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第301話 決定しました

 前回のあらすじ


 駄女神にバラされました。 


 オワタス…俺の異世界転生、俺Tueeee…これにて終了。後は種馬として生きるのみ。


『いやいや。なんべんも言うてるけども、それこそがマスターの使命やから。永遠に続くってわけでもないしやな。それに諦めるんは早いでぇ」


 早いって…なんでだよ。使徒から救世主に変わっただけで、認定されたら神子同様の生活になる事は決まったようなもん……


「救世主って…この世界は危機に瀕しているのですか!?」


「一体どんな危険が迫っていると!?」


『え~?全部聞くの?少しは自分達で考えなよ~。ジュンなら心当たりあるでしょ?』


「え?」


 ここで俺に振るのか……心当たりどころか俺にこの世界の実情を教えたんあーたですやん。何、俺が子作りしないと世界は滅びるって自分から言えっての?


『いやいやいや…せやのうて。アイを除いてこの場に居る誰もがマスターが子作りせえへんと滅びるなんて知らんねんから。此処で別の、リアリティのある話をでっちあげろってこっちゃ。つか、でまかせを言う必要もなく、別のヤバヤバな案件があるがな』


 別のヤバヤバな案件って………………ああ!


「もしかしてアンラ・マンユとマイケルの事ですか」


『そうそう!だいせいかーい!詳しい経緯は省くけど、アレらは本来別世界の魔王なんだ。そして暴食が色欲を喰らって魔王から魔神になってパワーアップする。それと同じ事が出来る存在があと四人(・・)…いや、四体(・・)?兎に角、現時点で四体、君達の世界に居る事がわかってる』


「そんな……あんなのがあと四体も…」


「そりゃヤバいですのう。魔神になる前なら儂でもなんとか出来るが魔神になられたらキビしいのう。魔王でも四体同時だとヤバそうじゃ」


『だろうねぇ。でもジュンなら倒せる。でしょ?』


 これはつまり………アレですか。


 魔王を相手に俺Tueeeeしろと。そういう事ですか!


『まぁ、そういうこっちゃな。良かったやん。神様の御墨付で俺Tueeee出来るで』


 おお…おおお……うおおおおおおうぅぅぅ!


 信じてた!俺、信じてたよ!ぶっちゃけ最初っから最後まで全否定してくれたらいいのにって思わなくもないけど!


『掌くるり…でもないな。不満が漏れ出てるやん。ぶっちゃけ魔王をなんとかしたら、逃げ道が完全に無いしなぁ。神様の御墨付で世界を救った英雄の誕生や。下手すれば使徒認定よりヤバいかも。なんとなくわかってるんやろ?』


 その通りだよちっきしょうめ!下げて上げて下げて上げたと見せかけてズドンと落とされた気分だよ!


「えっと…つまりジュン様を護る必要がある、という事ですね」


「あとは魔王を探す事もだな!エロース教の総力を挙げて――」


「ジュンを護る為のメンバーは十二分に揃ってるから不要よ。ウチも居るしね」


「情報も王国と帝国だけ問題ないわ。そうよね、宰相」


「ですな。ノワール侯爵が救世主である事も秘密にせねばなりませんし、エロース教の総力を挙げて動かれるとかえって目立ちますからな。何もしないでいてくれた方がノワール侯爵の為かと」


「ノワール侯の事を魔王に伝える事になりかねませんし…」


「「ぬぐっ…」」


 ああ、そうか、そうね。魔王の目的が使徒を喰らう事で決まっているのなら、当然情報を集めている筈。


 そんな中でエロース教が俺を守ってるなんて情報が出て来たら。使徒はノワール侯爵だと言ってるようなもの。


 罠だと考えるかもしれんが、確かめるくらいはするだろう。どうせ倒すなら、来てくれる方が助かるっちゃ助かるが…周りへの被害とか考えるとな。


 あとレイさんが魔王の一人…なんだろうな、やっぱり。そうなると…殺さなければならないんだろうか。


 レイさんの対策と方針を固める時間も欲しいし…俺の事を宣伝するような行動はナシだな。


『目立ちたくないって話なら手遅れやと思うけど。主にマスターの責任で』


 …………………………………そだね。俺Tueeeeは目立つからな。仕方ない。


「エロース様……私達が出来る事は無いのでしょうか」


「どうかお導きを…」


『うん?う~ん………そうだなぁ。思い切って引っ越しちゃえば?』


「「「「は?」」」」


 おいおい………なんか不穏な方向へ話が進んでるぞ。ナニ言い出してんだあんた。


『遷都…ではないか。エロース教の本部をアインハルト王国に移しちゃえば?そうすれば何かあったらすぐに駆け付けられるし、ジュンの近くに居れるんじゃないかな。うん、我ながら名案』


「「「それだ!」」」


 それだじゃねぇ!世界最大宗教の本部がアインハルト王国に移転する?そんな重大案件アリーゼ陛下抜きで決められるか!


「お、お待ち下さい。そんなこの場でのノリで決めてしまうのは……アリーゼ陛下、いえ周辺国との合議が必須。何より現本部がある――」


『そこらへんは僕が神託を降しちゃえば解決じゃない?信者は勿論、王様達も納得するでしょ』


「神託を……それなら……いえ、でも…」


 司祭様頑張って!エロース教本部がアインハルト王国に来るなんて厄介事の匂いしかしねぇ!絶対に面倒臭い事になる!


