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【Web版】成長率マシマシスキルを選んだら無職判定されて追放されました。~スキルマニアに助けられましたが染まらないようにしたいと思います~  作者: m-kawa
第四部

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第219話 救出と捕獲

 全員で協議の末、作戦決行は今夜に決まった。

 現地に赴くのは俺一人、他の二人と一匹は宿で留守番をすることに決まる。莉緒からは真っ先に自分の隷属の首輪を外してくれたらそれでいいと言われている。どうやら自分では外せないらしい。

 さすがに莉緒を連れ去ったその日に、所在がばれてもいないアジトに襲撃があるとは相手も思わないだろう。アジトに帰って一息ついて気が緩んだ時間帯を狙うこととなった。


『そろそろいいわよ』


 あとは莉緒からの合図を待つだけとなったところで、待望の合図がきた。視界を飛ばすまではやっていないが、莉緒の周囲の様子は遠距離から探れるだけ探りきってある。

 簡素なベッドが置かれた部屋に、吸血鬼女と二人でいるらしい。今は『私たちを守れ』と『ここから逃げるな』と命令を受けているとか。しっかり隷属の首輪が嵌められているが、それでも吸血鬼女自ら見張りをしているとのことだ。

 なんとも念の入れようではあると思ったが、それはそれで莉緒には好都合らしい。


『わかった。じゃあ今から行く』


『うん。待ってる』


「気を付けてな」


「お兄ちゃん……、お姉ちゃんを、助けてきてね!」


「わふわふ!」


 時間は深夜を少し過ぎた頃。街は寝静まり、物音ひとつ、明かり一つなくなる暗闇の時間帯である。吸血鬼相手に夜はどうかとも思ったが、そもそも莉緒が攫われたのは普通に昼間の時間帯だ。おそらく日光に弱いとかいう地球での物語の設定はないんだろう。


『3、2、1、テレポート』


 莉緒の座標を意識してテレポートを発動させる。

 視界が一瞬にして切り替わり、視界が暗くなる。が、それも一瞬だ。目の前の莉緒の首元へと手を伸ばし、隷属の首輪を異空間ボックスへと収納する頃には目が慣れていた。

 次の瞬間莉緒が吸血鬼女へと飛びかかり、その首に隷属の首輪を異空間ボックスから取り出して強制的に嵌める。


「動くな。呼吸以外何もするな」


「……は? ……ッ!?」


 素早く莉緒が命令を発すると、ようやく状況が変わったことに気が付いたらしい。目の前に現れた俺を目を大きく見開き、困惑しつつも睨みつけている。何か言いたいことがありそうだが、しっかりと隷属の首輪が仕事をしていて口は言葉を紡がない。

 改めて建物全体の気配を探ってみるが、目の前の吸血鬼女ほどできるやつはいなさそうだ。


「よし、行くか」


「ええ、行きましょうか」


 首輪で無力化された女の手足をさらに空間遮断結界で拘束すると、本人自身全体も空間遮断結界で閉じ込める。放置していくのも気になってしょうがないので、魔法で結界ごと掴んで引きずっていくことにした。


 異空間ボックスから刀を取り出して抜刀すると、扉を蹴破って大きな音を響かせる。この建物内にいる人物がどういう人物かわからないが、起きてくれないと関係者かどうかわからない。


「だ、誰だ!?」


 飛び出してきた男を鑑定するとステータスは二千ほど。鑑定と同時に後ろから飛び出してきた莉緒が、男の左腕を親方謹製の刀で斬り飛ばす。きっと莉緒が見覚えあるヤツだったんだろう。


「うぎゃーーー!!」


 のたうち回る男を躱して建物の出口を目指して歩いていく。よく考えればもう莉緒に任せておけばいいよな。


 あれから男女含めて五人ほどぶっ飛ばしたあと、無事建物の外へと出てきた。盗賊ギルドがあった建物から川を挟んだ反対側らしい。普通の一軒家に見えるが、やっぱりここも何かの組織のアジトなんだろうか。まぁあとで吸血鬼女に聞けばわかるかな。


「むー、魅了にやられるなんて、悔しいわね……」


 ここまで引きずってきた吸血鬼女を眺めて唸っている。


「なぁ莉緒、思わず連れてきたけど、これどうする?」


「うん。ちょっと悔しいから魅了耐性つけるの手伝ってもらおうかと思って」


「へ?」


「隷属の首輪つけたしたぶん大丈夫でしょ。あと、職業が侍女なんでしょ? うふふ……、しっかりとこき使ってあげるわ」


「マジか……」


 まぁ魅了耐性をつけるっていうのであれば賛成だ。俺にもついてると思うけど、レベルを上げておいて損はない。


「とりあえず帰りましょうか」


「そうだな。帰って寝るか」


 こうして俺たちは無力化した吸血鬼女を連れて宿へとテレポートで帰ってきた。

 フォニアが泣きながら莉緒に抱き着いたことをここに記しておく。あ、ちなみに吸血鬼女は宿の庭である河原に、外から見えないようにして放置しておいた。

 もちろん鑑定結果の状態は「隷属」になっていることを確認済みだ。




 翌日、遅めの朝食を摂った後、全員で庭へとやってきた。

 地面に倒れたまま俺たちが近づいても身じろぎ一つしないが、ちゃんと生きてるんだろうか。


「へー、こいつが犯人ね……」


「むー、お姉ちゃんをさらったわるいやつ!」


 フォニアが激おこである。とても可愛いです。


「じゃあいろいろ教えてもらおうかしら。こっちが聞いたことだけ答えなさい」


 莉緒が全身を包んでいた結界を解除して許可を出す。まだ手足は拘束したままなので何もすることはできない。そもそも何もするなと命令してあるから大丈夫だろうけど。


「……というか起きてるのかしら?」


「起きてるわよ。呼吸以外するなってことだから、寝るどころか指先一本動かせない状態なんだからね」


 莉緒の言葉に吸血鬼女から不満たらたらな答えがくる。

 思ったよりキツイ命令になっていたようである。その言葉から、出す命令はちょっと考えろと聞こえてきそうだった。

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