間章.世界の敵
少し更新が遅くなりました、申し訳ございません。
◇【女神ヴィシス】◇
ヴィシスは思った。
なんと、心地のよいことか。
邪王素に怯えなくてもよい日々。
ヴィシスは、魔導馬を使い潰していた。
もう温存する必要はない。
今は素早い移動だけが必要とされる。
ヴィシスは再び、マグナルへと舞い戻ってきていた。
実に忙しい往復である。
アヤカ・ソゴウとの話がついた後のこと――
ヴィシスのもとに、マグナルの軍魔鳩がやってきた。
一通の手紙を携えて。
”我が帝の心臓のことで話したいことがある。端的に言えば、交渉をしたい”
すぐにヴィシスは魔導馬を用意させ、アライオンを発った。
さて。
それまでヴィシスは何をしていたのか。
アライオンに戻ったヴィシスは、心臓の位置を突き止める準備をしていた。
探知用の神器。
しかしこれは精確な場所までは示せず、漠然としか探知できない。
起動には貴重な手持ちの根源素も消費する。
大魔帝の生死を判定する神器とは、消費量が格段に違う。
何より、それは発動させると一度”上”と通信が行われる。
心臓を手に入れる前に”上”から干渉されるのは、できればやりたくない。
気が進まず長椅子にぐったりしなだれ、迷っていた時だった。
魔族――側近級からの手紙が、舞い込んできたのである。
▽
荒野を進んでいると大誓壁が見えてきた。
根源なる邪悪が現れた時、最初に栓をする役目を持つ要衝。
しかし、今や人間はいない。
死んだ巨大建造物に見える。
そういえば、とヴィシスは思い出す。
マグナルの白狼騎士団は姿を消したらしい。
キリハラが壊滅させたのだろう。
「ニャンタンが無事だったのは、キリハラさんを褒めねばなりませんねぇ」
白狼騎士団は好きにしていい。
ただし、ニャンタンは見逃すこと。
キリハラにはそう伝えてあった。
マグナルへ戻る途中、ヴィシスはそのニャンタンと出会った。
馬で移動するなら、使う街道、進路の”あたり”はつけやすい。
期待通り、マグナルの国境線近くでニャンタンを見つけた。
ニャンタンは、そのままアライオンへ向かわせた。
「あれを半神族にして、今後、私の世話係にさせるのもいいかもしれませんねぇ……」
完全に満足、ではないが。
思い返せばそこまで働きぶりに文句はない。
少なくとも、他の無能に比べれば。
手駒を失いすぎた。
今はそれなりに有能で従順な駒が欲しい。
ただ、新しい駒と一からの関係構築も面倒である。
自分の気質をそれなりにわかっている者がいい。
ここまで手駒を失うと――途端に、貴重さがわかってきた。
エルフなどの長命種をその位置に据える……。
それをもっと早く前向きに考えるべきだった。
元々は、あの禁忌の魔女をそうしようと考えていた。
あれは使える。
しかし、生意気だったので追放した。
あれ以来、エルフに苛つくようになった。
ただ長生きできるだけの下等生物。
神族ほどではないが、長寿なのに大した存在ではない。
やはり神族とは違う。
だというのに、あの魔女を慕う者は多かった。
神よりも。
殺せばよかった、と後悔する。
今もどこかで生きているのだろうか?
