・第十四章までの主要人物、国家、地図
*ネタバレを含みます。いきなり読まない方がよろしいでしょう。
*作中では語られていない設定も少し含まれています。第十四章終了時点までのことなので、疑問なところがあれば疑問のままにしておきましょう。
*第十三章までの主要人物、国家紹介で説明した箇所の一部は省略します。
〇29年目・夏
1話:第二 ~ 8話:晴れ姿
〇29年目・秋
9話:天が高くなって ~ 13話:力は天下に
●30年目・冬
13話:力は天下に ~ 16話:中原を差配する
〇30年目・春
17話:匪僚討つべし ~ 19話:浸透作戦
〇30年目・夏
20話:反乱 ~ 25話:平和というのは農民が考え出した
〇30年目・秋
25話:平和というのは農民が考え出した ~ 28話:なんなのこの男
●ベルリク帝国
国家名ではない、勢力圏である。魔神代理領共同体の一角とは既に呼べない域に達した。人物達の所属も重複し、また曖昧でもある。全てに線を引いて位置付けるのは難しく、この呼称は勿論一般的ではない。
〇ベルリク=カラバザル・グルツァラザツク・レスリャジン
男:セレード人
黒軍頭領、宇宙大元帥、国家名誉大元帥、遊牧皇帝、ウルンダル王、イューフェ=シェルコツェークヴァル男爵
主人公。右義手、左義足、頭ベルリクのかたわ。人事不省の身から塹壕陣地へ突撃出来るだけの元気を取り戻す。ベーア破壊戦争を勝利で終えるかどうかの前に龍朝天政を大陸から追放し、東西二つの帝国をほぼ同時に下してバルハギンとその息子達が作った帝国領域に一代でほぼ匹敵する。ジルマリアとは婚姻無効による離婚を行い、ソルヒンとは形だけの結婚をした。孫の、名目上は息子のフレガンは普通に可愛い。
*シレンサル
中央総監。ベルリクを完全な遊牧皇帝として北方遊牧諸族に示す。忠誠心は泌尿器から出る。
〇アクファル
女:レスリャジン人
遊牧皇帝代言者
人事不省時のベルリクを甲斐甲斐しく関節の曲げ伸ばしからケツの穴までお世話。今回は竜跨隊として良く働き、また大陸タルメシャ部の冊封国を鎮撫して回った。
*クセルヤータ
飛竜。父譲りの竜鉄拳を持つ相撲の覇者。軍務の他、シンルウ王とバッサムー王の頭蓋骨を粉砕して政治的勝利を得る。
〇ラシージ
マトラ妖精
黒軍将官
歴戦の将軍、みんなの親分。流石に高齢。妖精の老化現象を控え、龍朝追放後はペセトトへ渡る。亜神になって長命を得られればまだ戦える。
〇キジズ
男:アッジャール人
黒軍骸騎兵隊長
黒軍の右腕。あの辺で適当にやっとけ、でちゃんと仕事が出来る。
○セリンの息子ダーリク=バリド
男:セレード人
黒軍ダーリク分遣隊長
ベルリクの第二子長男。ベルリクが人事不省の間にソルヒンを妊娠させた男。黒軍ダーリク分遣隊として、前線指揮官としての頭角を現して自信を付けつつある。南洋作戦の目標は黒龍党の追討、水竜や走竜の家畜化、海上遊牧圏の確立。そしてゆくゆくの頂きは南洋皇帝だ!
