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【書籍化】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
第五章

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603.愛情を浴びる時期だから

 ヘンリック様は翌日も休みを取った。部下から「奥様を優先してください」と連絡が入ったみたい。やだわ、どこまで話が広まっているのかしら? 原因が原因だけに、恥ずかしくなっちゃう。


「お母様、ぼく……ここで本、よむ」


 レオンは不安なのか、私のベッドの端に座った。落ちそうなので、もっと中へ入るよう伝える。私の様子を窺いながら、おずおずと真ん中に寄った。落ちないように、も兼ねてなのか。ランドルフが外側に座る。それをみて、レオンはさらに私のほうへ寄った。


「じゃま?」


「いいえ、レオンがいてくれて嬉しいわ。ラルフもありがとう」


 微笑んで伝えた気持ちは本物よ。嘘をつく必要がないもの。並んでベッドに腰掛け、私は背中に当てられたクッションへ身を沈めた。レオンが小さな声で本を読む。その声が心地よかった。つっかえるたび、ランドルフがそっと教える。私に読んでくれるつもりなのかも。


 大きな虎が兎を助けた話を聞き終える頃、廊下のほうが騒がしくなった。


「ろじぃ?」


 レオンが首を傾げる。廊下の絶叫は大きく響いた。


「やぁあああ!」


「ローズ、俺で我慢できないか?」


「いやっ!」


 昨日、ディに大好きと示されたことで気の大きくなったヘンリック様が、ローズの面倒を見ると連れて行ったの。まだ幼いこともあり、手加減という言葉がローズにはない。勢いよく飛び乗り、抱き着き、全力で感情を示す。正しいことなのだけれど、私が腰を痛めた状況では周囲が慌てた。


 半日ほど引き離そうと言ったヘンリック様に預けたけれど、苦戦している様子ね。声を掛けようとしたけれど、直前に思わぬ人物の声が聞こえた。


「ならば、じぃじと遊んでくだされ。お姫様」


「おし、め……しゃま?」


「ええ、お姫様。賢くて美しいお姫様なら、このじぃじと遊んでくださると思うのですが?」


「いぃよ」


 お父様の声だわ。いつの間にこんなに子供の相手が上手になったのかしら? 領地で領民の子に勉強を教えているのよね。自然と慣れた、とか……。


 ローズとお父様の声が遠ざかり、扉が開く。苦笑いするヘンリック様に「お疲れ様でした」とベッドサイドの椅子を勧めた。腰掛ける夫は溜め息を吐く。どうやら、ローズに拒まれたのがショックみたいだわ。


「ローズは我が儘な気がするが……あれでいいのか?」


「ええ。まだ問題ありませんわ。きちんと叱ることもありますし。今は愛情を浴びる時期ですもの」


 いろんなことに興味が湧いて、新しいことに驚いて、感情が暴れる年齢なの。もう少ししたら落ち着くわ。悪いことだけ叱って、ある程度は自由にさせる。ユリアンやユリアーナもそれで育ったんだもの。大丈夫だと思うわ。


 そういえば、ユリアーナはどこか出かけたのかしら? 今日は顔を見ていないわね。

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― 新着の感想 ―
 じっじに全部持ってかれた(笑)
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