知ったことではない。
自分がいる以上、この大陸に居場所はない。
朽ちればいい。
息が詰まって。
孤独に、窒息すればいい。
「ですのでニャンタンを側近候補に、ですねー……」
あれは無愛想だが従順だ。
高雄聖とごちゃごちゃあった時、そこを見極めようとした。
しかし裏切っている気配は、まるでなかった。
…………。
こうなってくると、話も違ってくる。
妹たちと好きな時に会えるよう、それなりに取り計らってやろう。
潰れぬ程度に、これから馬車馬のように働いてもらわねばならないのだから。
「深すぎる女神の慈悲ですねぇ……、――あら?」
大誓壁の巨大な門。
落とし格子が、上がっている。
その大きな門の前に立っているのは、一人の魔族。
金眼。
紫色の身体。
ツノ。
ヴィシスより一回り大きい。
ちょうど半分くらい消費した魔導馬から下りる。
ヴィシスは、魔族を見上げた。
「こんにちは、女神です♪ 心臓のことでお話しがある、とうかがってきたのですが……どういったことなのでしょう?」
まさか魔族とこんな形で会話する日が来るとは、と思った。
それに……邪王素を失った側近級。
こんなにも存在を小さく感じるものなのか、と少し驚く。
「あの男が心臓を隠させた側近級をワタシはつけ、観察していタ」
「まあ! なんてこと!」
「だから……隠し場所を、知っていル」
この大砦か。
それとも。
さらに北の根源なる邪悪の地か。
珍しく、自分の胸が異様に高鳴っているのを感じる。
しかし――焦ってはならない。
「ですが、なぜ主君……キリハラを裏切るような真似を? といいますか、できるのですね……いえ、てっきり反抗に類する行為はできないものかと……」
「他の側近級や魔物はそうらしイ。いや、従属下に置かれた直後は皆、血の涙を流すほどあの男に抗おうとし……悔しさに身を震わせていた。しかし、時間が経つにつれて反抗心そのものが薄れていったようだ……特に魔物は我ら側近級に比べ、そうなるのが早かっタ」
「恐ろしい力、ですね……自然的に憎悪を抱けなくなっていくなんて。しかし……今の話しぶりですと、側近級の方たちも反抗心は薄れているのですよね? あなただけ、違うのですか?」
「そのようダ」
側近級は己の名をゾハクと名乗ってから、
「誓鋭の上位三名が死んだあと……ワタシは、誰よりもお傍で我が帝に仕え、そして誰よりも想っていたという自負がある……この想いが他の誰よりも強かったからこそ、他の者と違い、あの男への恨みを持続できているのかもしれヌ……」
ヴィシスは、思わず噴き出しそうになった。
魔族が愛やら想いやら言い出したのがとてもおかしかったのだ。
しかし、我慢した。
「ただ、それも次第に薄まっている感覚がある……ワタシは、それが怖イ。だから、まだこの恨みがあるうちニ……」
「せめてもの抵抗として、キリハラにひと泡吹かせてやりたい……と?」
「そうダ。あの男にとって、我が帝の心臓はソへの切り札なのだろウ?」
「いいのですか? 愛する大魔帝の心臓を、ワタシに差し出してしまって?」
「帝の死後、帝への想いも消えゆく……ワタシでも、それが薄れてきているのがわかる……ならばせめて、まだ想いがあるうちに……一矢、報いたいのダ」
魔族。
本来なら大魔帝の死後、まともな知性を失い暴走しているはずである。
どうもキリハラのスキル効果で、その速度が抑えられているらしい。
だが、抑えられているとはいえ。
想いや知性。
それらが失われるのも、時間の問題のようだ。
「そうですか……あなたの想いは、わかりました。礼を言います。ふふ……天敵である魔族に心から礼を言うなど、初めてのことです」
本当にありがとうございます、と。
ヴィシスは、心の中でほくそ笑んだ。
▽
「確かに――これは、根源なる邪悪の心臓……」
本物で、間違いない。
「素晴らしい、です……これ、は……おぉ……過去、最大級の……こ、こんなに……なるほど、あれほどの軍勢を……巨大生物要塞を、生み出すだけはあります……ねぇ……」
心臓は大誓壁の中に隠されていた。
隠すなら根源なる邪悪の地に隠すに違いない。
こんな”通過場所”に、置いているはずがない。
こういった思考を逆手に取ったわけか。
……単に、隠した魔族の頭がそこまで回らなかっただけかもしれないが。
「ですが、この砦の中にも……他に、もっと隠し場所があったと思いますが。いえ、ある意味で見つけるのが大変だったかもしれませんねぇ。まさか、こんなところとは」
心臓は砦の調理場にあった。
腐りかけた穀物の入った箱の底に、まじっていた。
やはり魔族の頭が悪いだけかもしれない、とヴィシスは思い直す。
「そういえば、これを隠した魔族はどこに?」
「ワタシが始末しタ」
「それはそれは♪ ……ええっと……それで、あなたはどうします?」
「約束してほしい……必ず、キリハラを倒すと」
「ええ、必ずその約束は果たしましょう。あなたの、本来の主に誓って」
ゾハクは目を閉じ、両手を広げた。
「これ以上、我が帝への想いが消えていくのに……ワタシは耐えられそうになイ。もはや、ワタシは己が存在している意――」
ズバンッ!
