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【書籍化】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
第五章

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632.可愛い妹の看病は姉の特権よ

 朝食を食べていないユリアーナのため、早めに昼食を用意してもらった。お粥を説明したら、用意されてほっとする。米はリゾットに使ったり、鶏肉の腹に詰めたりするのよ。この世界でも米は栽培されるけれど、種類が違った。なんていうの? 細長い種で水田ではなく乾いた畑で育てていた。


 煮てしまえば同じでしょう、と私は以前から積極的に活用している。というのも、麦より安いの。平民の家庭ではリゾットにして、パンの代わりに食べていたわ。シュミット伯爵家では風邪を引いたら、米のお粥だった。パン粥は高くつくんだもの。


 さらさらとして食べやすいし、卵や野菜などを混ぜて味を豊かに出来るのもいい。幼い頃から食べ慣れた味がいいだろうと、レシピを伝えて料理長に作ってもらった。届いた昼食をゆっくり食べさせ、医者からもらった薬を飲ませる。


 診断結果は風邪で間違いなさそう。少し疲労もあるらしいわ。ここしばらく、オイゲンやリースフェルト公爵令嬢ヴェンデルガルト嬢と約束があって、出かけてばかりだった。疲れたところに、どこかでもらってきたのね。


「ごめんなさい、お姉様」


「久しぶりに妹を構う名目が出来て、私は楽しいわよ? 気にしないで」


 真面目な子だから、思いつめたらいけない。看病は大変だけれど、侍女がいて楽が出来る今は悪くないわ。二人で一緒にいる理由になるでしょう? そう付け加えたら、毛布をかぶって笑う。着飾ったユリアーナも綺麗で好きよ。でも素顔の今も可愛くて素敵だった。


 そう伝えたら照れて出てこない。しばらくすると寝息が聞こえてきた。薬が効いているのね。心細くないよう、ベッドサイドの人形を引き寄せて置いた。生前のお母様が私に作ってくださった人形なの。寂しがって泣くユリアーナに譲ったのは、彼女が六歳の頃だった。


 ずっと大切にしている人形を置いて、念のために「レオン達の様子を見てくるわね」と手紙を書いて持たせる。


「大切な妹なの、頼むわね」


 人形に話しかけて立ち上がった。お昼になるから、レオン達が戻ったはず。急いで階段を下りれば、玄関ホールを通りかかったランドルフが気づいた。


「アマーリア様だ!」


「お母様?」


 レオンがきょろきょろして、私に気が付く。ローズがいないわね。


「ユリアーナの看病をしていたのよ」


「痛い、の?」


 不安そうに尋ねるレオンへ、首を横に振った。


「少しお熱があるわね。だから二階へ行ってはダメよ。しっかり休ませてあげたいの」


 病気がうつるなんて表現は好ましくない。事実であっても、子供は不安になるわ。休んでいる邪魔をしてはダメと伝え、ローズの行方を尋ねた。


「ろじぃ、リリーとあっち」


 リリーと一緒と示された先は、猫部屋のある方角。まだ猫と遊んでいるのかしら? 食事の時間なのに、困ったわね。

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