第二十八話・大きな組織に過去いたからといって偉いことにはならぬ
過去に非常勤勤務していた医療機関で、Mという人がいました。Mは、気に入りの人だけとつきあい、Mが嫌った人はいやな思いをしてやめました。やめない人は団結していました。
医療分野で働くということは、不特定大多数の患者が来る割には、閉鎖的な環境にあると私は思っています。それなのに、Mは他部署とも公然と喧嘩をする。もちろん仕事上のことで正義でやっています。が、私の意見が通されるべきという態度だったらしく、周囲への感情面での進め方が強引すぎてよろしくなかったようです。
私は最初は気に入られていたのですが、ひょんなことで嫌われ、病棟内でまかされていた仕事を取り上げられるというパワハラを受けてそこを退職しました。Mは役職でないのに、そこをしきっており、私には理由を告げずに仕事はないと告げたので、看護師長に直接談判して私のどこがいけなかったのかを教えてくれと言いました。結果、Mが師長にも虚偽の理由を告げて病棟立ち入りを禁じたと判明し、双方で驚きあいました。Mは師長や人事による私に対してのパワハラについての質問に答えられませんでした。が、パワハラはしていないと断固として認めない。私はそういう場所に執着してまで働きたくない。転職しました。
今回はその後日談です。
この件をきっかけに、当該の病院に人事評価を給与に反映するというシステム導入が決められたそうです。すると、Mはそこをあっさりと退職しました。人を公然と嫌う人は、その人も公然と嫌われる。Mは頭の良い人です。給料が下がるだろうと察知したので、やめたのです。超絶狭い田舎の医療機関ですので、情報は入る。Mは、次に入ったところでも、その強烈な性格で古参を退職させたそうで懲りてない。
Mのプライドの高さは過去民間なれど大きな組織にいたという履歴によります。「田舎のシステムは遅れているので、患者のためにもその分私ががんばらねば」 という意識は立派ですが、古くからがんばっている古参の業績とやり方を根本から否定し、改革を提唱し、それに付き合わねば罵声を浴びせるという感じかな。Mは私には「皆が新しい提案を嫌うので困る。協力者が少ない」 と言いましたがその個性の強さから昔から敵を作るタイプだと感じて、私もあえて最初から仲良くはしませんでした。だって初対面で前に辞めた人の悪口と批判を言う人でしたので……それでよかったと思います。
それにしても、Mのメンタルの強さには驚きます。こういう人が性格の穏やかな人を駆逐していくのかも……と思いましたのでイラクサゲット、文章にしてみました。