○ギーリスの娘セリン
女:ファルマン人:魔族・アスリルリシェリ
黒軍セリン艦隊頭領
龍朝追放後の南洋作戦ではダーリクが南洋皇帝へと至る道へと進む。
〇ギーリスの息子ファスラ
男:ファルマン人
黒軍ファスラ艦隊頭領
艦隊というが普段は単独行動。海賊としての活動に限界を感じていたところでベルリクに勧誘される。セジン船団が緊急出港した後のアクノへ入港する。南洋作戦は始まったばかりである。
*ギーリスの曾孫ファスラの孫イスカ
ファスラ仕込みの卓越した身体操作能力を持つ。ホドリゴとは別れてファルマンの魔王号に乗り続けている。子供はいない。
▲帝国連邦
ベルリク帝国の中核。北大陸の妖精、獣人、狩猟遊牧民の多くを統べる。遊牧帝国の表看板、また魔神代理領共同体の一角。魔神代理領中央との距離感は、ベルリクの総統辞任、シェレヴィンツァ和平会談の失敗で開いているように見える。ベーア破壊戦争と龍朝追放を勝利で飾った直後、二十年は正規戦を行えないと言われる財政難の中で新生エーランへと宣戦を布告した。狂犬のような好戦性である。
*セレード王国
主要構成国。シルヴが第二代総統へ就任すると同時に帝国連邦に加盟した。旧ベーア帝国へ三度目の奇襲攻撃、第二次攻勢を仕掛ける基点となる。一度目はセレード独立戦争、二度目はベーア破壊戦争第一次攻勢。
*ヤゴール=ヤガロ両王国
主要構成国。旧ブリュヘム王領、フュルストラヴ公領、レギマン公領、ヘトロヴク諸家領を含んだ大ヤガロ地方を統一。
*エグセン人民共和国連邦
革命系衛星国。エグセン地方における、およそマウズ川東岸地域一帯を領土とする。
*カラミエ人民共和国
革命系衛星国。南カラミエ地方を領土とする。首班はヤズ元公子。
*南エグセン連邦
保護国。ヤガロ系支配層を追放したエグセン系国家。中心はバラメン司教領。セレードとロシエの合作。十人のセレード王子と王女を送り込んだ分、戦力を直接送り込んでいる分、ヤヌシュフ王が英雄となって死んだ分はセレード優位。新生エーランとは南北国境で紛争を抱える。
〇シルヴ・ベラスコイ
女:セレード人:魔族・シェンヴィク
総統、セレード大頭領
ベルリクの後任として選出されて第二代総統となり、ベーアとの講和間もないセレード王国を基点とした第二次攻勢を実現させた。術砲兵としてベーア破壊戦争、龍朝追放戦争で活躍。政治家としては、シェレヴィンツァ和平会談に派遣されて来た新生エーランの使者ウバラーダを暗殺し、同時に宣戦を布告しつつ経済封鎖も画策。勿論、連邦議会や長官級会合での合意形成などしていない。殺意は論理に先行する。息子の遺骨の真偽は食って勘で分かった。
*南エグセン紛争
新生エーラン副王アルザビスの軍勢によるエグセン侵攻をヤヌシュフ王が阻止したことから始まった一連の戦い。現在エグセンとフラルの伝統国境線上で膠着中。
*シェレヴィンツァ和平会談
イスタメル州州都シェレヴィンツァにて、魔神代理領中央から派遣されてきた仲介者の元で南エグセン紛争を解決しようとした会合。帝国連邦側による新生エーラン側の使者暗殺という形で幕を閉じた。
○ルサレヤ
女:古スライフィール人:魔族・ゴルゴド
魔法長官、秘書局局長、総統代理
帝国連邦の知恵袋、外交部。ルサレヤ、ウラグマ、ウバラーダの血縁者魔族三人の影響力で成功が見込まれたシェレヴィンツァ和平会談では、新生エーランへの経済封鎖に協力的で、使者を暗殺するシルヴの凶行を止めようともしなかった。狂犬的な帝国連邦を御す首輪という位置付けであったはずだが。
○クロストナ・フェンベル
女:エグセン人
内務省長官
通名ジルマリア。ベルリクと離婚した以外は立場に変化無し。仕事振りは変わらず精勤。最近は聖王親衛隊を使っている姿がやや目立つ。
*ベルリク=マハーリール
ベルリクの第四子次男。彗星ちゃん。離婚後はジルマリア方に引き取られた、とは言っても住所も何も変わってはいない。
