おまけ:ある日のティモンとリオレティウス殿下+登場人物イラスト
こちらは小説本文ではなく、幕間の小ネタ的内容&AIで作成したイラストになります(苦手な方はお避けください)。
ちょっとしたおまけとして、のんびりお付き合いいただければ幸いです。
〜〜 ティモン目線、ある日のリオレティウス殿下 〜〜
(13部分:春の雷〜18部分:庭園にて、あたりのお話)
◇雷シーズン数日目のこと
リオレティウスの執務の合間に、ティモンは紅茶を用意していた。
ここ数日の王子は不思議と、書類仕事を急ピッチで片付けている。それから、時折窓の外を確認し、何やらやけに天気を気にしている様子。
「最近、随分とやる気を出されているのですね」
「いや、ちょっと早めに終わらそうと」
「何かあるのですか?」
「夜、雷が鳴ると、あれが泣くから」
「……シェリエン様ですか?」
「ん」
異国から迎えた妻に、王子は無関心。そんな一見したイメージと、実態は随分違うことを、ティモンは知っていた。
額に皺を寄せながら書類と格闘する王子を、ティモンは微笑ましく見守った。
◇庭園へ散歩に行った日のこと
「今日はめずらしく時間に余裕があるな。もう少し剣でも振ってくるか」
「お時間があるなら、シェリエン様とお庭の散歩でもされてきては?」
「……何故」
「ご夫婦が一緒に散歩するのに、何か理由が要りますか。鍛練を優先されるならお止めしませんが」
「いや、それは別にいいが。……俺と散歩なんかしてもつまらないだろう」
「何を仰っているのです。それはシェリエン様に聞いてください。ほら、せっかく良いお天気ですから」
「う……」
しばらくして。
ティモンが王宮の廊下を歩いていると、ちょうど庭園から戻ってくる二人の姿が見えた。
何を話しているのかは聴こえないが、ぽつぽつと言葉を交わしている。
二人とも饒舌なほうではない。会話が盛り上がっているかと言われればそうは見えないが、二人の間の空気感は穏やかで柔らかいものだ。
ティモンは目を細めて微笑み、自分の仕事に戻っていった。
その後、リオレティウスの部屋にて。
「お散歩、いかがでしたか?」
「ん、まあ、たまには悪くない」
「またお時間ができたら、シェリエン様をお誘いくださいね」
「……そうだな」
ティモンはにっこりと笑顔を浮かべた。




