表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
指風鈴連続殺人事件 ~恋するカナリアと血獄の日記帳~  作者: 須崎正太郎
袴田みなも《はかまだみなも》の日記
82/131

2001年7月25日(水)

 長谷川くんから連絡はない。

 天ヶ瀬くんとキキラの家にも、電話しようか迷ったけれど……。

 できたら会って話がしたい。そのほうがいいだろう。そう思って、キキラの家に向かおうとした。


 だけどそのとき、家の前でバッタリと人に出くわした。

 それは、新聞記者の木戸女史だった。彼女は私が登場したことにたいへん驚き、


「袴田工務店の娘さんが、あなただったなんて!」


 と、叫んだ。

 そして私たちは会話を交わし――その結果、私は知った。


 あのM高校の地下室は、連続殺人事件が起きてから何度も埋め立て工事が行われようとしたこと。

 そのたびに、業者が次々と病死し、呪いか祟りがあるのだと騒がれたこと。

 そして――呪いなどあるものか、と言って7年前に、あの地下室の埋め立て工事をしようとしていたのが父の会社、袴田工務店だったこと。結局、三段坂夏美の事件が起きたので、これは祟りではないかと騒がれ、工事が中止になったこと!


「連続殺人事件について、袴田工務店はなにか知っているんじゃないですか? どうなんですか?」


 木戸女史は、眉間にしわを寄せて迫ってきた。

 先日の穏やかさは消えてしまっている。おそらく、私が『事件について知っている袴田工務店の娘』という身分を偽って、マスコミから情報を得ようとした、と思っているのだろう。……半分はまあ、正解なのだが。


 私は木戸女史から逃げるように、家の中に戻り、そしてこの日は終日、家で過ごした。

 テレビや新聞を何度も眺めたが、事件について触れられたものはずいぶん少なかった。

 しょせんは地方の事件。それに4日後に迫った参議院選挙のほうが、世間は注目しているらしい。

 そういえばこの選挙のせいで、父も最近は家に帰ってきていない。父は県の議員だが、そこはやはり与党所属の議員ゆえ、いろいろと仕事があるらしいのだが――さて本当にそれだけだろうか。父が我が家を留守にしている理由は。


 インターネットを使った情報収集も試みたが、たいした情報は得られず。

 さしあたって父に話を聞きたいのだけど。どうしたものか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