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第15話 キックはシスターの嗜みですわよ?

「……ぅん?」



 なんだか、周囲が騒がしい気がする。


 これって子供の声かな?

 みんなで追いかけっこでもしてるっぽい。

 元気でいいなー。子供ってこれくらい活発なのが一番よね。


 あれ?

 体がうまく動かないんだけど。どうして……?

 あ、そっか。


 私、頭にキノコが生えて……。



「ママ、気がついタ?」



 ミーちゃん……。ちょっと顔色が悪い?

 あ、そっか。

 頑張ってくれたんだね。



「ありがとう、ミーちゃん、教会まで」

「どういたしましテっ! ママ、本当に無事でよかっタっ!」

「んへへへへへへ」



 へー。

 ミーちゃんの頭をはじめて撫でたけど、すごくヒンヤリしてるんだ。

 それに、氷みたいにツルツルしてる。


 暑い日に触らせてほしいなぁ。



「じゃあ、フォレッタを呼んでくるネ」

「ちょっと待って、リーたんは?」



 この部屋にはいないみたいだけど。


 

「別室で、フォレッタが付きっきりで見てるヨ!」

「あぁ……うん、わかった。それなら大丈夫」



 あのフォレッタだからなぁ。

 それぐらいはするか。


 それにしても、ミーちゃん、もうフォレッタになついている気がする。

 さすが13月妖精教のシスターだなぁ。ミーちゃんで困ったことがあったら、彼女に頼ろうかな。


 あ、早速そのフォレッタがやってきたみたい。



「久しぶりですわね、ミース」

「久しぶり。そして、ありがとう。助かったよ、フォレッタ」



 きっと、神様が美しい女性を作ると、こんな姿になるんだろうなぁ。

 ついついそう思っちゃうぐらい、フォレッタはほんとにキレイ。


 ほのかに光って見えるぐらい(つや)やかな金髪に、新雪(しんせつ)みたく白い肌。

 青い目はぱっちりと大きくて、鼻も口も小さくて、まるでお人形さんみたい。


 小綺麗なシスター服を身に着けていて、とっても清楚な雰囲気。

 あまりにキレイすぎて、見ているだけで体が勝手に緊張しちゃう。今は同性なのに、不思議。



「良いのです。これもわたくしの役目のひとつですから」



 相変わらず、聖母みたいな優しい笑みだなぁ。



「もう体に問題ありませんか?」

「うん。おかげさまで。ちょっと気だるいけど、徐々に動けるようになってきた」

「それはなによりです」



 笑顔。

 さっきから、一ミリも変わっていない、笑顔。



「フォレッタ、フリーゼはどう?」

「もう問題ありませんよ。すでに目を覚ましていて、思いついた魔法の研究をはじめています」



 まさか、キノコを頭に生やした経験を活かして、新しい魔法を考えてるの?

 フリーゼ、恐ろしい子……!



「うぇ~~~い、フォレッタちゃん、いる~~?」



 この軽薄は「うぇ~い」はっ!

 まさか、ナンパ師『ニワトリのプレット』!?

 よりにもよって、なんでこんなところにいるの!?



「ごめん、お姉ちゃん、止められなかったの」

「こいつが勝手にっ!」



 あ、教会の子供たちが後を追いかけてきた。

 いつもは子供たちが止めているけど、今回は突破してきたってことかな。



「いつもありがとうございます。後はわたくしにお任せください」



 おー。

 チャラ男とシスターが向かい合うって、すごい絵面。

 何か物語が始まりそう。



「あら、何のご用でしょうか?」

「ちょっとお茶でもしない?」

「申し訳ございません。わたくしたちシスターは妖精王に(みさお)を立てていますので」

「妖精って小さいし、イタズラばっかりのガキじゃん。オレの方が君を楽しませられると思うな」

「あなた、妖精をバカにしておりますか?」

「うーん、実際バカじゃない?」



 あ。


 13月妖精教のシスターに、それは禁句!



「やばい、逃げるぞ!」

「うん!!!」



 子供たちの逃げ足はやっ!


 私も急いで逃げないとっ!


 もうフォレッタが右足を上げはじめて――



天誅(しにさらせぇ)っっっ!!!」

「うぇいいいぃぃぃぃぃぃぃ!?!?」



 すんごい勢いでナンパが男が吹っ飛んでったっ!

 私の頬をかすめたんだけど!?


 しかも、窓から外に飛んで行ってる……。どんなコントロールしてるの!?!?



「あらやだ、わたくしったらはしたない」


 

 『殺人キックのフォレッタ』。

 それが彼女の2つ名。


 一見したら、すごく敬虔(けいけん)で見目麗しいシスター。

 でも一皮むくと、一変する。

 怒りに任せて、あらゆるおじさんの腰を破壊してきた、アンファンスが誇る最強おじさんキラー(物理)。

 冒険者ギルドのギルド長ですら耐えられなかったらしいし、あんなの食らいたくない……。


 正直、シスターよりも冒険者が向いていると思う。


 それでも、アンファンスの住人以外には絶大な人気があるんだよなぁ。

 フォレッタ目当てで『13月妖精教』に入信する人がいるぐらい。



「相変わらずだね。すごい威力」

「あら、何か幻覚でも見ましたか?」

「え、いや、いつもローキック……」

「あら、キノコに頭の栄養を吸われ過ぎたみたいですわね」

「え、あ、え……?」

「あなたは何も見ていませんよ? わかりましたか?」

「……はい、私はただ寝ていただけです」

「よろしい」



 もし私にお姉ちゃんがいたら、フォレッタみたいに気が強い人なんだろうなぁ。


 なんだか、そんな気がする。

いつも読んで頂きありがとうございます!

また、応援や☆評価、ブクマもメチャクチャ嬉しいです!


さて、前話の第14話ですが、話の流れを整えたりするために、大部分を修正しました。

話の内容としては変わっておらず、新旧どちらの14話を読んでも繋がるようになっています。


もし新しい14話に興味がありましたら、読んで頂けると幸いです

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