表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)今年は7冊!
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

236/700

236.即位式の準備が始まった

 私とヘンリック様の関係が変わった日から三日後。新国王となる、第一王子カールハインツ殿下の即位式に関する通知が届いた。事前の連絡はあったので、各家は準備を進めていたはずよ。私もお父様に、弟妹の衣装を含めて準備をお願いしていた。


 ヘンリック様が大量に発注したお揃いの正装があるため、ケンプフェルト公爵家は準備不要だ。新しく購入したのは、レオンの靴だけね。先日確認のために履かせてみたら、つま先が痛いと言われたの。成長の証だわ。服は仕立て直しがきくよう余裕を持たせて仕立てたけれど、靴は手直しができなかった。


 靴を大きめに作れば、歩きにくいし靴擦れが出来てしまう。結局のところ、靴はこまめに作り直すしかないの。説明して、ヘンリック様に大量発注は控えるようお願いした。正装用と普段履く靴があれば足りるの。もう少し大きくなって成長が一段落したら、いくらでも注文できるわ。今は必要最低限の数でいい。


 お金があるからと無駄遣いはダメ。すべて民の働いた賃金から支払われる税金なのよ。理解してもらい、今回は二足だけ注文で落ち着いた。


「お姉様、ここ……少し緩いわ」


「リリー、手直しできるかしら」


 ユリアーナのドレスの調整を頼み、エルヴィンの裾を引き出す。ケンプフェルト公爵家の針子を借りる形で、全員が大騒ぎだった。お父様は問題ないと思いきや、ボタンが一つ足りなくて全部交換になった。以前なら似ているボタンをつけて終わりだったが、今回は王族の即位式だ。


 フォンの称号を持つ三つの家は、王族より古い歴史を誇る。そのため、同格の貴族より上位の席に座るのが通例だった。招待状にもその旨が記載されており、体裁を整える必要がある。貴族籍を持つ者はすべて、即位式に参加する義務があった。海外に留学中の者、ケガや病で動けない人などは除外される。


 跡取りのエルヴィン以外に、双子の正装も準備するので忙しかった。ユリアンはシャツがきついようで、これまた仕立て直しとなる。装飾品や小物、バッグから靴下に至るまで。すべて確認しなければ。


「奥様、こちらは新調してよろしいですか」


「……っ、そうね。お願いするわ」


 ハンカチは全員新調し、専門の針子が刺繍を施す。紋章を入れるのがマナーなのよ。


 レオンはちたちたと走り回り、皆を笑顔にしていた。お父様のタイピンやユリアンの靴、ユリアーナのドレスのレース、エルヴィンのカフスなど。色々と気になって声をかける。その度に「しゅごいね」「きれぇだね」と褒めるので、自然と笑顔が溢れた。


「レオン、青と紫、どちらが好き?」


 今回のお揃い衣装は、リボンやクラバットの色を合わせる。レオンはじっくり選んで、青を手に取った。


「こっち」


「ありがとう、青にしましょう」


 最終決定よ。私の声に、侍女や侍従が動き出す。ヘンリック様が仕事から戻る前に、ある程度決めてしまわなくては。これは女主人の仕事なんだもの。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
レオン君天使! 即位式!大きなイベント…。まあ、問題は…無いですよね?ちょっと不安(汗) これが終わったら、いつぞやのクソガキ(次男)の教育?家庭環境見直し?ですかね?更生できると良いけど…。次男だけ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