七章キャラクター紹介
・ヴァンダルー ダンピール(ダークエルフ) 九歳 男性
ますます人間離れしてく主人公。冒険者になって名誉貴族に成る前に、遂に皇帝への即位間近(現在準備中)で、何故か『魔王』の二つ名を獲得してしまった。人生って計画通りにいかないなと、ブギータス肉に舌鼓を打つ。
ブギータスを倒して大陸南部に平和を取戻し、皇帝へ即位する事でこの先大陸南部の国々を回って内政に精を出す事になるだろう予感がヒシヒシと……。
ただ元々ある程度インフラが整っている国ばかりなので、タロスヘイムを再建復興した時ほど大変では無いかもしれない。彼の主観では。
数々の【魔王の欠片】を手に入れた事で、更に生ける素材の塊と化している。効果が向上したブラッドポーションや、特製ブラシがタロスヘイムメンバーを襲う! 彼&彼女達はこの魅力に耐える事が出来るのか!?
【屍鬼官】ジョブに就いた事で飲食不要のアンデッドも装備できるようになり、クノッヘンとは違う意味で歩く砦と化した。自陣の中に何時の間にかアンデッドの群れが! という攻撃も可能。
【魔王使い】ジョブで、【魔王の欠片】を更に上手く扱えるようになった。特に最近では「発動」と声を出さなくても欠片を発動させる事が可能になってきている。
そして就いた第二の導士ジョブ、【冥導士】。今のところ周りで自殺者が増えるような事はないので、多分大丈夫だろうと思っている模様。
大陸南部の神々から話を聞く事が出来て色々と知る事が出来、更に念願の母ダルシアの復活の目途がたった。
その為には『迷宮の邪神』謹製の、今まで誰も攻略を成し遂げた者が存在しない高難易度ダンジョンに挑まなければならないが、【迷宮建築】スキルを持つ自分なら、そして皆に協力してもらいしっかりと準備すれば可能だと考えている。
その途中で仇である【蒼炎剣】のハインツの仲間、精霊使いのエルフ、マルティーナの遺体を回収できれば回収する予定。遺体を実際に見て、ゴルダンやライリーの時に覚えた嫌悪感を覚えたら、アンデッド化は見送るつもり。しかし、ミハエルの仲間達の遺体を利用してラピエサージュを創った先例があるため恐らく結局はアンデッドにすると思われる。
自分の煮え切らない態度の為に『サウロン解放戦線』を守るための備えが疎かになり、そのせいで『邪砕十五剣』の襲撃を防げなかった事に責任を感じており、更に自分に交渉と言う名の脅しをかけて来たアミッド帝国に改めて敵意を抱き、非公式に宣戦を布告。マルメ公爵拉致、及びリッケルトの首の半分を現場に残す事でそれを伝えた。
ただアミッド帝国とその属国に生きる全ての存在を敵視する程では無いようで、病毒による無差別攻撃をする予定は今のところない。
既に個人の力量云々の問題では無いぐらいの脅威となっているが、冥王魔術を開発した事で単体でもS級冒険者に匹敵する力を身につけている。
それらの特殊なスキルや【魔王の欠片】を使わない場合は、B級からA級程度。
・ブダリオン ノーブルオークアビスハイキング 十五歳 男性
七章の影の主人公。父の死の直後、悪神の誘惑に屈した弟の謀反に遭い帝位を追われ、その後現れた神託の御子と共に弟と雌雄を決し、最後は降臨した悪神と死闘を演じる。……間違ってはいない。
ノーブルオークといえば一章に登場したブゴガンとその息子達か、ダンジョンで生成される個体しか知らなかったヴァンダルー達に衝撃を与えた好人物。
光が当たると天使の輪が出来るマッシュルームカットの金髪に、穏やかで理知的な瞳、整った豚鼻に、丸い頬のライン、そして雄々しい牙。ノーブルオークの中では絶世の美男子である。
父親が歳をとってから生まれた息子で、その為幼い頃から(境界山脈内部流の)帝王学や魔術、そして武術をみっちり学ばされてきた。幸い彼にはそれに潰されず全てを吸収する程豊かな才能に恵まれていたが、その為に弟であるブギータスと過ごす時間が減り、彼の変化に気がつくのが遅れたのではないかと後悔している。
ブギータスに一度は破れノーブルオーク帝国から逃げ出し、その際片目と片腕を失ったがヴァンダルーとレギオン(イシス)の手術によって取戻している。
更に魔道に導かれた事とブギータス配下の将軍を倒す事で、ノーブルオークアビスキングにランクアップした。
その後国を取り戻すが、迷惑をかけた国々に対するけじめと現実的に役目を全うできる状態でない為、帝国から通常の王国に戻る事を宣言した。
婚約者のクーネリア姫とは彼が生まれた時からの付き合いで、初恋の人。数年以内に結婚する予定。
ハイコボルト国のルルゥ姫との婚姻話も同時進行中。やはり彼もキングである。
因みに、厳密に言えば境界山脈内部の国々の為政者は血筋で世代交代するのではなく、当人の実力とそれぞれの国の守護神から認められるかどうかによって決まるのだが、国によっては有名無実化している。ノーブルオーク帝国は特にそれが進んでいた。
【剣術】の上位スキルである【魔道牙剣術】スキルを始め、【剛力】や【分霊降臨】スキルに目覚めた事でその戦闘能力は飛躍的に上昇しており、『光速剣』のリッケルト以上『五頭蛇』のエルヴィーン以下程度になっている。
もし仮に冒険者ギルドが彼の討伐依頼を出す場合は、S級冒険者への指名依頼か、複数のA級冒険者パーティーへの依頼と言う事になるだろう。
・名前:ブダリオン
・ランク:12
・種族:ノーブルオークアビスハイキング
・レベル:1
・年齢:15
・パッシブスキル
闇視
剛力:1Lv(怪力から覚醒!)
精力絶倫:1Lv
眷属強化:9Lv(UP!)
剣装備時攻撃力強化:大
下位種族支配:7Lv
自己強化:導き:4Lv(UP!)
魔術耐性:2Lv(UP!)
状態異常耐性:2Lv(UP!)
魔力増大:1Lv
・アクティブスキル
魔道牙剣術:2Lv(UP!)
鎧術:9Lv
格闘術:6Lv
騎乗:4Lv
無属性魔術:2Lv
魔術制御:5Lv
土属性魔術:3Lv
生命属性魔術:9Lv
錬金術:1Lv
指揮:7Lv
連携:8Lv
解体:2Lv
分霊降臨:1Lv(御使い降臨から覚醒!)
