な弱者の彼らだが自信をもって前に出てきた。

 

 

 


ここまでお読みいただきありがとうございました。

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アームさん
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