第256話 色々わかった日でした
誤字脱字報告ありがとうございます。とても助かります。
今度は神子のレイさんが勇者疑惑…既に今日だけで二人も勇者だと判明してるのに。
もうお腹一杯なんですけど。帰ってくれませんかね。
と、言いたい所だが院長先生の実子らしいレイさんなら無視も出来まい。
「それでレイさんはどうしてるんですか?」
「そ、それが…突然聖痕が浮かんで苦しみ始めたの。でもすぐに落ち着いて…何処かに飛んで行ってしまったの」
飛んで行って?元々飛行魔法が使えた…ってわけじゃないよな。
勇者になって得た能力…だろうな。
「行方不明になったという事か…しかし、それならジュンに伝えるよりも王城に行って捜索願いを出すべきだろう」
「ローエングリン伯爵様…それはそうなのですけど勇者がエロース様の使徒を狙っていると教皇猊下から聞いていますし…もし本当に神子様が勇者になったのなら…」
レイさんが向かった先に居るのは使徒で、使徒が俺なら俺が危ないと。そう考えたわけね。
……それ、誰にも言わないで来てくれました?特に教皇には秘密にしてほしいんですけど。
そうもいかない?やっぱり?
「何せ神子様の失踪だもの…しかも教皇猊下が王都に滞在している間での。隠しようが…」
そりゃそうか…しかし、レイさんが本当に勇者になったんだとして。
俺を狙っての事じゃないなら何処へ……メーティス。
『残念ながら索敵範囲外やわ。少なくとも王都周辺にはおらん。偵察機も貼り付けてなかったし、飛行魔法で移動してるんなら発見は困難やわ』
流石のメーティスでも無理か…ならまたエリザベスさんに頼むか。
前回の借りもまだ返してないんだが…そうも言ってられんし。
「で。レティシアさん…いや大精霊ルナ。レイさんに聖痕が出たらしいけど、何処の誰が勇者にしたのか、わかる?」
「ウフフ…どんな聖痕かわかればね…」
「司祭様」
「えっと…人の顔のようだったわ。怒りの形相のような。手の甲に浮かんで…」
人の顔?怒りの形相…なんか不吉だな。勇者の証としては相応しくなさそうな。
「で?わかったのかな」
「ウフフ…わからないわ…」
わからんのかーい!
「ウフフ…だって、そんな精霊居ないもの…でも、きっとその勇者が貴方に迫ってる闇よ…」
「闇?」
「ウフフ…言ったでしょう?貴方に闇が迫ってるって…」
ああ…確かにそんな事言ってたな。
て、事は何か?あーたも予知、未来視が出来ると?
「ウフフ…未来が視えるわけじゃないわ…私は占い…占星術が得意なだけ…よく当たるのよ…」
占星術?精霊が占いなんてするのか…てか俺を占ったん?なんでや。
「神子のレイに関してはこの場で出来る事は無さそうだな。王城への連絡は…」
「私がやった方が早いでしょうね。司祭様の名前で捜索願いを出しておきます」
「お願いします、レーンベルク伯爵様」
アイが居るんだからアイに頼んでも良いんじゃと思ったが。
ソフィアさんがアイを城まで送るらしいし、同じか。
「それでレティシア…いや大精霊ルナ。聖痕を見れば誰が与えた加護かわかると言ったな。ならば波のような形の聖痕ならば?」
「ウフフ…それは海の大精霊ネレイドね…」
ほう。海の大精霊ネレイドか…さしずめエルリックは『海の勇者』ってとこか。
…アレ?って事はもしかして?パメラが聞いた声は神様の声じゃなくて精霊の声なんじゃ?
『多分そやで。それなら自然が多いとこなら声が良く聞こえるっちゅうのも納得や。精霊は自然豊かな場所に好んで居るからなぁ』
やっぱり。なら精霊と会話出来るってギフトも相当なレアだろうけど、神様と会話出来るってギフトよりは狙われる事は少なくなる…よな?多分。
「あの…さっきから精霊がどうのこうのと仰ってますが…その方は精霊なのですか?」
「すまないが司祭様。それについては話せない。他言もしないでもらいたい」
「司祭様は早く教会に戻られた方が良いでしょう。捜索願いに関してはお任せを」
「は、はい…」
少し冷たいように思うが仕方ない。あれもこれもと同時に手を出してられないし、今は眼の前の…いや?