限界超越:5Lv
魔剣限界超越:5Lv
魔鎧限界突破:2Lv(NEW!)
・ユニークスキル
ムブブジェンゲの加護
・ギザニア アラクネサムライマスター(大型種) 三十五歳 女
蜘蛛の下半身を持つアラクネの大型種の女性。ショートカットの美女だが、下半身も含めて立ち上がれば二メートル半ばを超える身体に合わせて上半身も大柄で、ヴァンダルーがポーズをとって欲しいと思う程の逞しい肉体美を誇る。
ヴァンダルー曰く、綺麗な白い肌と宝石のような複眼を持っている。
容姿は凛々しい女戦士だが、性格は真面目で朴訥な部分があり、シスコン気味。姉達を等しく尊敬しているが、特にクーネリアと仲が良い。ブダリオンは尊敬できる人物であり、姉に相応しい男だと思っている。
夢は伝説の武士、勇者ヒルウィロウの残した記録に在る、百の武術系スキルを習得した者のみが就く事が出来るとされるジョブに就く事、そして戦士の誉れである『ザッカートの試練』への挑戦である。
クーネリアを逃がすために自ら囮となり、重傷を負ったところをヴァンダルーに助けられた。当時は彼を少女と思い込み、異性に贈ればプロポーズに相当する意味がある親愛の首飾りを贈ってしまうなどした。
だがヴァンダルーの性別が分かってからも取り消す気になれず、そのまま彼に仕える事となる。
実は武術一筋に生きてきたギザニアは彼女の危機を救い、傷を癒したヴァンダルーに好意を抱いていたのだ。年齢差が大きいが、ヴァンダルーの衝撃的な第一印象のせいで外見の年齢が気にならなくなったらしい。
その後も部分的に大人びた言動と、かなり異形な行いのせいで歳の差はほとんど意識していない。
尤も、何かの拍子にそれに気がついても、互いに長命種族なので気にするほどの差では無いと判断すると思われる。実際、姉のクーネリアの歳は婚約者のブダリオンの三倍以上の年齢である。
現在ヴァンダルーの執拗なブラッシングによって、見た目はモフモフでも実際は堅かった下半身の刺激毛が柔軟になりつつある。
スキュラのプリベルに同じ八本脚として特にライバル視されているが、ギザニアは友達が増えたとしか認識していない。
激戦を経験した事でランクアップとジョブチェンジを経験し、ランク6のアラクネサムライアデプトを経て、ランク7のアラクネサムライマスターに、ジョブもサムライマスターに就いている。
実力は登場した当初C級冒険者並だったが、今ではB級冒険者に匹敵するほどになっている。ただ急激に経験値を得たせいでジョブにスキルレベルが追い付いておらず、まだまだ鍛錬が必要。
因みに、【魔刀限界突破】は、【魔剣限界突破】の亜種のようなスキルである。
・名前:ギザニア
・年齢:35歳
・二つ名:無し
・ランク:7
・種族:アラクネサムライマスター(大型種)
・レベル:3
・ジョブ:サムライマスター
・ジョブレベル:2
・ジョブ履歴:戦士見習い、戦士、剣士、サムライ、魔剣使い
・パッシブスキル
暗視
怪力:5Lv(UP!)
敏捷強化:6Lv(UP!)
刀装備時攻撃力強化:中(UP!)
身体強化:甲殻複眼体毛:6Lv(UP!)
能力値強化:忠誠:4Lv(UP!)
能力値強化:導き:1Lv(NEW!)
糸精製:1Lv(NEW!)
・アクティブスキル
刀術:7Lv(UP!)
鎧術:5Lv
格闘術:4Lv(UP!)
高速走行:3Lv
限界突破:6Lv(UP!)
連携:2Lv(NEW!)
魔刀限界突破:2Lv(NEW!)
・ユニークスキル
ザナルパドナの加護
・ミューゼ エンプーサシャドウクノイチ 七十歳 女
カマキリの鎌や羽を持つヴィダの新種族、エンプーサの女性。ザナルパドナの門の一つを守る警備隊の隊長を務めていた。ギザニアとは旧知の中で、彼女にとってミューゼは近所のお姉さん的存在である。
若いがそれなりの実力があり、気さくで明るい性格もあって周囲の者には慕われている。
ただ忍者のイメージにあるクールさは持ち合わせていない。
忍者への憧れが強く、忍者について知識のあるヴァンダルーと知り合えたのは幸運だと考えている。このまま彼について行けば、武士道ならぬ忍道を究められるのではないかと期待している模様。因みに、彼女にとっての忍道とは、「なんだかすごいニンジャ」というかなりあいまいでフワッとした物である。
実は先代女王の姪だが、当人も周囲も「凄い伯母上がいる」程度の感覚しかない。ザナルパドナでは女王が為政者としてよりも祭司としての意味が強く、血筋だけで次代が選ばれる事は無い為だ。
彼女の実力は高く、B級冒険者の前衛職と正面から戦っても一対一ならまず勝てる。ただ斥候職としては【開錠】や【罠】スキルのレベルが低く、【直感】スキルが無い等、かなり残念である。
これはザナルパドナのダンジョンに難易度の高い鍵がかけられた扉や宝箱、罠があまり出現しないから。そして彼女自身が周囲の偵察等を除き、斥候職らしい事をあまりしてこなかったからである。仕事が門の警備隊だから。
・名前:ミューゼ
・年齢:70
・二つ名:無し
・ランク:8
・種族:エンプーサシャドウクノイチ
・レベル:0
・ジョブ:クノイチマスター
・ジョブレベル:99
・ジョブ履歴:盗賊見習い、盗賊、暗殺者、暗闘士、クノイチ
・パッシブスキル
怪力:6Lv(UP!)
暗視
敏捷強化:7Lv(UP!)
能力値強化:任務:5Lv(UP!)
身体強化:甲殻鎌:8Lv(UP!)
・アクティブスキル
擬態:5Lv(UP!)
格闘術:8Lv(UP!)
投擲術:5Lv
鎧術:4Lv(UP!)
忍び足:8Lv
開錠:2Lv
罠:3Lv
限界突破:6Lv(UP!)
暗殺術:5Lv(UP!)
