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指風鈴連続殺人事件 ~恋するカナリアと血獄の日記帳~  作者: 須崎正太郎
袴田みなも《はかまだみなも》の日記
72/131

2001年7月14日(土)

 今日は少しナーバス。


 明日、みんなで海に行くと決まったから、私は電車を使って姪浜に赴いた。

 新しい水着を買うためだったのだけど。……私はそこで見てしまった。


 天ヶ瀬くんと若菜が、ふたりで楽しげに歩いているのを。

 カフェに入っていくのを。




 デート、かしら。




 分かっている。

 あのふたりは幼馴染。

 いつも一緒にいる。天ヶ瀬くんはなにかあったら「若菜、若菜」だし。

 若菜は若菜で、なにかあったら「佑ちゃん、佑ちゃん」って言うの。




 両想いなのが、丸分かりじゃない。




 そんなこと、ずっと分かっている。知っている。気付いている。

 だけどそれでも私の気持ちは変わらない。天ヶ瀬くんのほうばかり向いている。

 いつかは、いつかはこの私のほうを向いてほしいって、愛してほしいって思っている。

 だけど、やっぱり、天ヶ瀬くんは、若菜のほうが……。


 悲しいのは、私は若菜のことも大事だということ。

 彼女はとても明るくて、純粋で、心優しい子。私にとって大事な友達。

 だから若菜になら、天ヶ瀬くんを取られても、耐えられる――


 耐えられるだろうか。

 いまこうして、日記を書きながら震えている私が。

 彼と若菜がキスをしていると想像するだけで、泣けてくるほど絶望している私が。




 今日は、もう寝よう。

 自分を慰める気にもならない……。

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