「司祭様。院長先生はどうしてます」
「マチルダにはまだ伝えてないわ…どう伝えていいか…わからないもの…」
ようやく再会出来た我が子がまた何処かに消えたんだものな…ショックを受けるのが当然。
院長先生に会って話がしたい所だったが…兎に角今は、だ。
「…次の質問だ。勇者になる条件は精霊に加護をもらう事のみなのか?」
「ウフフ…ただの精霊じゃなく大精霊ね…そして大精霊と波長が合う事、気に入れられる事…それで初めて加護がもらえるの…」
「…ルナはシルヴァン君と波長が合って、気に入ったって事か」
「ウフフ…ええ、そうよ…私と波長が合う子は美しい男の子よ…」
「ならば僕しかいませんねっ」
もしかしてシルヴァンはナルシスト…この世界にナルシストって言葉があるかは知らんが。そう言えばシルヴァンのミドルネームはナルシスだったか…
「ウチが調べた限りの話だけど、勇者って各時代に一人、世界に一人だけだと思ってたんだけど。何人でも居ていいものなの?」
「ウフフ…確かに勇者が同時に何人も存在する事は珍しいわ…でも無かったわけじゃない…勇者は大精霊の数だけ存在しうるわ…」
「では大精霊の数は?」
「ウフフ…………………どれくらい居たかしら」
覚えてないんかーい!ダメだこの大精霊。ポンコツっぽい!
「ウ、ウフフ…そんな眼で見なくてもいいじゃない…」
「だったらとっとと思い出せ。我々は忙しいんだ」
「ただでさえ教皇の突撃訪問とそれに付随するアレコレでバタバタしてますからね…」
ああ、アニエスさんとソフィアさんは大変だろうなぁ。明日は王国会議もあるし、その準備もあるしで。過労死しないでくださいね。
あ、だからって俺に癒しを求められても困ります。
「チッ…で、どうなんだ。最低何人…精霊の単位って人でいいのか?最低何人か、くらいは思い出せんのか」
「ウフフ…いいんじゃない…ええと…大地の大精霊ノーム…風の大精霊シルフィード…雷の大精霊ヴォルト…海の大精霊ネレイド…水の大精霊ウンディーネ…」
Oh…中々に中二心が擽られるワードが出て来てるなぁ。後は火の大精霊イフリートとか居そうだね。光の大精霊ウィル・オー・ウィスプも居そう。
「…火の大精霊イフリート…」
「よし!」
「ど、どうしたジュン」
「何故喜んでますの?」
おっと、思わずガッツポーズを。そんな時じゃないのはわかっているんだが。
あ、アイがわかるって顔しながらサムズアップしとる。やっぱり考えちゃうよな、うんうん。
「太陽と光の大精霊サン…」
「「そっちか~」」
「「「「「何が?」」」」
月と夜の大精霊がルナなら光はサンかなってチラっとは考えたんよ。いや、ほんと。
「あとは………………ウフフ」
「笑って誤魔化そうとしてないか、お前」
「精霊って、もっと厳かなイメージがあったのだけど…」
「ウ、ウフフ……だってもう何百年も会ってない子も居るのだもの……精霊だって忘れる事もあるわ……」
あー…まぁね。それは人間だってそうだから文句は言えんけども。しかし大精霊らしさを感じさせて欲しかったのもまた本音。
「ハァ…ルナを含めて最低八人か」
「もしかしたら八人かそれ以上の勇者が現れるかもしれないという事ですね…」
やーだなー……その全てが俺を狙って来るとは思わないし思いたくないが…頼むから一人だけにしてくんないかなぁ。
『アレ?俺Tueeee的には複数来た方がええんちゃうのん?多分、この世界産の勇者ならマスターの敵やないで』
…おお!確かに俺Tueeeeのチャンスと言えなくもないな!…って、この世界産?
『マスターみたく神様の御手製のボディやったり神様の手が加えられた存在やったらどうなるかわからんな。あとはほら、あの犬神みたいなん』
ああ…亜神をまた送り込んできて勇者に仕立て上げるとかも有りうるのか。そうまでして俺を狙って…いや、そうまでする程にエロース様は恨まれて…そうだなぁ。かなりやらかしたみたいだしな。
「頭が痛いな…で、シルヴァン。一つ確認する」
「はい。何でしょう」
「お前はジュンをライバル視してるようだがジュンの命を狙ってるという事はあるまいな」
「まさか!僕はただノワール侯爵様より僕の方が美しいと証明したいだけですよ!ほら見て下さい!ほらほら!僕の方が美しいでしょう?」
「そうか。ならいい」
「因みにウチはジュンの方が好みだから。ウチの婚約者になるのは諦めて」
「ガッフゥ!」
「うわぁ!大丈夫かシルヴァン!」
「何故吐血しましたの!?」
…精神的ダメージで吐血とか。リアルで見たの初だわ。やるな、シルヴァン。芸人の才能があるよ。
「もう夜も遅い。今日は此処までにしよう…明日は王国会議だしな」
「ああ…それもありましたね…」
「頑張ってね~ウチは出ないけど」
俺は出なきゃいけないんだよな。
王国会議か…
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