*エマリエ・ダストーリ
聖王親衛隊無派閥。現在はジルマリアの手下としてフラルで活動中。ヤヌシュフをカラドス騎馬像広場まで誘導。
〇ナレザギー
男:メルカプール人
財務長官、持ち会社組織の長
帝国連邦が次の戦争をまともに行う資金はむこう二十年くらい無いよ、今は財政難だよ、と言っている。天下統一を遂げたレン朝との貿易調整で財政再建に拍車がかけられるかもしれない。尚、黒軍などの員数外戦力による軍事工作は否定していない。
〇ストレム
男:マトラ妖精
軍務長官
砲兵出身の新軍務長官。前軍務長官ゼクラグの死後、職を引き継ぐ。ほぼ後継者として指名されていたので職務は心得ている。
*ゼクラグ
前軍務長官の髭妖精。死因は過労死。
〇ダンマリマのジュゼク
男:ムピア人
法務長官
今のところ実務への関りが薄い人物である。南エグセン紛争に関して魔神代理領的法的解釈を述べた。今後の新生エーランとの戦い、魔都との政治調整には必須の人物であろう。
〇ナルクス
男:マトラ妖精
ベーア破壊戦争前線司令
立場は上がってもやることは大体同じで突撃する前線司令官。第二次攻勢中に行った水陸共同の迂回突破戦術でベーア軍の後背地に打撃を与え、続けてカチビア線にて二個軍集団の包囲降伏を成功させた。これは終戦のきっかけの一つである。
〇ニリシュ
男:チャグル人
ベーア破壊戦争総司令
ナルクスが奇策を実行している間に、真正面から大軍を順当に指揮して第二次攻勢を成功させた。
〇ヤヌシュフ・ベラスコイ
男:セレード人:魔族の種・ネヴィザ
セレード国王
副主人公。魔剣ネヴィザの力を継承したことに恥じない二刀の術剣士。ベーア破壊戦争の第二次攻勢から大規模騎兵浸透作戦を実行して前線への兵力供給を妨害。南下しては南エグセン連邦形成に着手。続いて北進を目論むアルザビス軍を撃退して北フラルへ逆侵攻。遂には新生エーランの新首都にまで単騎突入し、アルザビスとの決闘で敗北して虜囚の身となった。その後、魔族の種となって力の継承に使われるも、尽く相手を認めず知性の無い粗製魔族へと落としている。
*エレヴィカ・ベラスコイ=グルツァラザツク
セレード王妃。ヤヌシュフが至らない小難しいことは彼女にお任せ。ヤヌシュフの政治能力喪失に伴い、幼王摂政としてセレード王国を率いていくことになるだろう。
*サリシュフ・グルツァラザツク
救済同盟頭領。国境を越えた医療奉仕活動を行っている。セレードとエグセン諸邦との横の繋がりも作る。
〇ジールト・ブットイマルス
男:ヤゴール人
大陸浪人
優れた冒険家で狙撃手。リュ・ジャンと天力傭兵団を光復党に復帰させる。またイスパルタス等を引き込んで霊山におけるベルリク襲撃事件で活躍。滑空機を用いた特殊作戦の基礎を築いた。凄い人物なのだが、迫力が無いのでそうは見えない。
*アーラ
獣憑き、種類は馬。ジールトの妻。かつて地上から龍道への落とし穴を見分けた術を、出入りの術まで昇華。かつて”大尉”との作戦協力中に磨いた呪術弾の作成や透視の観測術は健在。一人息子を背負っての冒険は大変。
*メハレム
ギーレイの犬頭獣人。ジールトの相棒。二人に比べてあまり目立たないが弓馬に優れた戦士。
〇ボルダ
男:オング人
著名人
現役を退いたので特定の職にはついていない。航空相撲という競技を考え付き、滑空機運用に造詣が深い。天道教青衣派の在家権威ということからベルリクとソルヒンの結婚式に関与した。
▲後レン朝天政
ソルヒンの一計により瞬く間に龍朝を大陸から追放して天下再統一を成し遂げた。また大陸タルメシャ部における冊封国を継承したことから最大版図への到達も遂げられた。政治改革の始まりとしては四王領制と道藩制を廃して三十九省を設置。
現政権の認識としては北東部に退いただけで”後”とつけられる覚えはないが、ソルヒンは龍朝内にて纏軍を率いていた時点があってそこが断絶と見做せる。
