第九十六話・萌えキャラとラッキースケベ
萌えキャラについて。萌えという言葉は結構昔からありました。しかしラッキースケベという言葉をごく最近覚えたとき、私の心の中で萌えとなぜか、がっちり結び付いてしまいました。多分私の思考経路がおかしいのだと思いますが読んでくださいますか。
まずラッキースケベ。私が説明するよりウィキペディアの方がわかりやすいかと思うのでコピペしてみます。
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ラッキースケベとは、日本の少年漫画や少年向けアニメなどにおいて、平凡な主人公の少年が偶然、女性の素肌に触れてしまったり、見てはいけない箇所が見えてしまったりする出来事を、現実世界から見て端的に表現した語句。
……以上引用終わり
スケベという名称は、大昔からありました。 ⇒⇒⇒ 助兵衛、すきべえという男性名が変化したものだそうです。わかりやすくいうと、何かにつまずいて、女性と接触する。突風がふいて好きな女の子の下着を見てしまうなど。意図的にやると犯罪になるが、偶然こうなったというもの。一般男性の心理としてわかりやすい。それがラッキースケベ。
私は広告、電車、町の中で見かける萌えキャラアニメ調のポスターに、これっていわゆるラッキースケベも入ってないかと感じることがあります……胸元をさりげなく強調した衣類、短かめのスカートからのぞく太もも、下着のしわのライン……実写で若い女性モデルやタレントさんにそんなポーズを取らせると批判が出ます。しかし、アニメ調だと和らぐ。アニメも漫画も、そもそも誇張……デフォルメが基本ですから。
輝くような無垢の笑顔、恥ずかしそうに頬を赤らめた上目遣い……こういった萌えキャラに主張をさせると、日常的に受け入られやすい……そう思う私がヘンだろうか……。今回は何が良い悪いか決めようという話ではなく、時代そのものが私の生きている間に変化したなあという話です。
私はメディアの発信側ではなく、常に受け止める側です。私は時折若い人たちが使う新しい言語から世の潮流を見る。いや、なんのことはない。萌えだって、昔は一部のオタク用語の位置づけでしたが、今や日常的に普通にある。いわゆるラッキースケベだって同じです。ちょっとネットサーフィンをしただけで普通に広告などで見かける。
リアルな女性の胸を強調したもの、女性の笑顔を使うのは広告媒体として昔からありました。でも控えめでした。近年は控えめどころかあからさまだと感じます。
たとえば観光客誘致のための公的機関や、標語や呼びかけのポスターでも昔は楽しそうな家族が微笑んでいたり、犬や猫を擬人化したものが掲載されていました。そもそも漫画は低俗だとされる時代が長かった。漫画がMANGAとされ、日本が誇る文化とされる今の時代からは想像がつかないでしょう。
実は私と縁のある某観光地が、客誘致のためにアニメ調のオリジナルキャラクターを数体作成された。萌えキャラ系の若い女の子です。学生服ぽい服を着ています。目が大きくて胸も目立って髪の色は赤やピンクなど色とりどり。総じてみんな足が長い。そして制服らしいが体型にぴったり添っている。そういうところがラッキースケベの亜流ぽい。
逆にそういうのをあえて避けて小さな子どもバージョンもあるが、必ず女の子だ。昔のように民芸品や建築物をポスターにすると、現在では画像検索で簡単にみられるので違うものをとなるのだろうか。それでゆるキャラや萌えキャラが出てきたのか。町おこしならぬ、萌えおこしという言葉すらある。萌えキャラのグッズを観光スタンプラリーの賞品にしている。効果が見込めるから公金を投じてやる。文句はない。多分おかしいのはそんなことで違和感を感じる私だ。
私は萌えキャラ路線をやめてほしいのではない。近未来の広報や広告はどこへ向かうのかと思うだけ。医学的にありえぬ体型の彼女たちは広告を見る人に常に笑顔を向ける。そのメッセージに逆に見ている方が恥ずかしさを感じる。これまた私の感覚がおかしいのだろう。私は倫理協会の人でもなく、子供たちの環境によくないと運動する人でもないけれど、萌えキャラ一つを見ても人間関係が濃密であるよりもあっさり系が尊ばれるとも感じます。これも私の感覚が……ですね。今回はこれで終わります。