無属性魔術:1Lv
魔術制御:1Lv
風属性魔術:1Lv
・ユニークスキル
ザナルパドナの加護
・エレオノーラ ヴァンパイアマーキス(深淵種吸血鬼侯爵) 女 十二歳(吸血鬼化当時の年齢 二十歳 合計三十二歳)
ライバル(アイラ)が急速に存在感を示してちょっと焦っている女吸血鬼。先んじてヴァンダルーの猟犬である事を表す二つ名を獲得し、首輪を与えられたアイラに嫉妬の炎を燃やし、ハンカチを噛んだり枕を濡らしたりダンジョンで鍛錬に励んだりした結果、ランク10のヴァンパイアカウントにランクアップ。
……吸血鬼化後十数年でここまでランクを上げた吸血鬼は、今までの歴史を顧みても吸血鬼の始祖や原種吸血鬼等の規格外を除けば、彼女ぐらいだろう。
更にブギータスの肉体に不完全ながら降臨したラヴォヴィファードとの戦いを経験し、更にランクアップを重ねている。
今回ヴァンダルーと同行したが彼の母親だと勘違いされなかったため、境界山脈内部の国々の印象は良い。
戦闘能力は既にA級以上の冒険者と戦える実力を持っているが、リッケルトのような相手に危なげなく勝つためには上位スキルへの覚醒を必要とする。
仮に彼女が一対一でリッケルトと戦ったとすると、剣で正面から戦ったら武器の相性等の問題も含めて勝率は六割程。時間属性魔術を主体に戦略を組み建てた場合勝率は九割ほどにアップする。
・名前:エレオノーラ
・ランク:11
・種族:ヴァンパイアマーキス (深淵種吸血鬼侯爵)
・レベル:1
・ジョブ:吸血剣士
・ジョブレベル:58
・ジョブ履歴:奴隷、使用人、見習い魔術師、見習い戦士、魔術師、魔眼使い、隷属戦士、隷属戦姫、時属性魔術師、魔剣士
・年齢:12歳(吸血鬼化当時の年齢 20歳 合計32歳)
・パッシブスキル
闇視
自己強化:隷属:10Lv(UP!)
怪力:9Lv(UP!)
高速再生:6Lv(UP!)
状態異常耐性:8Lv(UP!)
直感:5Lv
精神汚染:3Lv
魔力自動回復:9Lv(UP!)
気配感知:5Lv
日光耐性:4Lv
色香:3Lv(UP!)
魔力増大:2Lv(UP!)
・アクティブスキル
採掘:1Lv
業血:3Lv(UP!)
時間属性魔術:8Lv(UP!)
生命属性魔術:6Lv(UP!)
無属性魔術:3Lv
魔術制御:5Lv(UP!)
剣術:9Lv(UP!)
格闘術:5Lv(UP!)
忍び足:4Lv
盗む:1Lv
家事:3Lv
盾術:5Lv(UP!)
鎧術:6Lv(UP!)
限界突破:7Lv(UP!)
詠唱破棄:3Lv(UP!)
魔闘術:3Lv
魔剣限界突破:3Lv(NEW!)
・ユニークスキル
魅了の魔眼:7Lv
・ヴィガロ グールアークタイラント 年齢百七十二歳 男性
境界山脈内部のグール国を侵略するブギータス配下の将軍ブディルード率いる軍を倒した事で、嫁が増えそうなリア充。その後行われたグール国の王を含めた男達との腕比べても順当に勝利したため、その人気はヴァンダルーに次ぐ。
ただ本人曰く、「今は手一杯だから遠慮する」との事である。ただ、「今は」なので数年から十数年後やっぱり増えるだろう。
どんどん異母兄弟が増えるよ! やったね、バスディア!
グール国の王からは兄貴と慕われ(ヴァンダルーは大兄貴)、グール国の守護神『闇の森の邪神』ゾゾガンテから加護を与えられる。
・ボークス ゾンビフォークロアヒーロー 男
相変わらずゾンビのモノマネが苦手な、ゾンビとして歴史上類稀な領域にまで力を高め、悪神を生きたまま解体しようとした男。
その結果沼沢地以南の国々でも英雄として認められ、縁談が殺到して大困惑。何故アンデッドに縁談を持ってくる。そういうのはヴィガロの担当では無かったのかと。
ヴァンダルーにどうにかしてくれと言ったら、「アンデッドでも子供が作れる方向でどうにかする」と言われる始末。
自分は孫もいるし、アンデッド化する前既にいい歳だったのにと考えているが、タロスヘイムの第一王女レビアやパーティーメンバーだった第二王女ザンディアの事を思い出し、自分の事は無くてもヴァンダルーがこの手の研究に着手するのは時間の問題だったのだと気がついた。
これも時代の流れかと思いつつ、研究成果が出るか分からないからと自分に来た縁談は断っている。
それをヴァンダルーは「もしかして急かされている?」と誤解している。
娘のゴーファは縁談が来た事を知って、「そんな物好きなお嬢さんがいるなら、いっそ新しく所帯を持った方がこの冒険親父は落ち着くのじゃないだろうか?」と考えている。
因みに七章最終話の時点で『サウロン解放戦線』のアジトがある旧スキュラ領を守っている。剣を振るう度に命が刈り取られ、その怒号は麓の仮設砦にまで届き、占領軍はその度に震え上がるとの噂だ。
・名前:ボークス
・ランク:12
・種族:ゾンビフォークロアヒーロー
・レベル:2
・二つ名:【剣王】
・パッシブスキル
闇視
剛力:1Lv(怪力から覚醒!)
物理耐性:8Lv(UP!)
剣装備時攻撃力強化:大
非金属鎧装備時防御力強化:大
直感:5Lv(UP!)
精神汚染:5Lv
・アクティブスキル
剣王術:4Lv(UP!)
格闘術:8Lv
弓術:7Lv
鎧術:9Lv
限界超越:2Lv(UP!)
解体:6Lv
指揮:2Lv
連携:7Lv(UP!)
教師:1Lv
魔剣限界超越:3Lv(UP!)
・クルト・レッグストン 人種 男 二十九歳
タロスヘイムに亡命したミルグ盾国のレッグストン伯爵家の三男。長男程武勇に優れておらず、次男程従軍事務官として優れていない、堅実な働きだけが特徴という地味な人物……の筈だったのに、何故か外交官として今回の戦争に派遣された。大体将軍なのに宰相に相当する仕事をしている兄のせいである。
ヴィダの新種族だけでは無く、魔物であるハイゴブリンやハイコボルトまで国家を運営している沼沢地以南の状況を生で見て、タロスヘイムで既に壊され尽くしたと思っていた既成概念が更に砕かれた。
伝説ではノーブルオークの帝国が「ある」と語られてはいたが、自分達人間の国家と比べても遜色が無い程整った国家運営を行っているとは誰も考えなかったためである。
ボークスと同じように縁談がクルトのところにも来たが、三男とはいえ貴族なので卒なく対応している。ただそろそろいい歳だし実家からも離れたので、身を固める方向でチェザーレと相談中。
サウロン領の占領軍からクオーコを含めた文官も出来る元貴族が何人も亡命してきたため、仕事の量が減るかと思いきや今は新任の部下達がクオーコ程では無いが灰汁が強い者ばかりだったので、纏めるのに苦労している。
もうすぐ有給休暇制度の実施が始まるので、それまでの辛抱と頑張っている。
昔はレジスタンスに煮え湯を飲まされる側だったが、クルトに煮え湯を飲ませていたのは任地の関係で主に今は亡きレイモンド率いる『新生サウロン公爵軍』だったので、イリス達に対して思うところは無いようだ。
・レギオン グレートレギオン 0歳 性別?