宗教的には天道教青衣派を宮廷として保護する方針を取る。旧来重視されていた龍教は、弾圧こそされていないが活動し辛い状況には追い込まれている。
*朱西道大震災
龍朝分断中に発生した自然災害。甚大な被害をもたらし、レン朝側は救済活動を展開する一方で、黒龍側は見捨てる行動を取って事情を知る者達から求心力を失う。予測された大洪水は一時回避されたものの、現在も復旧中。
〇レン・ソルヒン
女:文明人
天太后
今のところは希代の策略家と言える。遊牧皇帝の力を手に入れ、弟のシャンルを暗殺して逆賊龍朝を分断し、最低限の戦闘で大陸から追放し、丁度時頃良く産んだ息子フレガンを皇帝にして王朝基盤を固めた。ベルリクとは不仲ではないが、しかし仲良し夫婦というわけでもない。
*レン・フレガン
光復帝。公式にはベルリクの第五子三男。ベルリクとソルヒンが結婚する前にダーリクが彼女に仕込んだ男児。続柄に関しては三者、問題にする気はない。
*天太后
ソルヒンが考え出した新称号。太上皇/退位天子、皇母、摂政などの意を三文字にまとめた。
〇リュ・ドルホン
男:文明人
内閣総理大臣
光復大臣から改められた肩書は一般の全人民代表を示す。地方軍閥頭領から天政の実務者トップにまで成り上がった。
〇リュ・ジャン
男:文明人
天力傭兵団団長、黄陽拳宇宙最高師範
ジールトの導きによる父ドルホンと和解してレン朝に加わる。東護軍征伐の際には水陸共同作戦に参加。その後は特異な戦闘集団を用いて功臣の粛清に邁進する。
〇サウ・ツェンリー
女:文明人・龍人
内閣大学士
皇族を教育する肩書は秀才の官僚代表を示す。龍朝に屈した後もレン朝派を続けて遂には本章で政権を引っ繰り返す大因となる。宇宙一頭でっかち。
*公安号
天然の霊獣。今ではヤンルー禁城のマスコット。ほぼデカいだけの犬。
〇サウ・エルゥ
男:文明人・龍人
陸軍大臣
基本的にツェンリーの追従者。彼女の考えが正しいということでそれ以上の判断を不要としている。現在は朱西道大震災の復旧作業で忙しい。
〇ルオ・シラン
男:文明人・龍人
海軍大臣
龍朝分断時は態度を曖昧にして、朱西道大震災からレン朝寄りに動いていく。結果的にサイシン半島と違って中原南部を戦場にすることはなかった。
*クイン
自由に育ったシランの一人娘。一般的な適齢期を過ぎても独身。金蓮とはお友達。
〇ピエター
男:ランマルカ妖精
大陸宣教師
特に正気を失っているわけでもなく工作員として友好国である帝国連邦に協力。お子様みたいな挙動は幼児退行などではなく素面。
●アマナ
大陸における龍朝の終わりを察して駐留する東護軍を排除した。目的は大陸との交易の維持であり、心中する程の仲でもなかった。トマイ山の龍道僧達は黒龍党に親和的で施設を増築した程だが、あくまでも宗教上の理由であって俗政に関与する気はない。
〇シンザ
男:トマイ人・即身転生
鎮護総督
トマイ山を訪れた黒龍党をもてなす。頭を下げることで金蓮の要求を突っぱねる。宗教的冒険心にて黒龍党の竜大陸行きへ選抜した僧等と共に同行。
●リュウトウ
人魚貿易の独占地。諸島部はアクノ、四山、北山、南山に分かれる。この度、アクノ市長が黒龍党艦隊の力を借りて四部を統合して王となる。見返りとしては竜大陸との交易の約束。その後に黒軍艦隊が来航するが……。
〇金蓮
女:人竜
アクノ郡主
副主人公。特務巡撫としてタルメシャ作戦から退いた後に、儀礼行事や震災調査などに関わる。様々な行いから母である黒龍の人徳を疑いながらも離反はしなかった。それから大役を任せられることもなく大陸から逃れ、セジンの指示でリュウトウに残留し、竜大陸との交易の約束を維持するための人柱として置いていかれる。無力なお姫様となった後、ダーリクから誘われてしまうが?
