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クロス・ドレッサー・クロス  作者: みずきなな
予告などをまとめて入れておく場所
12/15

次回予告スペシャル!(注意:予告はあっても公開は未定です) その2

 ○○話


「瑞穂さん」

「は、はい?」


 俺の目の前には大学でも人気のある先輩が立っていた。

 学食から出てきたばかりの俺を待ち構えていたんだと思う。

 彼はいかにも偶然を装って目の前に現れた。

 周囲の学生たちは何だ何だと、周囲はあっと言う間に人だかりになる。

 やばい、女装した俺はこの大学の正式な学生じゃないのに。

 見る人がこの姿を見てしまうとあまり良い状況にはならない。

 ここはどうにか逃げるしかない。

 しかし、何の用事だろう?

 まさか昨日、今日の知り合った関係で告白だとかないだろうし。


「僕と付き合ってくだっさい」


 マジで告白だった!

 周囲の学生の耳すべてに聞こえるレベルで俺に告白しやがった。

 やばい、刺さるような視線を感じるぞ。

 主に女子学生からの視線が痛すぎる。

 でも、でも何で? なんでこいついきなり俺に告白?

 俺、あんまこいつの事しらないのに。

 こいつとか言いつつ先輩だけど。


「え、えっと? あの? 意味が?」

「忘れたんですか? コミケで、横でコスプレしてたじゃないですか!」

「へっ!?」


 コスプレ? えっ?

 え、えっと?

 な、夏のコミケだよな?

 横? 俺はえっと、戦これのコスプレしてて……横に来てたのって……


「ああ! ボヤッキーのコスの!?」


 そうだ! いったーマンのボヤッキーのコス!

 こいつか! こいつだったのか!


「そうです! 僕です!」


 いやいや、確かにあの時にはいろいろと会話したけど。

 なんか口説かれたような気もしたけど、まさかまたここに出会うとは……

 滅多に女装なんてして来ないのに。

 だけど、よくよく考えれば俺には彼氏いるじゃん。

 そうだ! 俺には彼氏がいる! 女だけど!


「ごめんなさい! 私にはおつきあいしている人がいます!」

「ほ、本当ですか?」

「はい……だからごめんなさい」

「そいつはこの大学ですか?」

「あ、いえ、違います」

「じゃあ、まだ逆転の余地はあると?」


 待て、誰もそんなん言ってねぇ!

 なんてポジティブなんだよこいつ!

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