「エロース様、ジュン君は――」


『あー、ごめん。そろそろ終わりにしていいかな。僕も忙しい身だからさ。そんじゃね~』


「あ、ちょっと!」


 逃げやがった………中途半端なまま放置して。どないすんじゃこの空気。


「ええと…」


「この場は一度解散するしかないのではないですかな。各々で話し合う時間が必要でしょう。明日の朝、出発前に少し時間を取るという事で。姫様も、それでよろしいですな?」


「陛下と呼びなさい……そうしましょうか」


 というわけで。解散となった後、俺とアイは二人で話し合う事に。場所はベッカー辺境伯邸で割り振られた俺の部屋…ではなくアイの部屋だ。


 俺の部屋の前には、ね…御令嬢達がね。警備が居るから中にこそ入れないでいるが、俺が部屋に居ないのを知ってか知らずか多くの御令嬢達が張り込み中。


 そんな御令嬢達の前に出るのはカモネギ状態でしかないだろう。というわけでアイの部屋で相談する事に…なったのだが。


『やっほ。聞こえるかな』


「……エロース様」


「え。アーティファクト無しでも声聞こえるじゃん」


 俺とアイにだけ聞こえるようにエロース様が話しかけて来た。ああ、勿論メーティスには聞こえてるが。


『完璧な結果に誘導出来たねぇ。流石僕。上級神なだけあるよね』


「どこがやねん!」


 思わず空中に向かってツッコミをいれる俺。俺が事前に打診した内容はことごとくスルーやったやんけ!


『まぁまぁ。勿論事情があるんだよ。それを説明するためにこうして話しかけてるわけで』


 …それって状況が悪化したとか、何か不都合な事が起こったって事だよな。


『君も予想してると思うけど、状況が悪化しちゃってね。先ず、君が倒した暴食と色欲の魔王。アレらは本来、別世界の存在だったってのはさっき言ったよね』


 より正確に言えば魔王の資格と力、になるんだろうな。


 マイケルは元々この世界の住人だし、アンラ・マンユは魔王が存在する世界とはまた別の世界の生まれの筈。


『せやろな。わてらが今居る世界をAとしたら魔王は本来Bの世界に居る筈でアンラ・マンユはCの世界に居った筈、てな感じの事言いたいんやろ』


 そうそう、そんな感じ。で、それがナニ?


『別世界のシステムである魔王がこの世界で上手く適合出来て存在が許された…と言えば問題無いように聞こえるけど、問題はあってね。この世界じゃなく魔王が存在した筈の世界で』


 エロース様が言うには。その魔王が居た筈の世界で、魔王が存在しなくなった為に世界のシステムというべき物に不具合が出ていて、とても不安定な状態にあるんだそうな。


『自分で送っといて自分が管理する世界を不安定にしてるんだから…馬鹿だよね。だから魔王を送る以上の事が出来てないし、ジュンがターゲットだって伝える余裕もないみたいなんだよ。馬鹿だよねほんと』


 そう言えば転生する前の話であったな。世界が不安定になると疫病が蔓延したり天変地異が起きたりと、世界にとってよくない事が多発すると。


『世界ってのは指先に乗せたヤジロベエみたいなモノでね。不安定になると不規則に揺れて指先から落ちちゃうでしょ。魔王という存在を失くすのは世界にとって指先に乗ったヤジロベエにいきなり横風を浴びせるような物。元の安定した状態に戻すのにどれくらい時間がかかるやら』


 …その世界の住人にしたら迷惑な事この上ないってわけね。


 …アレ?その理屈で行けば別世界の魔王ってもんを入れられたこの世界も不安定になるんじゃ?


『そこはそれ!僕が管理する世界だからね!パパッと安定させたよ!』


 …そんなに有能なら他の神の介入も未然に防いで欲しかった。


『で、だね。話を戻すよ。ヘラはその魔王が本来居た筈の世界を必死に安定化させようとしてるけど、魔王が居ないと元に戻すのは難しいんだよ。そんなわけで出来るだけ速やかに魔王を倒す必要があってだね』


 …………嫌がらせして来てる神様はヘラなのね。で、そのヘラ様の尻拭いを俺にやれと?


『流石にヘラ自身から要請があったわけじゃなくてあの世界の惨状を見かねた別の神からのお願いだよ。それに君にとっても他人事じゃないし』


「というと?」


 魔王を放って置くとよくない事があるとでも?


『さっき安定させたとは言ったけど、それは応急処置でね。いつまでも魔王がその世界に居る事は良くない事なんだ。いつまでもいるとどこか見えないとこで歪みがでかねないから。可能な限り早く処理して欲しいな。あ、倒してくれるだけでいいよ。そうすれば魔王の力はこっちで回収するからさ』


 ……話はわかったけども。それが何故、俺が救世主だって話になるんだか。


『魔王をどうにか出来るのは君しかいないからね。どうせ遅かれ早かれだよ。それなら神様の御墨付をもらった方が色々動きやすい筈だよ。国の助力が必要な相手だし』


「もしかして魔王がどこの誰か知ってるんです?」


『僕が解るのは魔王の数と大まかな居場所だけかな。ドライデンって国に四体、まとまって存在してるよ』


 Oh…やっぱりね。俺はどうあってもドライデンに行かなきゃならんらしい………

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― 新着の感想 ―
[一言] ぶっちゃけ現状主人公以外全員足枷よな 魔王とやらの所在地も結局駄女神が知らせたし 情報面でよほど役立つんでもないと雲隠れしてさっさと倒したほうが早い
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