*ヒナオキ・シゲヒロ
人竜化した元人間。金蓮の夫で補佐役。アマナに黒龍党が退いた後に反乱を画策するもレン・セジンと”中身”が入れ替えられて人格が消失する。
●黒龍党
黒龍帝一派の名称としてこれを用いる。自称としては今のところ使われない。
黒龍帝を頂点に龍人や霊獣のような異形の、子孫を残せない者達ばかりが集まっている。大陸を出て竜大陸に新たな拠点を築こうとしている。
〇????
女:龍
黒龍帝
愚かな少女体の身代わりを立てている間に、金蓮に新しい己を産ませ、孵化後にその少女体を食って栄養をつけ、置き物とすら呼ばれた不動の龍帝と呼ばれる白い龍の身体を乗っ取って巨大な黒龍と化す。腹の中に”獣の神”を抱える。ベルリク相手に何をやっても勝てないからその寿命を待って反攻しようという百年の計を主張。
*白面龍王
龍道に住んでいる龍と思われる巨大生物。かつてシンザが龍道で目撃した龍と姿形が一致する様子。黒龍帝を目の敵にして霊山を襲撃し、戦いの結果は痛み分け。
〇レン・セジン
男:文明人・龍人
龍人王?
龍朝とレン朝の融合の象徴であったが、シャンル暗殺以降揺らいで落ちる。霊山にてベルリク暗殺を目論むも狙撃に倒れて一旦は死んだものの、次は人龍シゲヒロの身体に移された。大陸失陥後はアマナ、リュウトウ、竜大陸航路を開拓中。
*レン・シャンル
龍朝が抱えていた正統なレン朝男系皇太子。策略に乗って姉ソルヒンの結婚式に出席。感涙する中、毒薬仕込みのかんざしを眼球に突き刺されて脳に到達。死亡により、最も正統性を持つ人物はソルヒンとなった。
*オン・グジン
東護巡撫。セジンの忠臣。龍人。黒龍党の大陸脱出組の時間稼ぎに使われる。敗北を悟った後に責任を取り、服毒して七転八倒の後に死亡する。
●魔神代理領
共同体の帝国連邦と新生エーランによる西方侵略を、身を削って後方から支援していたところ、何故か両者が南エグセン紛争を勃発させ、公正な仲介者として和平を提案しところ面子を潰される形で会談を潰された。
○ラコニオンのイスパルタス
男:ゴルコ人:魔族・バイクル
いわゆるベリュデイン派量産魔族の一人。魔都ではあまり立場は良くなかったが、ザラから勉学を習ってシンパとなる。今回はジールトに導かれて霊山で作戦に従事し、後に魔都方面から本格的な龍道調査に入る。水へ飛び込むように地上から龍道へ潜る術を習得している。
*鋸、槍、金鎚、鋲頭
イスパルタスの子分四名。同じバイクルから力を継承した大体同じ立場、力の量産魔族。何れも鮫に似た姿。
▲新生エーラン
俗称魔王軍。エスナル戦線でもフラル戦線でも膠着状態に陥っており、南エグセン紛争では実り無く消耗を加速させた。最近ではペセトト廃帝軍も活動を控えていて更に活動は低調気味。旧聖都へ遷都してエーランと再改名し、軍閥頼りの分権体制を改めようとしていた矢先に重鎮を失いつつ帝国連邦とまさかの開戦に至る。
〇ハドマの息子イバイヤース
男:サイール人:魔族・ダリュゲール
魔王/バラーキ