ランクアップして益々大きくなる肉球系謎生物。【転移】や手術で大活躍し、『聖肉婦』の二つ名を獲得した。
戦争では直接誰かと矛を交える事は無かったがその外見から畏れられ、逆に医療行為を行った場所では慕われている。
結果手に入れた『聖肉婦』の二つ名だが、お蔭で治療がやり易くなった気がするとイシスには好評である。
余暇を使ってダンジョンでのレベリングを行い、ランク7のハイレギオンにランクアップ。その後『光速剣』のリッケルトとの戦いを経てランク8のグレートレギオンにランクアップした。キャニオンでは無い。
ランクアップによって大きさ以外は変化しなかったが、その大きさも【サイズ変更】スキルで自由に出来る為、外から見ると変化は無い。
その際【侵食融合】スキルというユニークスキルを獲得したが、今のところ使い方は不明。話し合いの結果、名称からある程度予想は出来るが、それだけに迂闊に試したく無いと結論が出たようだ。
他にも弱点克服のため故意に炎や電撃を受けては回復を繰り返し、【炎雷耐性】スキルを獲得するなど努力の方向が常軌を逸しているが、当人達にとっては常識の範囲内である。
因みに、【投擲術】スキルを獲得しているのにプルートーがノーコンだったりするが、これは投擲物が空気の抵抗を激しく受ける上に形が一定では無い肉塊である事と、レギオンの肉塊から生えているという彼女の不安定な姿勢が原因である。スキルによる補正効果も、限度があるようだ。
冒険者に換算するとA級相当のリッケルトに勝利したが、それは彼との相性の問題とエレシュキガルのカウンターが決まったからだと自分達でも分析しており、実際あの時リッケルトがレギオンを無視して逃走に専念していたら彼が麓の砦や、その向こうの村や町に着くまでに止め切れたか危うかった。リッケルトは気がつかなかったが、レギオンは空中を浮遊は出来ても高速で移動する事が出来ないため。
地上に降りて高速回転する事は可能だが、それを回避しながら町や村に逃げ込まれたら撤退を選んでいただろう。レギオンの信条的に、兵士や騎士は兎も角一般人を巻き込むのは本意では無いため。
現在はそれを反省し、地力を高める事や能力に頼らない戦い方を身につけようとしている。【サイズ変更】で【分離】しないまま人間一人分のサイズと形状で行動できるように成ろうとしているのも、その一環。
・イリス・ベアハルト 魔人族 淫魔人サキュバス 十九歳 女
アミッド帝国に占領されているサウロン領で活動しているレジスタンス組織、『サウロン解放戦線』のリーダーだった。何時自分が敵に討ち取られても良いように覆面で顔を隠していた為『解放の姫騎士』と呼ばれていたが、サキュバス化した事で正式に裏のリーダーとなった。
実はベアハルト騎士爵家の一人娘である彼女がサキュバス化した事で、魔人族を魔物の一種と見なしているオルバウム選王国でのベアハルト騎士爵家の復興の芽は無くなってしまったのだが、本人も含めて誰もその事に気がついていない。
貴族の端くれではあるが、所詮端くれ。元からあまりお家復興には熱心では無かったイリスだが、ヴァンダルーから亡き父ジョージの霊が宿る剣を渡されて以後、完全に忘却の彼方に行ってしまったらしい。
デビスやハッジ、他のレジスタンスの中心メンバーも選王国よりタロスヘイムの方で取りたてられた方が彼女にとっては幸せだろうと考えていたので、誰もお家の消滅について思い出そうとしない。
実際、カースウェポン化したジョージは選王国での扱いは人では無く魔物であり、汚らわしいアンデッドである事に違いは無いので、もしあのままイリスがオルバウム選王国に戻っていたら数知れないトラブルが起こるところだった。
致命傷を負った折に「もう二度とこんな醜態はさらすまい」と思い、強い種族への変化をヴァンダルーに願ったところ、サキュバスになってしまった。本人は闘魔人ディアブロになると思っていたのだが。
肌や瞳の色が変わったり、角や翼、尻尾が生えたりしたが、基本的な容姿は人種だった時と変わっていない。しかし魔人化に必要な生贄の生命力の部分をレギオンの肉で購ったせいか、スタイルのメリハリが若干増した。更にパッシブスキルである【色香】を獲得した影響で、無意識に発散される色気が増している。
そして渡されたのは魔人国の最新トレンド……父上は心配しているぞ。
もう一人の『親』になったゴドウィンの方は特に心配していないけど。
人種だった頃の戦闘能力は実はカシムやフェスターよりも劣っていた。ジョージを振るっていてやっと互角ぐらいである。これは日々ダンジョンに潜り経験を重ねていくカシム達冒険者と、レジスタンス組織を率いて先頭に立つ者の、戦闘を経験する頻度の違いによる物。
サキュバス化してからは潜在能力が大幅に伸びたが、まだ変化したばかりなので上手く活用できないでいる。
ただ魔術的な才能も伸びたため、それらを生かし冥魔剣ネメシスジョージを振るえばS級冒険者に匹敵する実力者になる事も夢ではないだろう。
・アイラ ヴァンパイアカウントゾンビ 外見年齢三十代半ば 女
現在ヴァンパイアゾンビで構成された騎士団、闇夜騎士団の団長を務める、元原種吸血鬼テーネシアの側近『五犬衆』の一人。悪の女幹部然とした見た目に反して真面目な働きで、ヴァンダルーを含めた周囲の者から評価されている。
沼沢地南側での警備任務後はヴァンダルーに装備されてサウロン領へ。そして今ではタロスヘイムの王城地下で技術を生かしてヴァンダルーやルチリアーノの研究助手も務めている。
今までタロスヘイムでは活かす機会が無かった特技の【拷問】だが、最近は使う機会が増えて嬉しい。
『王殺し』のスレイガーを倒した事でランクアップし、生前と同じランクになり種族名からブロークンが取れた。スキルも成長しているので、総合的な力は既に生前を超えていると思われる。
・名前:アイラ
・ランク:10
・年齢:約三万歳
・二つ名:【蝕王の猟犬】
・種族:ヴァンパイアカウントゾンビ
・レベル:12
・パッシブスキル
闇視
状態異常耐性:10Lv
怪力:10Lv(UP!)
