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【Web版】成長率マシマシスキルを選んだら無職判定されて追放されました。~スキルマニアに助けられましたが染まらないようにしたいと思います~  作者: m-kawa
第四部

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第190話 大浴場のエロ爺

『やっぱりストップだ莉緒』


 さすがに問答無用で退場願うのはまずいと踏みとどまり、莉緒へと警告を投げかけることにした。


『え? 何が?』


『エロ爺がお前たちを狙ってる』


『ええぇぇぇ……』


『混浴の風呂場に自分の意思で来た以上、他人は止められない』


『あ、でも――』


「あれ、こっちつながってる?」


 莉緒を止めようとしている間に、ひょこっと仕切りからフォニアが顔を出していた。エロ爺の視線もフォニアに向かっているが、すぐに興味をなくしたようで莉緒がいる方向へと視線を戻している。

 さすがに子どもには興味がなかったようで安心だ。


「あ! イヴァン兄とお兄ちゃん!」


 温泉と言えど子どもにとってはそこそこ深さがあるようで助かったと言えるのか。フォニアはそのまま腰から下をお湯に浸けた状態で、こっちへと歩いてくる。

 野営用ハウスでもよく風呂上りにすっぽんぽんで部屋を走り回るし、フォニア自身にそこまで羞恥心がない。


「ニルもいた! うわぁ、ちっちゃくてかわいい!」


「わふぅ!」


『えっ? なに? ニルが小さくなってるの?』


 フォニアの声を聞いたのか、莉緒までが興味を持ったみたいだ。いやだから来るなって言ったのに気配がこっちに近づいて――


「うわー、ニルかわいいじゃない!」


「リオ!?」


 姿を現した莉緒に驚いたイヴァンが、さっと顔を逸らしている。

 向こうにいるエロ爺は莉緒をガン見していたが、だんだんと眉間に皺が寄っていき、最終的には両目を手でこすって二度見している。

 うん。とりあえず大丈夫そうだということはわかった。

 莉緒の肩から下にかけて、何か衣装を纏ってるみたいに体が見えなくなっている。魔力を感じるから魔法でなんとかしてるんだろう。

 だがしかし、それに納得しない人物が一人いた。なんというかもうめんどくさいことに。


「おいおいおい! 風呂に服を着たまま入るとは何事か! すぐに脱ぎたまえ!」


 もちろんそれはエロ爺だ。

 さっきまで湯舟に浸かっていたはずだが、文句を言うために立ち上がったためすべてが丸見えだ。やせ型のひょろい体型をしていて、あまり威圧感も感じられない。


「は?」


 莉緒を隠すように前に出るとエロ爺を睨みつける。


「あれは魔法で隠してるんで服じゃないぞ。お湯が汚れる心配はないから大丈夫だ」


「そういうことを言っているんじゃない。服を着ているように見えることが問題なのだよ。しっかり決まりは守ってもらわないと困るよ」


「何言ってんだこのおっさんは」


 わけのわからないことを言い出したエロ爺に、イヴァンが反射でツッコんでいた。さすがイヴァンである。ツッコミだけは敵わないと思うが、それは今は置いておく。


「なにこの人。すごく気持ち悪いんだけど」


「……へんたいさん?」


「うぐっ」


 莉緒に続いてフォニアの言葉が突き刺さったのか、さすがのエロ爺もたじろいでいる。


「こ……、ここは混浴であるからして、決まりごとを周知したまでだ! それともデルフィリウス侯爵家の家令を務める私の言葉が聞けないとでも?」


 何やら引っ込みがつかなくなったのか、家の権力まで持ち出してきたぞこのエロ爺。


「女の裸が見たいからって侯爵家の名前を出すとか何考えてんだ。最低だな、その侯爵家も」


「なっ……!? わ、私が仕える侯爵家を愚弄する気か!?」


 何かまた変なことを言い出したが付き合ってられんな。立ったままだとちょっと体が冷えてきたのでお湯の中へ体を沈める。


「フォニアちゃんもちゃんとお湯に浸かりましょうね」


「はーい!」


「わふぅ」


「……おい、ほっといていいのかよ」


 元気よく返事をするフォニアに同意するニル。

 莉緒はフォニアを自分の前に抱え込むと、俺へと体を預けてくっついてきた。

 イヴァンはエロ爺を気にしているようだが、確かにこのまま近くで(わめ)き続けられるのも迷惑だな。


「き、聞いているのか!?」


「さっきからうるせぇな。侯爵家を貶めてるのはアンタのほうだろ。女の裸が見たいからって名前を出される侯爵家に同情するよ」


「な、何だとっ!?」


「これ以上侯爵家とやらを貶めたくなかったら、お湯から出るか風呂から出るかしてくれ」


「ぶふっ……、それどっちも出て行けってことじゃ」


『あははは!』


 イヴァンは肩を震わせて我慢しているが、莉緒は念話で盛大に笑い声をあげている。フォニアはよくわかっていないのか、首を傾げる仕草がとてもかわいい。


「ぐっ……、侯爵家を愚弄するとどうなるか、お、覚えておけよ!」


 さすがにこれ以上は反論する(すべ)を持たなかったのか、妙な捨て台詞を残して去っていった。

 邪魔者のいなくなった大浴場の露天風呂を、俺たちは大いに満喫した。




「あら、大浴場へ入っておられたんどすか。あそこは主に使用人が使われるお風呂やさかい、今の時間帯はねらい目どすね」


 ちなみに風呂から上がった後に闇メイドのライラさんからそんなことを言われました。大浴場で露天風呂もあって豪華だったけど、よく考えると爵位持ちの当主様なら絶対に部屋付きの露天風呂を選ぶよな……。

 大人数で入ることを前提にした風呂に、そんな偉い人が入るわけもない。最高級の部屋を取った(あるじ)である俺たちが、大浴場に入ったことに疑問を持たれたのだった。

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[良い点] 莉緒えっちだ…
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