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第161話 バレました

 ガウル様主催のお茶会という名の珍妙な集会から三日後。


 今日はアム達と一緒に冒険者活動の予定だ。


「今日受ける以来をこなせば、次はランクアップの試験だってよ」


「試験かぁ。どんな事するんだろうね」


「どんな試験でも問題なし」


 とまあ、そういう事らしい。


「ねぇねぇ、あーしも行って良い?」


「ダメつっても来るんだろ。好きにしろよ」


 というわけで妹ドラゴンことリヴァと従魔のハティを加えて出発…しようとしたら馬車にドミニーさんが無言で乗ってきた。


「お、おい、なんだよ、あんた…あたいらは冒険者ギルドに行くんだぜ?」


「……」


「いや何か言って―――」


「あんたも冒険者ギルドに用があるの?じゃ、一緒に行きましょ」


 お、おお?ドミニーさんは何も言ってないと思うのだが…リヴァにはドミニーさんの考えがわかるのか?


「わかるわよ?なんとなく。ドラゴンだもの。あんた達はわかんないの?」


 お、おう?ドラゴンならわかるって話なんだろうか…テレパシーとかか?


「……」


「ふぅん。最近闘ってなかったから鈍って来た。手伝ってやるってさ」


 …通訳ご苦労様でした。


 ドミニーさん、ノワール侯爵家のお抱え鍛冶師になってからは屋敷の庭に鍛冶工房を作って籠りっぱなしだったからな。


 御蔭でうちの警備兵の装備は上質なモノになった。


 食事なんかは偶に一緒する程度だったけど、少しは俺に慣れたらしい。


 一緒の馬車に乗れる程度には。


「……」


「ジュンは私に近付くな触るなだってさ。あんた、何かしたの?」


「…傷付くなぁ」


 俺、一応は貴女の主よ?全く…


「そんな事言うならオリハルコンが採掘出来てもまわさない…」


「!!?」


「すみません、ごめんなさい、家臣の分際で生意気言いました。許してください。だってさ」


「今のはあたいにもわかったぜ」


「わたしも〜」


「同じく」


 勿論俺にもわかった。高速で頭を下げてるもの。


「お、来たか…っと、ドミニーも一緒か。珍しいな」


 冒険者ギルドに到着すると何時ものようにギルドマスターのステラさんの出迎え。


 タイミング良く居ますけど、ギルドマスターの仕事シてます?


「ドミニーだけじゃなくドラゴン娘に従魔のハティも一緒か。ならAランクの依頼を受けてみるか?」


「え?良いのかよ」


「ドミニーが受けるという形にはなるがな。ちゃんとお前達の成績にも反映されるから心配するな。実力的にも問題無い…というより、その面子なら大概の依頼は軽くこなせるだろうさ」


「ふっ…わかってますね、ギルドマスター」


 そう!俺が居ればSランクの依頼だろうとそれ以上だろうと!軽く完璧にこなして見せようぞ!


「お、おお…ところでカタリナはどうした?もう一人…イーナだったか。そいつも居ないようだが」


「あの二人はお茶会」


 カタリナやイーナだけじゃなく、アニエスさんにソフィアさんらもお茶会に呼ばれる事が多くなったらしい。


 以前は俺との間を取り持て、とか言われるのがわかってたので全て断っていたが…その皺寄せが陛下に行くとわかってからは偶に参加するようにしたそうだ。


「ふぅん…ジュンは行かなくて良いのか?お前が参加してキッパリと断っていくのが手っ取り早いんじゃないのか?」


「俺も同じ事考えましたけどね」


「ギルドマスターなら諦めんのか?」


「……せめて思い出に一度だけ抱いてくれと縋るな」


「……」


「その眼は止めろ、ドミニー。私には蔑まれて喜ぶ趣味は無い」


 …そりゃ何よりで。


 まぁ、カタリナ達もステラさんのようにしぶとく縋る人が絶対居るから来なくて良いと言っていた。


「で、話戻しましょうか」


「Aランクの依頼ってどんなんだ?」


「王都から南方にある荒野に巨大な魔獣の目撃情報が出た。ドラゴンのようなシルエットだったらしい。かなりの大きさらしいから最低でもレッサードラゴン以上。依頼内容はどんな魔獣が居るのかの調査。危険な魔獣だった場合は可能なら排除。最低でも情報を持ち帰る事。以上だ」


 南方の荒野って言うと…


『アレやな。マスターがビームキャノンの試射で岩山を消し去ったとこ』


 …だよな。まさかそれが原因ってわけじゃないだろうけども。


「俺はその依頼で良いと思う」


「あたいも」


「わたしも〜」


「ん。異議無し」


「あーしは何でも。あんたは?」


「……」


「良いってさ」


「なら手続きしよう。ドミニー、来い」


 というわけで、俺達は南方の荒野に向かう事に。


 往復で二日の距離。帰りは明後日以降になると屋敷に連絡を…入れたらクライネさんとハエッタさんが部下二名を連れて護衛にと合流する事に。


「…毎度の事だけどよ、護衛が居る冒険者ってどうなんだろな」


「あくまでジュン君の護衛ですよ」


「依頼の邪魔をする気はないから、気にしないで」


「あーしが居れば護衛なんて要らないのに…てか、あんたに護衛って必要なわけ?」


「…ノーコメントで」


 本音を言っちゃえば要らないんだけどな。しかし、そんな事言えば泣かれそうな気がするし。


 とはいえ、以前よりは緩くなったんだけどね。


 ドラゴンゾンビを単身で討伐は大きく、王都内なら誰かと一緒なら護衛が付く事は減った。


 こうして王都の外に出る時はダメだが。


「荒野か…突然岩山が消えたってとこだよな」


「だね~。でも、それからは特に何も無いし、平気じゃない?」


「赤薔薇騎士団が派遣されたけれど何も発見出来なかったそうですよ」


「今回の魔獣とは無関係でしょう」


「なになに?なんの話?あーしにも教えてよ」


 …岩山消した犯人は俺だから、確実に今回の魔獣とは無関係です、はい。


 とか考えてたのがいけなかったのか…


「ふぅん…それってあんたの仕業じゃないの?」


「…へっ?!」


 何故かリヴァに疑惑の眼差しを向けられている!


 い、いかん!此処で慌ててはならぬ!


「…何故そんな?」


「だってさー。アンデットおじいちゃんを一撃粉砕出来るなら岩山消すくらい簡単でしょ」


 Oh…シンプルな解答。そして正解してるのがなんとも…


「…出来るか出来ないかで言えば出来るけど?やる理由が無いっていうか?仮に俺がやったんだとしても証拠なんて――」


「よし、わかった。ジュン、それ以上喋るな」


「ジュン君……他の人にはバレないでくださいね…」


 何故バレた?!完璧なポーカーフェイスだった筈なのに!?

ブックマーク・コメント・評価・いいね、ありがとうございます。


とても励みになります。


これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 無実の奴ァ仮にとか証拠とか言い出さんのだよ 語るに落ちるとはこのことだゾ
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