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【Web版】成長率マシマシスキルを選んだら無職判定されて追放されました。~スキルマニアに助けられましたが染まらないようにしたいと思います~  作者: m-kawa
第四部

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第208話 試し斬り

 =====

 種類 :武器(刀)

 名前 :なし

 説明 :アダマンタイトを鍛えて造られた刀。

     その切れ味は他の武器の追随を許さず、

     刃のついた武器の中で上位に位置する。

     一部オリハルコンが用いられており魔力の通りも良い。

 品質 :B

 付与 :自動修復、攻撃力増加、攻撃範囲拡大

 製作者:水本 柊

 =====


 自分で造った刀の鑑定結果がこれだ。地球にあった形状記憶合金と、海皇亀の切断を意識して造ったからか、こんな付与がついていた。莉緒が造ったものには付与がなかったので、もしかすると付与関連のスキルが俺にあるのかもしれない。もちろん莉緒の刀にも同じ効果を付与してある。

 それに当時師匠が造った短剣の品質に追いついたこともあり、満足のいく出来になったのは間違いがない。


「この辺でいいかな?」


 渓谷からはある程度離れた、山頂から広がるある程度平らな場所で莉緒が振り返る。


「いいんじゃないかな?」


「なぁ……、試し斬りって言ってたけど、いったい何を斬るんだよ」


「いっぱい切るの? ボクにも切れるかな?」


 微妙に不安そうなイヴァンだけど、フォニアは目を輝かせている。何か手伝いたいというフォニアに料理を手伝ってもらったことはあるけど、その中で包丁を持たせたフォニアの手を握って野菜を切ったことがある。


「ははっ、さすがにフォニアにはまだ早いかな」


 フォニア用に作った包丁とは違うので、ちゃんと握れない可能性もある。


「むぅ……」


 頬を膨らませているけど、もうちょっと大きくなるまで待つべし。


「じゃあ出すわよ」


 莉緒の合図とともに目の前に魔力が広がったと思うと、全長五百メートルほどの海皇亀が姿を現した。

 重低音を響かせながら地面へと置かれた巨大な姿に、あたり一帯が静寂に包まれる。元々そんなに音はしてなかったと思うけど、海皇亀の巨大な姿はそれだけインパクトがあった。


「…………えっ?」


「ふぎゃーーー!」


 イヴァンが呆然とし、フォニアが尻尾の毛を逆立てている。

 そういえば二人は遠目で見てただけかもしれないな。

 ニルがドヤ顔を決めているけど、倒したのは俺と莉緒だからな?


「さて……、アダマンタイト製のこの武器なら斬れるかな……」


 異空間ボックスに仕舞っておいた刀を二本取り出すと、腰へと下げる。三本持ってる莉緒は大太刀から始めるみたいで、一番長い一本を取り出していた。


「ふふふ……、早く斬ってみたいわね……」


 両手持ちした大太刀を華麗に振り回しながら莉緒が笑みを浮かべている。知らない人が見れば危ない人に見えるかもしれないことは言わないでおく。


 ――と、その時である。


「「グオオオオォォオオォォ!!」」

「「ギャオオオン!!!」」


 周囲から叫び声が上がったと思うと、一斉に山頂エリア一帯から魔物が飛び立った。かなり遠方の魔物も含めれば百体以上になるだろうか。七割ほどの数は海皇亀から離れるようにして飛び立ったが、残りがこちらへと向かってくる。


「ぎぃやああぁぁぁぁ!?」


「ぷぎゃーーー!」


 主にワイバーンとキマイラで編成された魔物の群れに、イヴァンとフォニアが悲鳴を上げる。


「せっかくいい気分で亀の甲羅を斬ろうとしてたところなんだけどなぁ……」


「ホントそうね……。でも、海皇亀の前哨戦と思えばいいんじゃないかしら」


 剣呑な表情で前に出る莉緒の隣に並ぶとすらりと刀を抜き放つ。


「そうだなぁ……。じゃあ俺はあっちをやる」


「わかった。私はこっちね」


 前方左側を選ぶと莉緒は右側だ。


「後ろはニルに任せた」


「わふっ!」


 前方ほど数は多くないが、後ろ側は全部ニルに任せることにすると元気よく返事が返ってきた。


「じゃあ、いくわよ!」


 莉緒が魔力を纏った大太刀を振りかぶって横薙ぎに一閃する。未だ遠くにいたワイバーンとキマイラ二体が真っ二つになって地面に落ちる。

 攻撃範囲拡大の付与はなかなかの効果ありだな。それを確認したところで俺も一気に飛び出した。




 十分ほども経過すると、あたり一帯は静かになっていた。襲ってきたワイバーンやキマイラの姿はなく、海皇亀の存在感だけが際立っている。


「ホントこの刀すごいわね……」


「マジでスパスパ斬れるな」


 抵抗らしい抵抗もなく切断された魔物は、すでに揃って俺たちの異空間ボックスに収納されている。黒いワイバーンや首の多いキマイラなど特殊個体もいたが、俺たちの敵ではなかった。


「はは……、やっぱりあんたらすげぇな」


「す、すごいすごい! 空を飛んでる魔物をばっさばっさ!」


「ニルもお疲れ」


 口元と爪先を真っ赤に染めたニルを綺麗に洗ってからもふもふしてやる。ってかニルはその大きさのまま戦ってたのか。大きくなってたほうが有利だっただろうけど、そこまでの相手じゃなかったか。


「もうこれで邪魔は入らなくなったかな」


「ようやくだな」


 大きくため息をつくと改めて海皇亀へと向き直る。


「しかしこうやって間近で見ると……、デカいな」


「すごく大きいねー」


 魔物の襲撃も終わり、海皇亀を目にした二人もようやく落ち着いたようだ。甲羅をコンコンと叩いて硬さを確かめている。


「じゃあさっそく始めますか」


 こうして海皇亀の甲羅VSアダマンタイト製の刀の対決がようやく始まった。

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