おれのはじめてのクラブ活動。
おれが4年生になって、一番楽しみだったこと。それは、クラブ活動だ!
3年生のときから、いろんなクラブに見学にいって、どこに入るかいっぱい考えた。
ボール大好きクラブはボールを使ういろんな運動をする。おれはボールが好きだから、楽しそうだな。料理クラブにはいって、料理が得意になるのもいい。
「ねえねえお母ちゃん、おれ、どこのクラブになったと思う?」
「うーん。冒険クラブか?」
「アドベンチャー部な! すごい! なぜわかる!?」
「なんとなく」
おれのお母ちゃんは、ときどきチートだ。
「じゃあ次の水曜日は、帰りがおそくなる日やな」
「うん! 楽しみすぎる」
わくわくして待っていた5月の最初のクラブは、なんと中止になってしまった。コロナがまた、はやりだしたせいだ。ちくしょー、コロナめ。
「まあまあ。次こそはあるといいな」
「うん! 次は、運動場にダンボールで基地を作るんだよ。ぜったいに晴れてほしい!」
「よっしゃ、てるてる坊主作っとくか」
「あ。そういうのおれ信用してないんで、いいです」
「うーむ。お母ちゃんも実は、あれ見るとホラーなほうの話を思い出してしまってな……」
おれとお母ちゃんはそれから、てるてる坊主のホラーな由来で盛り上がった。
次のクラブの日は、びみょうなお天気だった。
「ぜったい晴れてほしい! 雨ふるなー!」
「ほんまや。雨ふるな! 行ってらっしゃい!」
おれは、学校でもずっと 『雨ふるな』 と念じながらすごした。
いよいよ6時間め。クラブ活動だ。外は…… よっし、晴れだ!
先生が用意してくれたダンボールを6年生と5年生のパイセンたちと、運動場にはこぶ。広げて、前にみんなで計画したとおりに組み立てはじめる。
かっこいい基地をつくるぞ!
…… あれ? なんだかきゅうに、暗くなってきた …… 雨だ!
うそやろぉぉぉお!
「てっしゅう!」
6年生のパイセンの指示で、作りはじめたばかりのダンボールをこわした。
せっかくはこんだけど、また元にもどすんだ…… 残念すぎる。
おれたちはそれから、次になにをするかの計画を立てた。
「ただいま」
「お帰り。基地つくれたか?」
「うぉぉおおおおおおお! うぉおおおおおお! うぉおおおおお!」
「そうか、ダメやったか……」
家に帰って、お母ちゃんにめちゃくちゃ心配そうな顔できいてこられたとたん、くやしい気持ちがあふれてきた。
おれはさけんで地面をガシガシふんづけて、お母ちゃんはおれよりもションボリしてしまった。
「次があるんちゃうの? リベンジ的な? もっかい、ないの?」
「ない!」
「そうなんや……」
お母ちゃん、泣きそうになってる。しかたないなぁ、もう。
「でもな、次は基地よりもっと面白いことするんやで。塩づくり!」
「おお。それは楽しそうやな。次は7月か」
「うん! めっちゃ楽しみ!」
「よしよし。次こそは、うまくいくといいな」
お母ちゃんがやっと元気になった。まったく、世話がやけるぜ。
そして、7月のクラブの日。
「おおヒロくん。今日は大雨警報で学校お休みやで」
うがぁぁああああああああああ!