高速再生:6Lv(UP!)
精神汚染:7Lv
殺戮回復:8Lv(UP!)
直感:6Lv(UP!)
能力値強化:忠誠:ヴァンダルー:7Lv(UP!)
気配感知:1Lv(NEW!)
・アクティブスキル
業血:2Lv(UP!)
水属性魔術:5Lv
火属性魔術:5Lv
無属性魔術:1Lv
魔術制御:5Lv
剣術:10Lv
鎧術:9Lv
限界突破:9Lv(UP!)
高速飛行:5Lv
追跡:9Lv(UP!)
拷問:5Lv
指揮:4Lv(UP!)
家事:2Lv
連携:2Lv(NEW!)
・ユニークスキル
変幻:7Lv
・カシム 人種 十八歳 男性
ハートナー公爵領の開拓村から移住した元冒険者。ハートナー公爵家が開拓村で起きた事件を隠蔽したため、冒険者ギルドでは死亡したものとして扱われている。
しかしタロスヘイムに移住してからメキメキと実力をつけ、戦争に参加する前の段階で平均的なC級冒険者を超える実力を身につけた。
そして急にヴァンダルーに呼ばれて戦争に参加。その理由をカシムは知らない……。
ハイコボルトビーストキングのガルギャに止めを刺した事で、ぶつかっていた成長の壁を一気に超える事が出来た。もうじき次のジョブチェンジを行えるだろう。
ケンタウロス国やグール国の男衆に認められ交友関係は広がったが……肝心の春がまだ来ない。パーティーメンバーの親友二人には来たのに。
彼の春は何時来るのか……。しかし、最近彼が頻繁にある女性の元に通っているという未確認情報があるため、意外とすぐに春が訪れるかもしれない。
・名前:カシム
・種族:人種
・年齢:18
・二つ名:無し
・ジョブ:超重戦士
・レベル:98
・ジョブ履歴:見習い戦士、戦士、重戦士、守護戦士
・パッシブスキル
体力増強:6Lv
生命力増強:6Lv
暗視
痛覚耐性:3Lv
病毒耐性:3Lv(UP!)
金属鎧装備時防御力増強:中
盾装備時防御力強化:中(UP!)
気配感知:2Lv(UP!)
・アクティブスキル
農業:1Lv
棍術:6Lv(UP!)
盾術:6Lv
鎧術:6Lv
限界突破:5Lv(UP!)
魔盾限界突破:2Lv(UP!)
格闘術:2Lv(UP!)
・ゼノ 人種 十八歳 男性
カシムとフェスターと同じく、元開拓民の冒険者。何故突然ヴァンダルーに呼ばれたのかは、何となくだが察している。普通ならそんな事の為に「今から戦争に参加しません?」なんて誘いに来る訳がないが、ヴァンダルーが普通の筈が無い。
ただカシムと同様自分もその狙いに応えられなかったと思っている。戦場で助けたエンプーサバーサーカーのガオルが何かと声をかけて来るが、純粋に冒険者として誘われているだけだと思い込んでいるようだ。
原因はゼノが恋愛に疎い事と、ガオルの誘い文句が「狩りに行こう」、「一緒にダンジョンに行かないか?」等恋愛要素を感じさせるものが無いから。
そのせいでカシムとフェスターも「もしかしてデートに誘われているんじゃないか?」と指摘できないでいる。
ゼノが自分の元に訪れた春に気がつくのは何時の事になるのか。
・名前:ゼノ
・種族:人種
・年齢:18
・二つ名:無し
・ジョブ:暗闘士
・レベル:1
・ジョブ履歴:見習い盗賊、盗賊、暗殺者、探索者、短剣使い
・パッシブスキル
気配感知:6Lv(UP!)
直感:4Lv
暗視
病毒耐性:4LV
短剣装備時攻撃力強化:中
・アクティブスキル
短剣術:6Lv
弓術:3Lv
罠:5Lv(UP!)
忍び足:5Lv
解体:2Lv
開錠:3Lv(UP!)
投擲術:2Lv(UP!)
鎧術:3Lv
暗殺術:4Lv(UP!)
限界突破:1Lv(NEW!)
・フェスター 人種 十八歳 男性
探していなかった二度目の春が来てしまった元開拓民の冒険者。現在リナと相談中。
まさか一介の冒険者(探索者)、しかも貧しい開拓村出身の自分にそんな話が巡って来るとは思わず狼狽えてしまった。
一方リナも冒険者ギルド出張所の職員だったが、その手の事に詳しい訳では無い。ただ「上級冒険者なら複数の奥さんを持つのも珍しくないけど、あんたまだ中堅程度よね!?」と、持ち帰って検討しますと相手方に隙を見せたフェスターを叱っている。
とりあえず二人してその御嬢さんに会って話してみようという話になった。
因みに、フェスターも冒険者ギルドでは平均的なC級冒険者を超える実力をつけているので、上級冒険者(B級)に相当の実力を付けるのもそう遠くないはずなのだが、平均して高い実力を持つタロスヘイムの探索者ギルドではまだ「中堅」程度である。
・名前:フェスター
・種族:人種
・年齢:18
・二つ名:無し
・ジョブ:魔剣士
・レベル:99
・ジョブ履歴:見習い戦士、戦士、剣士、魔剣使い
・パッシブスキル
筋力強化:5Lv(UP!)
暗視
剣装備時攻撃力強化:中
金属鎧装備時防御力強化:小(NEW!)
・アクティブスキル
漁業:1Lv
剣術:6Lv
解体:2Lv(UP!)
鎧術:5Lv(UP!)
限界突破:5Lv
魔剣限界突破:3Lv
無属性魔術:2Lv(UP!)
魔術制御:2Lv(UP!)
土属性魔術:1Lv(NEW!)
