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第364話 この女神もアレでした

 ベルナデッタ殿下は世界の要。ベルナデッタ殿下に何かあれば世界は滅ぶらしい。


 いや、意味がわからん。人一人がどうこうなったからって世界が滅ぶとか。


「ああ、すまん。今のは正確ではないな。より正確に言えばベルナデッタの中にいる時の大精霊が世界の要なのじゃ」


「その……フレイヤ様。世界の要とは一体……」


「世界の要とは言葉通りの存在じゃ。世界を支える存在。数多ある世界と同じ数だけ存在し、様々な物が要となる。生物、無機物は問わん。が、何かしら特別な力を持ったモノが要と成りうる事が多いの。例えば——」


 例えば世界樹。世界の始まりから存在する龍。地上に落ちた流星。etcetc……本当に様々なモノが世界の要と成りうるらしい。


 そしてこの世界では時の大精霊が要である、と。


『因みに世界ってのはこの星だけを指す言葉やないで。この次元そのものや。時の大精霊がどうにかなった場合、次元そのものが消えて無くなるっちゅう事やな』


 ……ドラマティックスケール過ぎるだろ。夜空に見える星々も、存在するかどうかもわからんが別の惑星に住む生物も。全て纏めて消え去るって事だろ。


「無論、そう簡単にどうこう出来るような……ただの人間に破壊されたり殺害されるような脆弱なモノが要となる事は無い。実際、時の大精霊に何か出来る存在など、この世界にはおらぬ」


「ではベルを狙う存在とは……」


「ある程度は想像ついてるじゃろうが。神じゃよ」


「……魔王を送った神、ですか」


 魔王で望む結果を得られなかったから世界の要を壊して世界ごと滅ぼそうって? いやいや……阿呆か。


「……私からもお尋ねしてよろしいでしょうか、フレイヤ様」


「なんじゃ。言うてみよ」


「ありがとうございます。その神の目的は何なのでしょう。以前、ノワール侯爵の持ち帰った情報では女神エロース様に嫌がらせが目的だとか。しかし、ベルナデッタ殿下を……時の大精霊を害し、世界を滅ぼすというのは……嫌がらせの範疇を超えていると思うのですが」


 宰相閣下の言う通り。魔王を送り込むだけでも大迷惑なのに、世界を滅ぼすとか。


 神様スケールでは嫌がらせなのだとしても俺達からすればとばっちりでしかない。神様同士の争いに無関係なんだから。


「ああ〜……うむ、それはな……ああ~、詳しくは話せんのじゃがアヤツの目的がエロースへの復讐なのは間違い無い。その復讐の為に、この世界を滅ぼすつもりなのじゃ、アヤツは」


 だから世界の要たる時の大精霊をどうにかしようと……うん?


「あの俺も質問いいですか」


「お主は……ジュンじゃな。なるほどなるほど。で、なんじゃ。というか一々質問するのに許可なんぞいらんぞ。もっと楽にせい」


「はい……その神様の目的がエロース様への復讐で、この世界を滅ぼす事なら何故最初からベルナデッタ殿下を、時の大精霊を狙わないんです?魔王を送り込む必要も、魔王に俺を殺させる必要も無く、神様の力で問答無用でやってしまえるのでは?」


 それをされたら困るんだが。こんな回りくどい事をする理由がわからん。


 魔王を送り込む事は向こうに……ヘラ様にとってもリスクが高いみたいだし。


 神パワーで直でやった方が手っ取り早いだろ、間違いなく。


「先にも言ったが世界の要とは決まった存在が成るのではない。何が要と成ったのかは調べなければわからんのじゃ。そしてそれは神でも容易では無い」


「……あの、それって……ベルナデッタ殿下を狙う神も要が何か知らない、という事でしょうか」


 イエローレイダー団長が遠慮がちに挙手してから質問する。


 フレイヤ様の発言からすると、そう言う事になりそうだけども。


 でも知ってるんだろうな、ヘラ様は。だからこそ、フレイヤ様が来たんだろうし。


「恐らくはそうじゃな。この世界を管理するのはエロース。自分の管理外の世界の要なんぞ、そう知る機会は無い。わしはエロースから聞いて知ったのじゃ」


「……あの、それではフレイヤ様がベルナデッタ殿下を御守りすると言うのは悪手なのでは。世界の要がベルナデッタ殿下だと教えてるような物……ですよね?」


「………………………あれ?」


 おいいい!マジか!ダメだ、この女神!ポンコツっぽい!


「いや待て!待つんじゃ!アヤツはこの世界に執着しておった!じゃから事前に色々調べて世界の要の事も知っておる可能性も十二分にある!いや訂正する!間違いなく知っておる!」


 全員の冷たい視線に耐えかねてか必死に弁明するフレイヤ様。


 アイを転生させた女神様だけど……なんだかなぁ。


「では何故フレイヤ様が降臨なされたのです。この世界を管理するが女神エロース様ならばフレイヤ様ではなくエロース様が対処なされる話なのでは」


「本来ならばそうなのじゃが……その辺りの事情は説明出来ぬ。じゃがアヤツは神界から姿を消した。調査の結果、何処の世界に降りたのは間違い無い。そしてそれはこの世界で間違い無い。じゃからわしが来たんじゃ」


 そりゃ神様が相手なら同じく神様になんとかしてもらいたいし、しようとしてくれてるのはわかるんだけども。


 な〜んか不安。


「……お話しはわかりました。我が娘、ベルナデッタの中に居る時の大精霊を護る為にフレイヤ様は御降臨なされた。母として、女王として、この世界を生きる人間の一人として感謝申し上げます」


「うむ。全てわしに任せておけ。アヤツの好きにはさせん。ついでにエロースの阿呆な目的も阻止してやるわ」


 なんか最後の方はよく聞き取れなかったな。エロース様がなんだって?


「……お頼みします。それで、後ろの方々は……」


「わしの眷属、わかりやすく言えば使徒、天使じゃ。わしの眷属の中でも護る事、防ぐ事に特化した力を持っておる。上級神でも簡単には倒せんぞ。ああやって三人で囲っておれば神力も遮断出来る。神ならば遠く離れた場所から手元に引き寄せる、なんて事も出来るからの」


「え。じゃあ私、ずっとこの人達と一緒に居ないとダメなの?」


「そうなるの。一応、そやつらも女じゃから問題無いじゃろ」


「ええ〜……遊び相手にも話し相手にもなってくれなさそう……」


 天使達はさっきからピクリとも動かない。感情を感じさせない眼をしてるし。


 御多分にもれず美人さんではあるんだが。無表情だからか冷たい印象を受ける。


「今は仕事中じゃからの。話し相手くらいは出来るから、我慢せい。それがお主の為、世界の為じゃ」


「はーい……」


 というわけで話は終わり。今日はこれで解散——


「まだじゃ。ジュンとアイにはまだ話がある。わしと来てもらうぞ」


 ですよね〜……そんな予感してました。

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― 新着の感想 ―
もぉめんどくせーからネ申同士でハルマゲドーンしてろよ(゜д゜) ここまでやっといて非干渉がーとかほざくなよ?
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