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【Web版】成長率マシマシスキルを選んだら無職判定されて追放されました。~スキルマニアに助けられましたが染まらないようにしたいと思います~  作者: m-kawa
第三部

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第150話 街を脱出しよう

「仮に街の外に隠れ家があったとしてだ。どうやって街の外に出るんだ。帝都から逃げて港街に来たときは普通に入れたけど、捕縛依頼が出た今じゃ門でチェックされてるだろ」


「門を通らずに外に出られればいいのか?」


 逃亡奴隷の捕縛依頼が出た以上、普通に門を通って街は出られないか。なら通らなければいいってことだよな。


「それが簡単に出来たらいいけどな」


 なんとなくイヴァンが不機嫌そうだがどうしたんだ。家なんてすぐ建てられるし、ましてや街からこっそり出て行くなんて簡単だろうに。


「空から壁を越えればいけるけど、見つかっちゃうかな?」


 莉緒が一つ問題点を挙げるが、可能性としてはゼロではない。空を見上げでもしない限り見つからないとは思うけど、念には念を入れておくか。


「じゃあこういう時こその空間魔法だな」


「そうね。テレポートでいきましょう」


「……えっ?」


 会話の合間で変化するイヴァンの表情が面白い。


「じゃあさっそく座標を覚えに街の外に行ってくる」


「わかったわ。私はここを守っておくから」


「どうせならここに戻ってくるからよろしく」


「わふぅ!」


「お、ニルも来るか。じゃあ一緒に行こう」


 練習してせっかく使えるようになったテレポートだ。こういう時に活用しないとね。

 現在地であるボロ倉庫の座標を空間魔法で記憶すると、さっそく街の外へと向かう。大通りを抜けて街の門を通り抜ける。出るときは特に門番に何を言われるでもなく素通りだった。

 帝都へと向かう街道をしばらく行くと、東側に木々が生い茂った森が見えてくる。街から近い森だし、多少人の出入りがあるかもしれないな。気配察知の範囲を森へと広げると、ちらほらと人の反応もあった。何かの依頼を受けた冒険者かもしれない。


 多少奥に行くしかなさそうだ。見つかったら厄介なことになりそうだし。

 ある程度街道から見えないところまで森に入ると、またもや座標を空間魔法で記憶する。


「家を作る場所はあとで考えればいいだろ。……莉緒たちを迎えに戻るけどニルはどうする?」


「わふぅ」


 聞いてみると一声鳴いて樹の上へと登り始める。どうやら森林浴をして待っているようだ。


「はは、大人しくして待ってるんだぞ」


「わふっ!」


 ニルがソロでいるところを見つかったとしても、きっちりと従魔のタグがついてるから大丈夫だろ。

 街の中で記憶した座標を意識しながらテレポートを発動する。ふと視界がブラックアウトしたかと思うと、一瞬後には見慣れた莉緒の姿が目に入った。


「うおっ!」


「ほえー!」


 イヴァンはその場でしりもちをつき、フォニアが耳をピコピコさせて変な声を上げている。


「おかえりなさい」


「ただいま」


「あら、ニルは?」


「ああ、あいつなら森林浴してる。ここんとこずっと海だったから、森が恋しかったのかもな」


「あはは」


「ほ……、ホントに、使えるのか……」


「だから言ったでしょ。テレポートで街の外に連れて行くって」


「いやだって、空間魔法って……、伝説の魔法じゃねぇか!」


「そんなすごいもんでもないだろ?」


 絶賛するイヴァンに肩をすくめる。伝説なんて大げさじゃねぇの。どこかの王女だって使える魔法のはずだし、使える人間は他にもいると思うけどな。


「他に使える人もいるでしょ?」


 莉緒も同じことを思ったのか、イヴァンに尋ねている。


「聞いたことねぇよ! まぁ、魔法に疎い俺だけどさ、さすがに空間魔法のレア具合は知ってるさ」


「へえ、そうなんだ」


「他人事だな!」


「だってなぁ……」


「そうよねぇ」


 莉緒と顔を見合わせて肩をすくめる。


「自分が使える魔法が、他人が使えるかどうかなんてあんまり興味がないし」


「師匠も空間魔法は使えたし、そこまで珍しい魔法っていう認識がないわよね」


「そ、そうか……」


 急に優しい目つきになると、ポンポンとフォニアの頭を撫でる。もしかすると現実逃避をしているのかもしれない。

 異空間ボックスも空間魔法だけど、そういえば師匠以外に使える人って見たことないかも。やっぱり珍しいのかもしれない。


「じゃあさっそく行きましょうか。何か一緒に持っていくものはあるかしら?」


 部屋を見回すが、ボロボロになっている着替えが数着と、布団代わりに使っているのか穴の開いた毛皮があるだけだ。


「着替えと毛皮くらいしかないが……」


「ボクもこれだけ」


 二人とも片手で持てるくらいの荷物を抱えると準備完了だ。

 うーむ、もうちょっとマシな服くらい後で用意してあげよう。イヴァンはついででいいかな。


「じゃあ俺と手をつないでくれるかな。魔力で覆った相手や物がテレポートさせる対象になるから」


「あ、あぁ、わかった」


「はーい」


 恐る恐る俺の手を握るイヴァン。フォニアはどこかワクワクした表情で俺の手を握っている。莉緒は俺の背中から抱き着いてきた。

 視界をテレポート先の座標へと飛ばすと、周囲に人がいないか確認する。うん、問題なさそうだ。


「行くぞー。『テレポート』」


 コマンドワードの発言と同時にテレポートが発動する。一瞬後にはもう森の中だ。さっきまで感じていた潮の香りが、自然豊かな森の香りへと変化する。


「す、すげぇ……」


「ふわぁー」


「じゃあ隠れて野営できそうな場所を探すか」


 樹の上から降りてきたニルと合流すると、呆ける二人を促して野営地を探しに歩き出した。

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