・マイルズ・ルージュ ヴァンパイアカウント(深淵種吸血鬼伯爵) 数百歳 男性
『サウロン解放戦線』の助人として派遣された、元原種吸血鬼グーバモン配下の貴種吸血鬼。
元々柔軟な思考と時にプライドを投げ打つ思い切りの良さを持っていたが、当時は人間を下等生物、自分達の餌と見下していた。
それは邪神派の吸血鬼社会で生きるのに必要な価値観だったが、タロスヘイムに来てからその価値観は崩れっぱなしである。特に『サウロン解放戦線』に派遣されてからは、過去を思い出す度に「昔の自分が何を考えていたのか分からない」とため息を吐く日々。
立場と属するコミュニティによって価値観は大きな影響を受けるのだと自分の身で知った人。故に、『邪砕十五剣』の行動にも理解を示している。ただ理解したからと言って仲良く出来る訳では無いのだが。
ブラッドポーションを飲みながら日光浴をしたお蔭で深淵種吸血鬼に変化し、その実力はグーバモンと同じ原種吸血鬼のテーネシアの腹心、『五犬衆』と互角以上に戦える力を身につけた。しかしエルヴィーンには敵わなかった。
・名前:マイルズ・ルージュ
・年齢:数百歳
・二つ名:無し
・ランク:10
・種族:ヴァンパイアカウント(深淵種吸血鬼伯爵)
・レベル:58
・ジョブ:暗殺者
・ジョブレベル:85
・ジョブ履歴:見習い盗賊、盗賊、魔術師、火属性魔術師、格闘士、魔闘士、爪牙戦士
・パッシブスキル
闇視
怪力:10Lv(UP!)
高速再生:9Lv(UP!)
状態異常耐性:5Lv
精神汚染:1Lv
身体強化:爪牙:9Lv(UP!)
無手時攻撃力強化:中
気配感知:2Lv(NEW!)
魔力増大:1Lv(NEW!)
・アクティブスキル
業血:2Lv(吸血から覚醒!)
高速飛行:8Lv
限界超越:2Lv(UP!)
罠:4Lv
忍び足:6Lv(UP!)
短剣術:3Lv
格闘術:9Lv(UP!)
無属性魔術:1Lv
火属性魔術:6Lv
魔術制御:2Lv
魔闘術:3Lv
詠唱破棄:1Lv(NEW!)
暗殺術:3Lv(NEW!)
・ユニークスキル
警鐘
・クオーコ・ラグジュ 人種 三十二歳 男
元アミッド帝国の男爵。三代前の初代は冒険者だったが手柄を上げて、没落していたラグジュ男爵家の入り婿になる形で貴族に成った。
そして三代目の、物心付いた頃から貴族としての生活を過ごし、元冒険者の祖父の経験談も聞かされて育った微妙な世代がクオーコである。
貴族としての常識や礼儀作法と同時に、何時再び没落するか分からないので冒険者や傭兵としても生きていけるようにと教育されたため、物腰や言動の端々に貴族っぽさが垣間見えるのに、実際は異なるという変人が出来上がってしまった。
祖父の代からグルメ、美食狂いであり、祖父が男爵とはいえ貴族に成れるほどの手柄を上げるほどの実力をつけるに至ったのも、「腹いっぱい美味い物を食べたい」という飽くなき欲求の為。貴族になったのも、平民のままでは口に出来ない宮廷料理を食べる為。
そんな祖父を持つクオーコも生粋の美食狂いである。
しかし二代目の父が美食の為に散財を繰り返したため、ラグジュ男爵家の家計は火の車。そのため、祖父の代から付き合いのある冒険者や傭兵で構成された私兵団を率いて、魔物の討伐などで食材とその日の糧を手にしていた。
軍務系貴族でも騎士団の一員でもない無役の男爵なのに職分を侵すので、それぞれの貴族からは睨まれていた。
その上、何時没落するか分からないと思い続けているため愛国心にも欠けている事を上の人間に見抜かれ、莫大な借金もあるためサウロン領に飛ばされてしまった。
家族構成は妻と幼い娘、歩けるようになった息子の四人家族。他に愛妾や隠し子の類はいない。純愛を貫いている訳では無く、他に女を囲う程の欲も金も、そして周囲からの圧力も無い為。
「借金を背負った成り上がりの、しかも次の代には没落しているだろう男爵家に娘をやろうなんて、使用人ですら考えんよ」との事である。
一応アミッド帝国の貴族だったためアルダを支持する神々の信者。一柱では無く、幅広く拝んでいた……特定の神を選ぶほど信心深く無かっただけだが。
それらをレジスタンスの協力者に見抜かれ、「こいつなら内通者に出来るのでは?」と目を付けられてイリスが持ち込んだシロップであっさり陥落した。
現在はタロスヘイムに亡命後、文官としてクルトの元で働いている。ただ美食に関する事になると直ぐに夢中になってしまうのは相変わらずで、暇があると家族と一緒にシロップの原料を提供しているアイゼンの後ろに付いて歩いている。
実はD級冒険者並の戦闘能力と、それを上回る指揮能力があり、現場指揮官としても有用な人物。
・デイビット・マルメ 人種 五十歳 男性
アミッド帝国の皇族で、広大な領地を持つマルメ公爵家当主。性格は、「貴族と平民は違う生き物である」を地で行く人物。因みに、彼にとってヴィダの新種族は人では無い。税を納められる者は家畜、出来ない者は害虫である。
先代皇帝の弟の息子で、跡取りのいなかったマルメ公爵家の養子となって公爵位を継いだ。
だから今まで贅沢な暮らしが出来たのだが、それが原因で継承権の順位が下がった為マシュクザールに皇帝の座を奪われたと考えて逆恨みを抱き、彼の抵抗勢力の旗印となっている。
『迅雷』のシュナイダーに境界山脈を越えた向こうの調査依頼という名目でヴァンダルーを討伐させようとしたが、それも自分が手柄を立ててマシュクザールを失脚させようという目的があった。
熱心なアルダ信者で、アルダ神殿と太いパイプで癒着……繋がっている。女司祭や女神官を強制的に還俗させて報酬の一部として宛がうぐらいの事は簡単。
実はシュナイダーにとって彼は「いつかぶっ殺したい貴族リスト」の筆頭だったが、公爵の領地に既にヴィダの新種族の集落が無く、動ける者はデイビットが当主になる前に殆ど他の貴族の領地に移っていた事、当人の能力とは反比例に位が高く手を出すと大事になる等の理由で、優先順位自体は低かった。
軍の司令部に居たところをヴァンダルーに捕まり、アイラに首から上の皮膚をナイフで剥され、本人は拉致されてしまった。
