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【書籍化】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
第五章

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610.個性豊かで自由な子供

 その場にいた使用人達に口止めをした。もちろん、フランクとイルゼも。ランドルフに嫉妬するヘンリック様の耳に入ったら、絶対に大人げなく騒ぐわ。仲裁してくれたランドルフには感謝しているの。あの場面で、どちらを優先しても角が立つでしょう?


 レオンへ急ぐよう伝え、ローズを途中で引き離す。興味をお絵描きに逸らして、自分がやられたら嫌だろうと諭すところまで。すごい手際の良さだったわ。私でもちょっと思いつかないのに……。


 興味本位で尋ねたら、兄と喧嘩をしたときに母ユーリア様が同じことをしたと。それも立場が逆だったらしいわ。プレゼントで貰った本を読んでいたら、貸してくれと奪われそうになった。それをユーリア様が仲裁したのね。


「素晴らしいわ、ユーリア様は頭がいいのね」


 感動して褒め言葉がぽろり。ランドルフが嬉しそうに頷いた。ローズはたくさん螺旋を描いて満足し、ランドルフが足した花の絵を真似ている。模倣って悪いことばかりじゃなくて、上達に必要なのよね。微笑ましい気分でいたけれど、ローズのクレヨンがはみ出したところで……つい口を挟んだ。


「あっ! 誰か、ローズの手を止めて!」


 侍女の一人がさっと抱き上げる。


「いやぁあああ!」


 ご機嫌で絵を描いていたローズにしたら、邪魔をされたと思っているのね。暴れる手がクレヨンを潰し、手がにゅるにゅるよ。青くなった手で侍女の顔を押しのけた。当然、クレヨンが移ってしまう。申し訳ないわ。彼女に臨時報酬を出すよう頼んでおきましょう。


 マーサが抱っこを交代し、泣き喚くローズを隣室へ移動させた。


「大丈夫かしら……」


「問題ございません、奥様。落ち着かせるには場所を変えるのが一番です」


 侍女長のイルゼは育児の先輩なので、その一言にほっとした。私も早く動けるように、腰を治さないと!


 ノックが聞こえ、扉が開いた。隣の部屋で、エルヴィンの読書に付き合っていたお父様が顔を見せる。得意げにレオンが見せた絵を「鮮やかで綺麗だ」と褒めた。赤い線は太くなり、周囲に色を纏った虹になったの。


「さきほど、ローズが泣いていたようだね?」


「ええ、お絵描きを止めたら泣いてしまって」


 理由を示すために、絨毯の上の画用紙を指さす。白い紙の脇ではみ出した青に、お父様が苦笑いした。これはユリアンもユリアーナもやったのよ。覚えていないけれど、子供の頃の私もやったのかしら?


「ぼく、しない」


 はみ出したりしないよ。主張する息子の頭を撫でて「そうね」と頷く。性格の違いだと思うの。はみ出しても気にしない子もいれば、きちんと紙に収める子もいる。どちらも可愛いし、周囲の大人が対策すれば済む話よ。


「ローズは外に描くのも好きだから、もっと大きな紙を用意したらいいわ」


「うん……」


「レオンもいっぱい描いてね」


 そんなことがありました、と帰宅したヘンリック様に報告する。もちろんランドルフの部分は除いたわ。親バカなヘンリック様は、思わぬ提案をしたの。


「どれだけ落書きしてもいい部屋を作ろう!」


「……考えておきますわ」


 金持ちゆえの贅沢発言だけれど……一理あるのよ? 好きなだけ描かせてあげたいのは、私も同じだもの。ただ我慢を教えるのも必要よね。どうしましょう。

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― 新着の感想 ―
 落書きしていい小屋(なお、公爵基準)を建てそう(笑)
ヘンリック様ー そうじゃないわよ〜(つ≧▽≦)つ…感が… 価値観が違うのよね…(笑) う〜ん…中々難しいですよねこういうの まだまだローズは分別つかないし、何処までが許される事だと理解させるのはちょ…
自由なお絵かき部屋かー。 ローズ姫はもう少し分別が付いてからじゃないと他の部屋に被害が出そう。 それにしても公爵家、臨時ボーナス出しすぎ! うらやましい!!
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