笑顔のまま振り上げたヴィシスの手刀。
ゾハクはすべてを言い終える前に――左右真っ二つに、裂けた。
ドチャッ、と。
左右に割れた死肉が、汚れた石床に倒れ込む。
ヴィシスは手刀を振り上げた姿勢のまま、にっこりと笑った。
「はい、ご苦労さまでした♪」
▽
アライオン王城――ヴィシスの私室。
魔導馬を使い倒し、ヴィシスはアライオンに戻ってきていた。
斜め後ろには、先にアライオンに到着していたニャンタン・キキーパットが控える。
「残していた雑務、ほとんどやっておいてくれたんですねぇっ♪ んー、嬉しいです。ああそれと……あなたの妹たちですが……」
「!」
さすがに、強い反応があった。
「会わせて、さしあげようかと」
「……それは、いつ頃でしょうか」
声が少し震えている。
可愛いものだ、と思った。
「そうですねぇ……近いうちに、ですかね。それとも明日とかがいいですか? ……ん? 何か聞きたそうですね?」
「いえ、何か……心変わりすることでもあったのかと」
「心変わり――心変わり、ですか。ふふ……まあここ数年で最も気分がいいのは、事実ですねぇ♪」
「……白狼騎士団の件ですが」
「あーあれですか! 現場にいたのですよね? 無事で何よりです。ふふ、キリハラさんがマグナルの王になりたいというので……白狼騎士団の犠牲は仕方ありませんでした。ソギュードさんの犠牲は人材的に痛手ですが……まあいいでしょう♪ これも、大魔帝の心臓を手に入れるために必要なことだったんです。まー許可をしたのは私ですが……最終的には、キリハラさんの意思ですし?」
「白狼騎士団が……犠牲になる必要が、あったのでしょうか」
「え? あったんじゃないですか? ……ふふ、ああもうごめんなさいニャンタンっ♪ 今後あなたには、こういうきついあたり方はしちゃいけませんね♪ もう少し、仲良くやっていきましょう」
「……今後はいかがなさるのですか? ミラとの戦争はアヤカ・ソゴウの活躍により、一転、戦況はかなりの優勢とのことですが」
んー、とヴィシスは軽妙に唸る。
「トーカ・ミモリがキリハラさんを殺して……そしてソゴウさんが、蠅王の正体に気づかぬままトーカ・ミモリを殺してくれれば最善なんですけどねー……そうなった場合、ソゴウさんはどうしましょうねー?」
アヤカ・ソゴウを言いくるめるのは簡単だった。
普段のヴィシスと違う真剣な話し方。
落差。
あれがかなり効果を発揮し、言葉に重みと真実味を付与したと思われる。
洗脳の手管も用いてアヤカを言いくるめ、西へ向かわせた。
大魔帝は死んだのだ。
なら最悪、もう壊れてもいい。
ああいう人間を壊すのは、やはり楽しい。
気に入らない相手であればなおさら。
適当に死んでくれても、それでいい。
ヴィシスは一片の紙を指で摘まみ、眺めた。
「それは?」
「ふふ、ヒジリさんがソゴウさんに託した遺言みたいです。あのヒジリさんのことだから何かソゴウさんに指示を託してるんじゃないかと思って、部屋をこっそり漁ったんです。そしたらこれを見つけまして……大切に隠してたんですよ――こんなものを。まあ、隠していたといっても、所詮は子どもの考えつく程度の隠し場所でしたけど」
「…………」
「自分をしっかり持っていれば、必ずみんなと一緒に元の世界に戻れる……みたいな寝言が書いてあります。これを書いていた時、ヒジリさんは自分の死を覚悟してたのですかねー……んー、毒にも薬にもならない励ましの言葉ばかりで……炙り出しで隠された伝言が、とかでもないみたいですし……想い、とかいうのですかね? 笑えてしまいます」