現在は彼が領地から連れて来た武官や文官達の内色々と『酷い者』と一緒に、魔王の欠片から精製されたパーツの移植実験等に活用されている。
・ブギータス ノーブルオークプランダーキング 十二歳 男性
兄との差に強いコンプレックスを抱き、そこを『解放の悪神』ラヴォヴィファードに突かれ、堕ちた人物。
兄を超えるという欲求を解放され、加護と【疑似導き:獣道】スキルを獲得し、兄を超える力を得た。
しかし超えた後の具体的な展望が何も無く、ラヴォヴィファードの囁くままに境界山脈内部を全て征服するという無謀な目的を自分の野望だと信じて邁進した。
肉体を乗っ取られるその瞬間まで、ラヴォヴィファードにとって自分が操り人形にすぎないという事に気がつかなかった。
主だった部下には帝国の将軍であるブディルード、ブーフーディン、ブモーガン、ブキャップ、ブゴバー、そして大将軍ブザゼオスがいる。
そして帝国に留学に来ていた、自分と似たような思いをそれぞれの国の王に抱いていたハイコボルトのガルギャ、魔人国のゲラゾーグ、ハイゴブリン国のギィドーを仲間に引き込んでいる。
現在ヴァンダルーが口にした中で最も美味い肉として、記憶に残る敵。
・ラヴォヴィファード 悪神
『解放の悪神』。魔王軍時代はフィディルグよりも下の底辺的な存在であったが、魔王亡き後力を付けて成り上がった悪の成功者。
性格は悪神らしく利己的で、信者を駒や家畜としか考えていない。
元々は魔大陸に君臨していたが、ザンタークとファーマウンに破れてバーンガイア大陸の境界山脈内部に逃げ込み、ブギータスを利用して再び力を付けてザンターク達に復讐を遂げようとしていた。
ブギータスの肉体を憑代に不完全ながら降臨を果たしたが、魔王の欠片で作られた武具を振り回すブダリオンやボークス等の数の暴力に翻弄された挙句、「よくもやってくれたな」と激怒したヴァンダルーに半身を砕かれ、そこを大陸南部の神々によって封印されてしまった。
しかもその後、ヴァンダルーにお茶菓子感覚で魂を喰われてしまい、完全消滅した。
煮ても焼いても美味しかっただろうけど、生で食べるのが一番美味しい悪神。
・ゴドウィン 魔人族闘魔人ディアブロ 数千歳 男性
魔人族の当代の王。三メートルの筋肉で鎧われた巨体に、青い肌、金色の瞳、二本の太い角に翼、尻尾を生やした人物。
何よりも酒と戦いを愛する男で、嫌いなのは仕事、特にデスクワーク。もうすぐ国王の任期が終わるので、その時をウキウキしながら待っている。
ゲラゾーグの曾祖母に若い頃世話になっており、その縁で彼の面倒を何かと見て来たが、クーデターを画策されて堪忍袋の緒が切れた。
怒り狂って単身国を飛び出し、そのまま他の国の軍と合流。その際は「ケジメを付ける為」とか「これは国王としてでは無く、一人の男としての問題だ」とか言って誤魔化そうとしたが、各国首脳人に彼の気性は知れ渡っていたので誰も信じなかった。
当然国に帰った後部下に叱られた。
こんな彼が何故当代の魔人王なのかというと、前回魔人王を選ぶためのトーナメント大会の副賞に供された酒が彼の好きな銘柄だったからである。
ヴァンダルーが皇帝をやってくれるらしいし、娘も出来たし、任期が終わったら隠居しようと画策中。
因みに国の守護神である『戦旗の神』ゼルクスとは神と信者と言うよりも、頑固親父と我儘坊主の関係。
・ムブブジェンゲ ノーブルオーク王国守護神
『堕肥の悪神』。今章の囚われの女神様。ただし見た目は直視すると狂う系。
性格は基本的に怠け者で、ゴロゴロと寝て過ごす為ならどんな努力も厭わない。
ザッカートの誘いに乗って魔王軍を裏切ったのも、そのままヴィダに付いてアルダ勢と戦ったのも、僕であるノーブルオークを守護するのも、その情熱の結果である。
オークに自らの肉片から作った肉婦を妻として与えるのも、ノーブルオーク帝国の体勢を安定させ、自らへの信仰心を維持するためである。
ラヴォヴィファードと違い利己的では無く、上位者である自分が下位の者に施す事が自分の望みを叶える事に繋がると思っての行動。
それなりにノーブルオークとその国の者達に愛着はある。ただ自分を崇めていない他の土地や、ダンジョンで生成されるノーブルオークやオークは対象外である。
・リシャーレ ハイコボルト国守護神 ヴィダの従属神
『猟の神』で、ヴィダの従属神。
神代の時代ラムダには十一の大神がおり、八つの属性神が存在した。そのため、太陽や月等、どの神が司るか幾度と無く話し合いの場が持たれた。
太陽の場合は熱を発するから火属性の神ザンターク、日時計があるから時属性の神リクレント、生命に恵みをもたらすから生命属性のヴィダ、そして巨人神ゼーノが手を上げ、結局結論が出なかったので「じゃあそれぞれの従属神にそれぞれの役目を割り振ろう」という事になった。巨人種の親、『太陽の巨人』タロスはその一柱である。
同じように猟をどの神の領分とするか神々が話し合った事があった。しかしこの時は太陽とは違い、どの神もやりたがらなかった。
何故なら『獣神』ガンパプリオの配下である獣王達と、人間達の間に挟まれて苦労するだろう役目だからである。
人間の糧になるために産みだされたとはいえ、狩り過ぎは問題である。それを当時のまだ生まれて間もない人間達に教えて律し、獣王達を宥めなければならないため、苦労する事になるだろうと誰もが予想した。
それに立候補したのがリシャーレであった。ヴィダの御使いの中でも理想に燃えていたリシャーレはこうして『猟の神』になり……苦労に苦労を重ねて現実を知ったのだった。
そんなリシャーレが何故ハイコボルトの守護神をしているのかというと、十万年前の戦いの折ハイコボルトを創り出したヴィダ派の邪神が封印されてしまったからだ。
このままではハイコボルトは守護神が無い為独自の国が持てず、他の国に散り散りに成るしかない。じゃあ、私がと手を上げたのだ。
現実を知っても、貧乏クジ体質であるらしい。
因みに、ヴィダに創られた御使い出身の神であるため性別は元々定義されていない。その時や信仰する者達によって女神だったり男神だったりする。
・ゾゾガンテ グール国守護神
『闇の森の邪神』。魔王軍での序列はフィディルグと同じ下層。
