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第192話 女の戦いでした

 闘技大会の推薦枠を貰う為の交換条件。


 俺Tueeeeeの為なら最大限の譲歩をするつもりだが…流石にいきなり結婚はお断り――――


「帝都を観光される際は自分に案内させてください」


「―――それだけですか?」


「はい。それだけです」


 ……うん?推薦枠を貰う為の交換条件が観光案内をさせろ?一緒に居たいって事だろうけど、それって見方を変えれば仕事じゃん。


 果たしてそれが対価足り得るのか?


「勿論です。それに自分がするのはあくまで姉さんと宰相にノワール侯爵様を推薦枠に入れて欲しいとお願いするだけ。確実に推薦枠を貰えると決まったわけではないので」


 案内役を貰うのが報酬として妥当だと、そういう訳ね。


 しかし、何か裏がありそうな気も…メーティス、は今は居ないから…ユウ?


「……」


 アイコンタクトで意見を求めてたがユウは無言で肩をすくめるだけ。


 好きにしたらいいって事か。なら―――


「いいんじゃないかな。私も帝都は初めてだから楽しみだよ」


「…自分が案内するのはノワール侯爵様で――」


「同じ事でしょうジェノバ様。ジュンを…ノワール侯爵様を護衛も無しに帝都を歩かせる訳に行かないのですから」


「……」


 ああ、うん、そうね。俺が帝都を歩くとなればいっぱい付いて来るだろうなぁ。


 俺の護衛、使用人として来てるアム達だけじゃなくソフィアさん達も当然来るだろうし。


 うん、何も問題なさそうだ。


「ジェノバ様がそれで構わないなら、お願いします」


「…承りました。早速姉さんに連絡を取ります。ですが、その前に」


「…私がどうかしましたか」


 見つめ合うクリスチーナとジェノバ様。


 二人はやがて揺れる馬車の中で立ち上がり…服を脱ぎだした。


「いや何でだよ!」


「ジュン、止めないで欲しい」


「そうです。これは女の戦いなのです…すみません、鎧を外すのを手伝ってください」


「いやいやいや。だからなんで脱ぐんだよ。あたいも女だけどわかんねーぞ」


「わたしもわかんない」


「同じく」


 二人以外に誰もわからんよ、きっと。少なくとも今この場では。


 わかりたくもないけれど。


「決まってるいるだろう?どちらが美しいか、白黒はっきりさせるのさ」


「彼女は美しい、それは認めます。自分に匹敵する美しさを持った女性は妹のミネルヴァ以外に居ませんでした。ですが!美しさにおいて負けるわけには行きません!勝負です!」


「望むところだよ!」


「いやいやいや!こんな所でやめい!誰かに見られたら面倒臭い事になるだろ!」


「何も問題無いよ!」「何も問題ありません!」


 あるから!問題ばっかりだから!帝国の皇女の裸見たとか問題になるに決まってるから!


「え?何故です?」


「何故も何も!嫁入り前の……」


 ああ、いや…そうか。大半の女性は裸見られても恥ずかしく思ったりしない世界だったわ。


「ふふん。肌は私の方がキレイだね」


「何を馬鹿な…うっ、確かにスベスベ…髪もツヤツヤ…ですが!ウエストは自分の方がキュッと細い!脚だって自分の方が長い!」


「ぐっ…だけど私の方が胸は大きいんじゃないかな?それに所々に傷跡が見える。私は傷一つないよ、ほら」


「うっ…騎士として訓練しているのだから当然でしょう!傷は騎士の勲章です!」


「そうかいそうかい。でもね―――」


「それなら自分も―――」


 と、クリスチーナVSジェノバの女の戦いとやらは続き。


 周りの俺達の事は目に入らなくなったようだ。


「いやぁ面白いわね。いい酒の肴になるわぁ」


「あ。いつの間にか呑んでるし」


「もう!お母さん!まだ昼間だよ!」


「硬い事言わないで。頑張れクリスチーナ〜ジェノバちゃんも負けるな~」


 クリスチーナは兎も角、ジェノバ様をちゃん付けで呼んで見世物扱い…ジェーン先生、あんた大物やね。


「私は子供の頃から美しいと褒められていたよ」


「それは自分だって!求婚だって何度かされてますし!全て断りましたが!」


「私もだよ。でもね…そんなどうでも良い連中に口説かれた事なんて誇っても仕方ない。愛する人に褒められてこそだろう?違うかい」


「そ、それは…だって、出会ったばかりですし…」


「私は子供の頃から、ジュンに美人だと言われていたよ、何度もね」


「なっ!?」


「あー…何か前にもあったなぁ、こんな会話」


「あったねぇ」


「もう一年前」


 そんな話してたのか。クリスチーナを美人だと言ったのは確かだけどさ…殆どは言わされてた、が正しいんだけどな。


 後、今更だけど皇女相手にタメ口はまずくないかい?


 それはどうでも良い?良いんだ…


「ノ、ノワール侯爵様!いやジュン様!今の話は本当ですか!」


「…嘘じゃないです、はい」


「そ、そんな…」


「フッ…私の勝ち、みたいだね」


「くっ…うぅ…」


 がっくりと膝をついて項垂れるジェノバ様。


 …シャツの下はノーブラなのに四つん這いになったりしたら…見えちゃうぞ?


「フッ…私の方が美しいと証明されたようだね」


「今のってそういう勝負だったの?」


「さぁ…よくわかりませんわ」


 当人同士にしかわからないんだろうな。


 同じ変態だと言われたからかクリスチーナはジェノバ様を意識していたみたいだし、ジェノバ様もクリスチーナから感じるものがあったのか意識してたみたいだしなぁ。


 もしかして同族嫌悪という奴だろうか。何も言わずに示し合わせたように脱ぎだしたもんな。


「おっと。次の街に着いたみたいだね。行こうか、ジュン」


「あ、うん…」


 ジェノバ様…全然動かないけど大丈夫か?冬に半裸で…風邪ひかなきゃいいけど。


「て、クリスチーナ!降りる前に服を着ろ!」


「おおっと。いけないいけない」


 クリスチーナが服を着る間、ユウがジェノバ様を揺すって正気に戻してくれていた。


 その間、ハティがくっついて暖めていたし風邪をひくことらないだろう。


 変態は風邪をひかないって言うしね…

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