< 主人公紹介 : 夏目ミライ … 数学界の異端児 >
本編にて、主人公たちが宇宙創造を果たしました。
すでにある程度キャラクタの情報が出てきており、
もうネタバレということもないので、
この辺りで各主人公の詳細を書きたいと思います。
これは読まなくても、たぶん本編は楽しめると思いますが、
読んでいただくとより面白くなるかと思います。
2058年7月7日生まれ。17歳。
幼少の頃から数字に対する先天的な才能を持っていた。
四則演算を教えると、その場ですぐに暗算ができるようになった。
幼稚園の時、友人の家に遊びに行った際に、歳の離れた友人の兄が微分、積分を習っており、その兄が自慢げに宿題を披露。
簡単に概念を教えた瞬間、ミライはその兄の宿題の間違いを指摘し、答えを暗算で計算した。
両親が友人の親からその話を聞き、試しに数学の問題集を購入したところ、すらすらと解いていく。
当時、街でも有名な数学少女として、ちょっとした話題となった。
メディアでも取り上げられたが、彼女はまるで計算機回路が脳内にあるかのように、数式を見るとすぐに答えが浮かんでくるため、数式の下にいきなり解答のみを記入してしまっていた。
彼女にはそれがいたって普通であったが、その姿にいんちき、チートだと攻撃する輩も多く、メディアは徐々に冷めていった。
また、父の影響で幼少期からモータースポーツに興味を持ち、父が亡くなる8歳まで父と毎週数日のペースでエアロカートを乗りに行っていた。
しかし、2066年11月、世界中で発生した大災害『時空の暴走』によって、父が他界。
そこからは乗りに行くペースは週一回程度と低くなった。
それでもエアロカート愛は止むことなく、11歳の時には全日本エアロカート選手権小学生の部で優勝を果たした。
だが、それ以上に数学に深い興味を感じ、のめり込み、エアカートから遠ざかっていった。
エアカート優勝前の10歳の時にはすでに関数論を全て理解し、その年には数学オリンピックで優勝を成し遂げた。
12歳の時には空間定義に強い興味を持ち、ヒルベルト空間をより拡張したヒルベルト-ナツメ空間を定義することに成功したが、ABC予想などと同様に、彼女が作った定義自体が非常に複雑でそれに異を唱えるものも少なくなかった。
まして、12歳の子供が作った理論を、大人たちは易々と受け入れられるはずはなく、この頃から『数学界の異端児』と呼ばれるようになった。
だが、その呼び名を本人は全然気に入っていない。
さらには14、15歳の時にP=!NP問題やこれまで超難問と言われた数々の数学上問題を解き明かした。
これにより、誰しもが認めざるを得ない状況になり、数学界のノーベル賞であるフィールズ賞を獲得することとなった。
夏目ミライは複雑な事象からその解を導き出す天才であった。
だが、この時、全てが解けてしまうがゆえに、この天才には生きる意味を感じられるものがなく、虚しさを募らせるばかりであった。
だが、転機が訪れる。
柊レイの『レイ理論』に書かれた式を見て、宇宙全てを内包する空間定義に強烈な興味を抱いた。
また、この数式を作った柊レイという人物にも強烈な興味を抱くようになった。
そして、偶然にも柊レイと同じ年に第2新東京工科大学に特別編入することとなったのだった。
あとがきは割愛させていただきます。