外見は黒い樹木が果実を実らせるように眼球を枝に付けているというもの。見た目は悍ましいが、外見通り植物に近い性質を持ち、魔王軍に所属していた時から比較的穏健だった。
始祖を倒されたグール達の守護神となり、生活する場所として自ら生成したD級ダンジョン『ゾゾガンテ大森林』を与える。
ダンジョンの全ての階層が森であるため大規模な農業は不可能だが、穀物の代わりになる実をつけるガンテの木がそこかしこに生えている。
このガンテの木は実はゾゾガンテの使い魔的な存在の幼体であり、ある程度魔力を蓄えるとランク4の植物型の魔物、ガンテエントに変化する。
現在タロスヘイムに植樹中。ガンテエントは幼体と違い、眼球そっくりの果実をつける。果肉の味はライチに似ており、中心の硬い種は幼体が実らせるガンテの実と同じ性質を持つ。
・マシュクザール・フォン・ベルウッド・アミッド ハーフエルフ ?歳 男性
今章で最も下手を打ってしまった人。
だが、言い訳をすれば今まで蓄積された知識や常識から推定すれば、『邪砕十五剣』の四人を派遣したのは間違った選択では無かった。
ヴァンダルーがアンデッドを使役し病毒で広範囲の土地を汚染出来る事は明らかだが、これまでの魔術的な知識によればそうした事を行うには桁外れのコスト、魔力や生贄が必要であった。
【魔王の欠片】を所持している可能性も考えたが、正気を保ちながら使えるのは一つ、多くても二つであるためアーティファクトを持たせた『邪砕十五剣』なら問題無く倒せるはずだった。
しかし実際にはヴァンダルーが今まで蓄積された知識や常識とは別次元の存在だったため、全て裏目に出てしまった。
特にリッケルトの喪失はマシュクザールにとって痛手だった。彼が『邪砕十五剣』で広告塔的な役割を割り振られていたのは、皇族としての義務を果たしつつも身の安全を確保するためで、『五頭蛇』のエルヴィーンが付いていたのもそのためであった。
自分が派遣した国家的な英雄が遂げた非業の最期、サウロン領の放棄等で政治的に痛手を受けたが、反対勢力の神輿であったマルメ公爵が拉致されたため、今のところ彼の帝位は安定している。
ただ四名を失った『邪砕十五剣』と、少なくない構成員を失った『柄』のダメージは大きい。
・ファーマウン・ゴルド 炎の英雄神
ザンタークが邪神や悪神と融合して離れた後、アルダ勢力の火属性の神として火属性を管理していた英雄神。
神に至るまでの間に冒険者ギルドを創設する等、人類の復興に尽力した。
『アース』に居た頃の名前は遠山錦司。冒険家志望の大学生で、体育会系の頼れる兄貴的な人物だった。
その後ラムダに召喚されてからはザッカートの大人の都合が含まれた現実論よりも、ベルウッドの若者の理想が前面に出た(そして中身の無い)、分かりやすい主張に傾倒していった。
特に身体を動かす事や、冒険、戦いに憧れていたファーマウンにとって、ベルウッドの主張は耳触りが良く、結局は戦っていればいいので都合がよかった。
しかしベルウッドが『罪鎖の悪神』と相打ちになって眠りについてからは自分の頭で考えなければならなくなり、そこで初めて自分達のこれまでの行いに疑問を覚えた。
現在は火属性の管理は続行しつつ、魔大陸のザンタークの元に身を寄せている。
●バストランキング
顧問 レビア王女
測定不能 ヤマタ、レギオン(上半身ごとにサイズが異なる)
調整の結果によって変わる可能性があるため保留 ジーナ、ザンディア
・ランキング上位から
ベルモンド アイゼン
タレア バスディア ダルシア(霊) クーネリア(NEW!) アイラ(NEW!)
サリア リタ エレオノーラ ラピエサージュ ギザニア(NEW!) ガオル(NEW!) イリス(NEW!)
ペリベール ミューゼ(NEW!)
オルビア カチア ビルデ
プリベル ザディリス
アイラ、ギザニア、ミューゼ、そして何故かクーネリア姫とガオルまでランキングに参加! ただ戦争でヴァンダルーが忙しかったため、カップ制の導入が遅れている模様。
導入が急がれる。
●タロスヘイム発展度
・人口 約一万五千二百
グール、アンデッド、ブラックゴブリン、アヌビス、オーカス、巨人種、人種、獣人種、ドワーフ、スキュラ、ハーフエルフ、リザードマン、アーマーン、吸血鬼
ゴーレムやカースウェポンは含まれていない。
●タロスヘイム施設
水銀鏡ゴーレム
探索者ギルド(交換所と配給所、ジョブチェンジ部屋)
ヴィダ神殿(従属神、ズルワーンとリクレントの神像有り)
公衆浴場
各種屋台
公営カジノ
イモータルエントの森(ガンテエント植樹済み)
各種ゴーレム工場
モンスタープラント畑
木人訓練場(アルダ側の英雄アンデッド在住)
劇場(整備進行中)
見る者の心に残る芸術的なペイント(空から見なければ全貌は見えない)
B級ダンジョン×1 C級ダンジョン×2 D級ダンジョン×3
●沼沢地リザードマン地区
カプリコーン農場
カプリコーン乳加工場
探索者ギルド支部
『五悪龍神』フィディルグとヴィダの祠
精神侵食ストーンサークル
D級ダンジョン×1 B級ダンジョン×1
●沼沢地スキュラ地区
田んぼ
泥湯温泉
スキュラの英雄神メレベベイルとヴィダの祠
探索者ギルド支部
ヒュージカピバラ牧場
魔鴨の養殖場
精神侵食ストーンサークル
転移用極小ダンジョン(NEW!)
●サウロン解放戦線アジト(元スキュラ族自治区)
精神侵食ストーンサークル(復旧済)
闇夜騎士団仮詰所(山岳迷彩済クノッヘン)
自動アンデッド化魔術陣(マルメ公爵軍リサイクル専用)(NEW!)
D級ダンジョン(NEW!)
転移用極小ダンジョン(NEW!)
●冥魔道の影響下にある境界山脈内部の国々(ヴァンダルーが直接訪問した国)
ノーブルオーク王国
ザナルパドナ
グール国
ハイコボルト国
ハイゴブリン国
魔人国
拙作「四度目は嫌な死属性魔術師」の発売日が12月15日に決定しました!
ネット小説大賞のホームページでキャラクターラフ等も公開されていますので、よければご覧ください。
もし書店で見かけましたら手にとって頂けると幸いです。
11月21日に閑章 種族紹介、25日にルチリアーノレポート2 29日に八章開始 154話を投稿する予定です。