破竹の勢いで勢力を拡大してきたが勢いを失う。戦力増強策の一環で敗れたヤヌシュフを魔族の種として確保し、返還を渋って遺骨を擬装した結果、ウバラーダを殺された上に交渉の余地無く帝国連邦と開戦してしまった。人材不足から捕虜にしているランスロウ元帥とヴァンス大将を、対ベルリク戦をだしに勧誘しようとする。物事が上手くいっていないので苛ついている。
*アルザビス
新生エーランの副王。蠍人の身体はイサ女帝と同じ。南大陸で失った代わりの領土をエグセン地方に求めた結果、セレードと藪蛇に開戦してしまう。ヤヌシュフとの決闘では勝利するも重傷を負う。
*スライフィールのウバラーダ
ルサレヤを先祖に持つ新生エーランの暫定宰相。下半身が猫科の首下のような身体を持つ魔族。シェレヴィンツァ和平会談に出席し、痛み分けの終戦を目指したがシルヴに不意打ちされて死亡。
〇アデロ=アンベル・ストラニョーラ
男:フラル人
北フラル総督、フェルシッタ傭兵団団長、フラル解放軍司令
ビオウルロン山脈以西以外の北フラル地方を統治中。副王アルザビスが南エグセン地方へ余計なことをしたせいで被害、迷惑を被る。魔王の直臣等とは意識の差がある。
*サトラティニ・オッデ
アデロ=アンベルの直卒の士官伝令で、娘婿。
●ロシエ=エデルト連合
公式な名称ではない。ロシエ帝国を上位にエデルト王国と同君連合を結ぶ。弱体化し、保護される神聖教会は属国であろう。
〇マールリーヴァ・アルギヴェン
ロシエ皇后、エデルト女王
小ヴァルキリカとも一部で呼ばれる。親譲りの高身長は夫より上。目立った言説は無いが、王太子の立場を奪って即位するなど振る舞いは強硬的。ベーア帝冠から器具を使わずに宝石を外せる程度の強い握力がある。
*ラーズレク・アルギヴェン
マールリーヴァの大叔父。海軍大将。高齢の身でエデルト、天政を往復して体調を崩す。死ぬ前に故郷へ帰れる予定だったが南エグセン紛争の煽りを受け、魔王軍に捕らえられた後に北フラルで客死。
▲ロシエ帝国
ベーア帝国崩壊に伴って、分離されたザーン連邦、ナスランデン共和国、ガートルゲン王国を外交的に併合。また帝国連邦と国境を接したくないという理由から緩衝国家として南エグセン連邦建国に寄与する。
〇ランスロウ・カラドス=レディワイス
男:ロシエ人
独立戦略機動軍司令
現在は新生エーランの捕虜。待遇は悪くなく、魔王イバイヤースをおちょくるぐらいは無礼が許されているのは将来、降将となると見込まれてのこと。
〇ラープ・リノー
男:ユバール人
陸軍元帥
鉄兜党員。主に機兵の技術屋である。元帥と呼ばれる程では無かったが党戦略で階級が上がり過ぎた。戦略戦術などを語らず、語れず、全て部下達に任せるタイプ。
*お卵様
新型機兵用に、現段階の技術で究極的に寸詰めされた人間。部品としての小型化の成功により機体性能は向上。脳神経と機械を直接接続し、まるで五体のように操れる設計。
〇ハウラ・ロシュロウ
女:エグセン人
ロシエ帝国宰相府調査室付き陸軍大佐、合議聖王親衛隊隊長
南エグセン連邦設立工作に関与。顔にはあまり出さないが好き嫌いが強め。野蛮人は嫌い。
〇マロード・フッセン
男:エグセン人
ガートルゲン王