ヴィシスは紙片を丸め、放って捨てた。
「今回、勇者の皆さんはどうせ元の世界には戻れないので、今後”素材”として使ってあげるかどうか……んー難しい」
「ヴィシス様……あな、たは」
「ん?」
「あなたは、何を……なさろうとしているのですか?」
「ふふ、それはまだもう少しだけ……ヒ、ミ、ツ――です♪ ですが、いずれはっきりします。あなたは栄誉に思うべきですよ、ニャンタン。あなたは、神である私に選ばれたのですから♪」
◇【ニャンタン・キキーパット】◇
ニャンタン・キキーパットは女神の私室を辞去し、私室へと戻った。
ニャンタンは”それ”を手にし、深い息をつく。
緊張を、吐き出すようにして。
そして……
ヒジリ・タカオとのやり取り――指示を、頭の中で反芻していく。
『今のあなたはヴィシスからの信頼は厚いはず。私は以前からあなたにいくつか頼みごとをしたけれど……それは”女神の助けになること”と念押しをしていた。だからあなたには”女神を裏切っている”という意識がなかった。ヴィシスは、そこを見誤ったわけね。あなたを偽装した焼死体まで用意して、ヴィシスは私を探りにきたけれど……大丈夫、あれは問題なく乗り切ったはず。そしておそらくあれで、あなたへのヴィシスの不信感が消えた。私とあなたが協力関係にあるかもしれない、という疑念が晴れたはずなの』
アヤカと同じように。
ヒジリは、ニャンタンにも文章を残していた。
『十河さんにも一旦、私が別の伝言を残す。けれど彼女は、他者を欺くのがそう得意ではないから……ヴィシスを欺き続けることはできないと思うの。何か大事な指示を残しても、尻尾を掴まれる可能性が高い。そこでヴィシスの疑念は十河さんに一度引き受けてもらって――本命としてはあなたに動いてもらいたいの、ニャンタン・キキーパット』
ヒジリは。
どこまで、見通していたのだろうか。
『十河さんの弱点はアライオンに残ったクラスメイトたち……あとは、柘榴木先生かしら。もし好機があったら、彼らをアライオン王城から逃がしてほしい。もちろん安全に逃がせる機会があればでいいわ。あなたに頼みたいのは、もう一つの方が重要だから……これが成功すれば、以後、対女神の大きな切り札にできるかもしれない。今この世界にいる多くの人々の目を、覚ますための』
ニャンタンはもう一枚の紙を見た。
先ほどの紙と比べるとこちらは小さく、文字数もかなり少ない。
『ヴィシスに人質にされているあなたの妹さんたちの居場所は、調べがついた。ここに記されている場所に軟禁されているわ。アライオンとそう離れていなかったのもあって、私自身の目で確認してある。これは協力への見返りと考えてくれていい……いいえ、協力できなくとも……この情報は自由に使っていいわ。妹さんたちと、無事に再会できるといいわね』
「…………」
ニャンタンは手もとのそれをジッと眺めた。
言われた通りの操作をする。
出てきたのは――妹たちの画像。
ニャンタンはそれを、そっと抱きしめる。
安堵の波のあと……ふと、胸によぎるものがあった。
ニャキ。
どうか、無事でいてほしい。
勇の剣が消息を絶ったという。
ならば絶望的なのか。
いや……。
希望を捨ててはならない。
生きていると、信じなくては。
姉として。
必ず消息を追い、調べ、辿り着く。
できるなら今すぐにでも捜しにいきたい。
だが、それは……難しい。
それにしても、とニャンタンは不思議に思う。
一体これはどういう魔導具なのだろうか?
