おれとお母ちゃんのゲームざつだん。
ふっ…… ひさしぶりだな、みんな!
あんまりひさしぶりなんで、中2っぽく始めてみたんだけど、どう? カッコいい?
うちでは、おれもアッチも中2が大好きだ。
あと、おれはホラーが好きだけど、お母ちゃんもアッチもホラーが苦手だ。
おれがホラーゲームの動画を観てると、お母ちゃんは
「あーもー! 気持ちわるいー!」
と言ってくるし、アッチは
「こわいよう! ホラーきらいだよう!」
と、ないちゃうのだ。
おれはお母ちゃんにホラーゲームを楽しんでほしいのに、どんなにたのんでも、お母ちゃんはホラーゲームをインストールしてくれない。
「こわいのいやー いれたら、のろわれて作動しなくなるー」
空き容量が小さくなるとこまる、とお母ちゃんはいう。
「じゃ、パ○ドラを消せば? やってないやん、さいきん」
「パ○ドラには鬼○コラボの炭○郎くんとぎゅーたんとア○ザと○透くんと善○としのたんと無○さまがいるんだぞ! 消せるか?」
「うむぅ……」
消せないな。
「じゃ、あんまり見ない写真消せば?」
「アホ言うな。あんたらの写真は、永久保存じゃあ!」
そんなわけで、おれは決めた。
ホラーゲームは、おれのタブレット (お父ちゃんが勉強用に買ってくれた) に入れて、お母ちゃんにやってもらおう。
…… あれ。おれのタブレットも、もういっぱいだ。
そして…… どのゲームも、消せない!
お母ちゃんに 「ヒマやな」 って言われながら百回リセマラして欲しいキャラをゲットしたのだとか、人気ユー○ューバーさんが遊びにくるゲームとか、アッチといっしょに遊ぶやつとか。
だいじなゲームばっかりなんだよね!
しかたない…… ホラーゲームは、またいつかにしよう。
おれが大人になったら、ちょう人気のゲームを作ってお金をかせいで、いっぱいタブレットを買ってゲームを入れまくるんだ!
とりあえず、今日はちがうゲームで遊ぼう。
「わー! ぐ○おさんきてる!」
なんと今日は、ユー○ューバーさんといっしょに、だ○ごくゴッコだ!
そんなおれを見て、お母ちゃんはふしぎそうだ。
「なんで、ひとりでゲームしてるときまで、他人とつながりたいかなぁ……?」
「それが楽しいんだよ!」
「ふうん。お母ちゃんは割かしボッチ好きやからな。ゲームはひとりで自己完結するほうがいいなー」
「おれは、みんなで遊ぶほうがいい! ひとりだと、さみしくてないちゃう!」
「ほおーう。さよか」
お母ちゃんはニコニコした。
こんなふうに、おれとお母ちゃんは好きなゲームが全然ちがう。
でも、今度のおれのたんじょうびには、いっしょにゲームしてもらうんだ。
約束だからな、お母ちゃん!




