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【Web版】成長率マシマシスキルを選んだら無職判定されて追放されました。~スキルマニアに助けられましたが染まらないようにしたいと思います~  作者: m-kawa
第七部

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第408話 監視の強化

 設備が完成した温泉とはすでに次元魔法でつないであり、屋敷の住人と使用人は誰でも行き来ができるようにしてある。遠く東にある島の拠点とも行き来ができるようにしており、あちらの情報もちょくちょくと入りはじめている。

 メサリアさんからの定期報告で、やはり新天地を目指してこの大陸に来たことは間違いないらしい。


「そういや忘れてたけど、領主から調査依頼受けてたんだっけか」


「んな大事なもの忘れんなよ……」


 イヴァンから呆れられるがしょうがない。

 孤児院の子どもが怪我をさせられた件もあるし、物騒な連中だとわかった今では報告しに行かないという選択肢は取れそうもない。


「んじゃ今からちゃっちゃと行ってくるか」


 フォニアに悲しそうな目を向けられたので、明日は予定通りに動くべく面倒なことは今日終わらせておくことにした。まだ夕飯前だし大丈夫でしょ。




 そして翌日。フォニアとダンジョンに行く日がやってきた。もちろんイヴァンも一緒だ。前回一緒に潜ったダンジョンは即死級の難易度だったので、今回は普通だったらいいなぁと思っている。


 ちなみに領主への報告は問題なく完了している。まさかの東にある島からの客だとは思いもしなかったと驚いていたが、話を聞いてすぐに、国への報告と防衛戦力の招集が最速で行われている。

 冒険者ギルドのマスターにも、方言を話す冒険者には要警戒と報告が飛んでいる状況だ。

 ちなみに依頼は完了したが、東の島の情報収集は引き続き行っている。


「……どっちかってーと、今は実働部隊のほうを監視すべきだよなぁ」


 と気づいたので、今では鳥TYPEも東の海上に放っている。今のところ街へ向かってくる様子はないが、いつ攻めてきても対処できるようにしておかなければならない。

 孤児を蹴り飛ばして俺にぶっ飛ばされた冒険者については、治療を受けた後どうやら沖に停泊している大型船へと戻っているらしい。


「それよりも今はダンジョンか」


 予定通り俺たち四人と一匹は、蜘蛛TYPEが発見したダンジョンへとやってきた。


「普通の難易度だといいな」


「あはは……」


「だんじょん、だんじょん」


「わふふん、わふふん」


 イヴァンは警戒しているようだが、フォニアは楽しそうによくわからない歌を歌っている。ニルも釣られて声をあげているが、フォニアとリズムが合っていない。


「もしかしてダークエルフの集落ってあっちにあるのかな?」


「ああ、思ったより近いな」


「へぇ」


 莉緒が言うように、集落からは十キロメートルくらいの距離だろうか。警戒範囲内だろうし、もしかすると定期的に潜りに来ているダークエルフがいるかもしれない。


 ここは鬱蒼と茂った森の中である。それなりに大きな木が二本、五メートルほどの間隔を空けて空へと伸びているが、途中で合流して一本の木のようになっていた。そのアーチ状にできた空間がダンジョンの入り口になっているのだ。

 向こう側はダンジョンの中となっており、いきなり巨大な建物の入り口ホールのような様相を見せている。木の裏側から覗いてみると普通に森の空間が続いていて、通り抜けると素通りしてダンジョンには入れなかった。


「ダンジョンの入り口ってこうなってんだ」


「面白いわねぇ。……あ、見てみて」


 感心していると莉緒が自分で次元の穴を開けて裏側から覗いている。今まで裏側なんて覗いたことなかったけど、そこには何かあるようには見えずに普通に向こう側が見える。

「どうなってんだろ」


「あははは! おもしろーい!」


 次元の穴の裏側からフォニアが顔を出して遊んでいる。次元の穴の断面から生首が生えているように見えてちょっと心臓に悪かった。


「ま、遊んでないでダンジョン行きますか」


「おー!」


 まさにダンジョンは次元が異なる世界というのがよくわかる入り口だ。

 中に入れば石造りの館を思わせるホールが広がっている。赤い絨毯がまっすぐに敷かれていて奥へと続いている。


「とりあえずまっすぐ進んでみるか」


「おう」


 左右へも道は伸びているが、何も考えずにまっすぐ進んでみることにした。




 魔の森にあるダンジョンのように即死級の罠があるわけでもなく、普通のダンジョンだった。適度に魔物もいて、フォニアとニルが楽しそうに先頭を切って、楽しそうに探索をしてこの日は終わった。


 特に用がなければ晩御飯は家で食べるようにしているので、この日も漏れなく夕方ごろに切り上げて帰ってきた。戦利品は宝箱がひとつと、一日の探索結果としては上々ではなかろうか。


 ここ最近はリゼルエーデと共に摂ることになっている食堂へと顔を出すと、当の本人が大人しく着席していた。いつもはすぐに寄ってきて話を始めるのだが、今日はなんだか大人しい。


「……何かあったのかな?」


 じっと見つめていると、ギギギと音がしそうな緩慢な動きでリゼルエーデがこちらに顔を向ける。


「か、帰っていたのか……。お主らは、その、……ダンジョンに行っていたのであろう?」


「そうだけど」


「やはり……」


 恐る恐る確認するように聞いてくるリゼルエーデに疑問に思いながらも肯定すると、何かを考えこむように視線を前方に向ける。


 そういえばリゼルエーデにわざわざダンジョンに行くって言ったっけかな? もしかすると使用人から聞いたのかも?


 そのときは特に疑問にも思わずに、みんなで夕飯を囲むのであった。

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