ヒジリから指示された場所に、それは隠されていた。
この”スマホ”という名の、平たい長方形の……。
なんだろうか、この材質は。
ヒジリは文章の中で、
”スマートフォン”
と記していた。
本来なら起動できないものだそうだ。
しかし、妹のスキルで使えるようになっているらしい。
略して”スマホ”なのだという。
他にも”モバイルバッテリー”というものも一緒にあった。
ニャンタンは指示されたやり方でスマホを操作し、待った。
『――、……白狼騎士団の犠牲は、仕方ありませんでした。ソギュードさんの犠牲は人材的に痛手ですが……まあいいでしょう♪ これも大魔帝の心臓を手に入れるために、必要なことだったんです。まー許可をしたのは私ですが……最終的には、キリハラさんの意思ですし?』
スマホから流れてくる。
女神と同じ声が。
『――、……今回、勇者の皆さんはどうせ元の世界には戻れないので、今後”素材”として使ってあげるかどうか……んー難しい』
これは――録音機能、というらしい。
スマホを弄って録音時に鳴る音を消してある、と書いてあった。
本来は違法な行為、とのこと。
「…………」
自然な形で女神のそばにいられるあなただからこそできる、とヒジリは書いていた。
ニャンタンはヒジリからの手紙の一文に視線を落とす。
この録音機能というものを用いることで、何が起こせるのか。
それを記した一文。
『この録音機能の使い方次第によっては――』
ニャンタンは深く息を吸い込み――緊張を伴った息を、吐き出した。
『ヴィシスは――この世界に住むすべての者を、敵に回すことになる』
本日12/25(日)に『ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで』10巻&コミック7巻が発売となりました。
何気に、書籍版とコミック版の同時発売は今回が初めてだったりします。
10巻も全体的に描写の書き分けなどを行いつつ、追加の書き下ろしコンテンツを収録しました。
「スレイの様子を見に簡易厩舎に集まっているセラス、ムニン、ピギ丸のところに魔法の皮袋から送られてきたスイーツを差し入れするトーカ」
「普段からトーカは疲れているのだから、何か二人で労えないかとムニンがセラスに提案し、二人の開催した慰労会で労い(?)を受けるトーカ」+「慰労会のあと、部屋で二人きりになったトーカとセラスのやりとり(セラスが”剣”であることについて)」
「十河綾香を迎え撃つミラ軍を率いるチェスター・オルドと、その配下たち」
主なシーンは上記となるでしょうか。
他にも序盤の大宝物庫でのセラスとムニンのいちゃいちゃ(?)なやり取りが少し変わっていたりします。
聖がトーカの正体に勘づいているかどうかも、描写がWeb版とは少しだけ変わってきていますね。
また、書籍版は説明描写がWeb版より少なめになっています。どこまで説明すべきか、は常に迷うところです(ページ数の関係もありますが)。ただ、書籍版は説明描写よりセラスや仲間たちの描写などを増やしたいので、シーン追加優先といった感じかもしれません(選帝三家関係も書籍版はスリムになっています)。
そして表紙は、KWKM様による美麗な起源霊装状態のセラスとなっております。
収録されているカラーイラストも今回個人的にお気に入りで、ムニンが使い魔をのぞき込んでいるシーン、セラスの起源霊装のイメージイラスト、そして見開きはKWKM様にデザインしていただいた夜会のドレス姿のセラスとなっております。特に、このドレス姿がすごかったです(トーカが腰に手を回しているシーンですね。セラスに声をかけようとした貴族視点のイラスト、とのことです)。
挿絵は裸でネックレスをつけているセラスを想像しているムニンだったり、スイーツでほくほく顔のセラスだったり、トーカと桐原が対峙するシーンが凝っていたり、セラスVS桐原の戦闘シーンがあったりと……こちらも、目で楽しめる挿絵になっているかと思います。
いよいよ10巻という二桁台の巻数となりましたが、ここまで巻数を重ねられたのも、やはり皆さまのおかげでございます。感想欄などでのご購入報告なども、ありがとうございます。また「感想欄などには書き込んではいないけれど、買ってますよー」という方も、ありがとうございます。おかげさまでシリーズ累計140万部とのことで……内容がハード寄りな部分もあるので「好きな人は好き」くらいのポジションの作品になるかなぁ?と当初は思うところもあったのですが、なんだか想定以上に多くの方にお読みいただけているようでございます……なので、よりがんばらねばな、と思う次第でございます。ともあれ既刊を含めご購入くださっている皆さま、本当にありがとうございます。
そんな感じで(長ったらしい)恒例の宣伝告知でございました。
今後とも「ハズレ枠」を、どうぞよろしくお願いいたします(がんばります)。




