次回予告スペシャル!(注意:予告はあっても公開は未定です) その2
○○話
「瑞穂さん」
「は、はい?」
俺の目の前には大学でも人気のある先輩が立っていた。
学食から出てきたばかりの俺を待ち構えていたんだと思う。
彼はいかにも偶然を装って目の前に現れた。
周囲の学生たちは何だ何だと、周囲はあっと言う間に人だかりになる。
やばい、女装した俺はこの大学の正式な学生じゃないのに。
見る人がこの姿を見てしまうとあまり良い状況にはならない。
ここはどうにか逃げるしかない。
しかし、何の用事だろう?
まさか昨日、今日の知り合った関係で告白だとかないだろうし。
「僕と付き合ってくだっさい」
マジで告白だった!
周囲の学生の耳すべてに聞こえるレベルで俺に告白しやがった。
やばい、刺さるような視線を感じるぞ。
主に女子学生からの視線が痛すぎる。
でも、でも何で? なんでこいついきなり俺に告白?
俺、あんまこいつの事しらないのに。
こいつとか言いつつ先輩だけど。
「え、えっと? あの? 意味が?」
「忘れたんですか? コミケで、横でコスプレしてたじゃないですか!」
「へっ!?」
コスプレ? えっ?
え、えっと?
な、夏のコミケだよな?
横? 俺はえっと、戦これのコスプレしてて……横に来てたのって……
「ああ! ボヤッキーのコスの!?」
そうだ! いったーマンのボヤッキーのコス!
こいつか! こいつだったのか!
「そうです! 僕です!」
いやいや、確かにあの時にはいろいろと会話したけど。
なんか口説かれたような気もしたけど、まさかまたここに出会うとは……
滅多に女装なんてして来ないのに。
だけど、よくよく考えれば俺には彼氏いるじゃん。
そうだ! 俺には彼氏がいる! 女だけど!
「ごめんなさい! 私にはおつきあいしている人がいます!」
「ほ、本当ですか?」
「はい……だからごめんなさい」
「そいつはこの大学ですか?」
「あ、いえ、違います」
「じゃあ、まだ逆転の余地はあると?」
待て、誰もそんなん言ってねぇ!
なんてポジティブなんだよこいつ!




