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【書籍化】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)今年は7冊!
第一章

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14.妻など面倒だ ***SIDE公爵

 妻を娶った。困窮する伯爵家の長女アマーリア・フォン・シュミットだ。建国当時まで遡れる古い家系ながら、お人よしが過ぎて金がない。


 爵位を売るほど困っているため、本来は後継ぎである嫡子を手放した。いや、手放すように仕向けたのだ。我がケンプフェルト公爵家と家格が釣り合う家柄で、未婚の貴族令嬢はほとんどいない。いや、選ばなければいたか。


 俺の容姿、公爵の地位や財産に群がる令嬢は何人もいる。だが俺が求めるのは、干渉しない妻だった。跡取り息子はすでに前妻が産んだため、私生活を煩わすことのない妻が必要だ。己の子を産みたいと迫ることなく、最低限の社交をこなし、それ以外は俺に関与しない。


 友人に相談したところ、そんな都合のいい女はいないと笑われた。だが探してみるものだ。見つけたアマーリアは、実家の借金返済を条件に頷いた。きちんと契約書も交わしている。契約を破れば、金を返さねばならない彼女は大人しいだろう。


 結婚式で花嫁を置き去りにしたことを、はとこである陛下に咎められた。現時点で妻からの苦情はないので、妻も承知だと伝える。結婚式から一週間は休暇を取るのが一般的だが、大量に積まれた書類を見る限り無理だった。


 この国が問題なく回っているのは、外交や内政で俺が柱になって支えているからだ。仕事や成果に自負があるから、休むなど考えたくもなかった。


「ケンプフェルト公爵閣下、お屋敷から手紙が届いております」


 王宮内の執務室に届けられた手紙は、飾り気のない封筒に収まっている。封蝋は家令フランクが押したのか。破いて中を開けば、見覚えのない女性の手筆が並んでいた。何か強請る気か? 女性はすぐ宝石だ、ドレスだと無駄なものを欲しがる。


 屋敷の運営費とは別に与えた金は、もう使い果たしたとでも……頭の中で文句を並べながら読んだ。その内容は思いがけないものだった。ある意味、予想通りのお強請りだが、一般的な貴族女性の要求からかけ離れている。


「家族を離れに住まわせる許可と、レオンの乳母? あれはもう乳離れした年齢だぞ」


 眉を寄せて唸る。家族を離れに住まわせるのは構わない。あの離れは使っていないし、林の中で離れていた。だが、レオンに乳母は不要だ。はっきり年齢を覚えていないが、そろそろ家庭教師をつけて教育する時期だろう。


 家族を呼び寄せることへ条件付きの許可と、家庭教師なら構わない旨を手短に記して封をした。返事を待つ侍従に持たせるよう伝える。


 瑣末ごとに気を取られてしまった。苛々しながら、新たな法案を読み進める。いくつか法の抜け道を発見し、さらさらと修正を記入した。不備の印を押して、返却用の箱へ投げ込む。


 家で妻が何をして過ごそうが構わない。トラブルを起こせば、ベルントかフランクが知らせるはずだ。できるなら、次の社交である新年会まで顔を合わせずに過ごしたかった。だが今はまだ初夏、新年は遠い。


 一度は屋敷に戻らなくてはならないか。嫌だと思いながら、次の書類を手元に引き寄せた。

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― 新着の感想 ―
[一言] これ父親とすら認識されてなさそう
[気になる点] 前妻の事は愛していたのか?それとも貴族的な義務で結婚して貴族的な義務で子供を産んだのか?それで跡取りはもう居るから主人公と閨の必要はないということ?この言い方だとレオンすらも愛されてい…
[一言] このまま契約書の変更・更新は無しでお願いします。 亭主は元気でお留守が一番。
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