走狗王。旧ベーア帝国では二度もクーデタを行い、自国が大いに傷つく前に戦争を終結させてロシエ帝国へ寝返った。更にロシエ内での地位向上のためにヴァンス大将を生贄に捧げるように前線へ飛ばす。全ては国益のためで私益は無い。
〇ヴァンス=ホルヘット・フェンドック
男:エグセン人
ガートルゲン陸軍大将
副主人公。若い頃は騎兵だった、軍大学校主席の秀才。また軍政の天才とも呼ばれ、建国間もないベーア帝国から、人口の一割に迫る武装兵士を前線へ送り込む組織を作り上げた。またマロード王に従って国内工作も引き受ける。他人も自分の命も軽視していたが、流石に婦人決死隊の編制については後悔があったもよう。カトロレオ峠の戦いで新生エーランの捕虜となる。
*ヘルザ・フェンドック
ヴァンスの妻。色気が無い。婦人決死隊指揮官を一時務めた。
*ジェムス・フェンドック
ヴァンスの息子。元陸軍将校。任務中にウルロン山中で凍傷を負って除隊。貴賤結婚をしようとしたので親子の縁を切られる。
*クルツマン・ゲルドリット
陸軍准将。猛将の類。覚醒剤の多用で中毒症状が見られる。国民突撃隊の運用実証を行った。
▲エデルト王国
崩壊したベーア帝国の中核本体。帝国連邦に敗北してエグセン諸邦を分離しながらも、ちゃっかり南エデルト地方を本土として全て回収した。海軍は帝国崩壊の影響をほぼ受けることなくロシエ海軍と共に活動中。政治工作の結果、ルドリグ王太子を廃してマールリーヴァが女王へ即位した。
〇エドアルク・ザリュッケンバーク
男:エデルト人
陸軍中将、軍事顧問団長
八十を超えても元気な老体。龍朝の追放により職務が無くなり、ベルリクの厚意で鉄道を使ってエデルトへの帰郷を果たそうとするも南エグセン紛争に巻き込まれて失敗。その縁で南エグセン連邦の軍事顧問として活動を始める。働きは良好。
〇ウィラン・ブレースコット
男:ランマルカ人
海軍情報部部長
マロード王による第一次クーデタを察知しながらも、阻止しようとして失敗した。
▲神聖教会
聖なる神の教えの権威、複数国家を統治した上位組織。しかし今やフラルの大半を失陥して断片化している。指導者を失って政治的に主導する力も無く、ただロシエ帝国に従うのみ。
○リュハンナ=マリスラ
女:セレード人
活動家?
ベルリクの第三子次女。”先見”でヴァンスをイバイヤースの元まで導いた、のかもしれない。余人に予測出来る行動はしていないかもしれない。
〇ロサーヌ
女:フラル人
聖科学医療修道会隊員
出身は下層階級でマンホールチルドレン。大体の悪事は働いて来た品の無い少女。隊員としては勇猛果敢。
*聖科学医療修道会
聖カロリナ挺身修道会の流れをくむ。主に新型機兵の中核部品である”お卵様”を戦場で回収することが役割。被差別階級の、子を産まない修道女ということで女ではない、守られる価値が無いとされた者達で構成されている。合言葉は”聖カロリナ”。
14章終了時点の世界地図 *縮小版 文字が潰れています
14章終了時点の世界地図はデータサイズが大き過ぎてそのまま掲載出来ないのでピクシブへのリンクを貼ります。
https://www.pixiv.net/artworks/137826162




