第四十三話 オウロⅤ
ガラグゴの動きは、オウロへと十歩圏内へ距離を詰めた時に早くなった。
宙へと高く跳躍する。ガラグゴは右足の側面を、オウロ目がけて叩きつけようとする。
当然ながらオウロはガラグゴが飛び上がった時には回避をしている。
オウロは着地したガラグゴへ向けて毒で濡らした苦無を投げる。ガラグゴは右手を振るって苦無を弾いた。オウロの溶解毒は固いガラグゴの鱗の上からでは通用しない。ガラグゴの美しい白い鱗は変わらず健在だった。
並みの攻撃では、ガラグゴに傷一つ与えられない事にオウロは焦りながらも、冷静さを失う事はなかった。
ガラグゴの足が幾つもの半月を描く。それは鋭い攻撃となってオウロを襲う。オウロはその一つ一つを避けて、受け流して、剣で受ける。どれもが人であるオウロにとっては必殺の一撃であり、対処一つ間違えれば死ぬだろう。
だが、先ほどの通路で戦っている事にくらべれば、広い空間で受ける方が随分と楽だった。
壁や天井を使った多角的な蹴りがなく、広い場所だとガラグゴの蹴りは振りが大きいため攻撃と攻撃の間に猶予が若干だけ生まれるためだ。
息が切れる様子もないガラグゴは流麗な動きで、蹴りの連続攻撃をする。右足が叩きつけられたかと思えば左足が跳ね上がり、左足が振るわれたかと思えば右足が突き出る。
それらをオウロは息を切らしながらも対処した。
足技を多用するモンスターなどオウロは一体も記憶していないが、二本の足を使って攻撃するのは“人ととてもよく似ている”ため、初見でも抵抗は出来る。
だが、モンスターは人ではない。
息もせずに攻撃が可能だ。
オウロは息継ぎをする暇もない猛攻を、今もしのぎ切っている。
落としてくるかかとを横に飛んで躱し、ガラグゴが後ろを向いたと思えば伸びてくる左足を剣で受けるのだ。
オウロは自分の足を使って後ろに飛び、ガラグゴと距離を取った。
どうすればいい、どうすれば勝てる、そんなことを考えながら持っていた丸薬である猛虎丸をかみ砕いた。一時的に虎の如き怪力を得る薬だ。それを飲むと、沸々と湧き上がるマグマのように力が体の底から溢れ出すような気がする。
これでガラグゴにも多少は抵抗できると思ったオウロだったが、それは話が甘かった。
オウロは薬を飲んだことで、果敢にも自分から攻めた。単純に蹴ってくる右足を大太刀で弾こうと全力で振るったが、互角というのもおこがましく、ガラグゴの足はオウロの剣などお構いなしに振りぬいた。些細な抵抗にすらなっていない。
オウロは初めてまともにガラグゴの攻撃を食らった。身を咄嗟に固めるが、体がくの字に折れ曲がる。オウロは体を飛ばされて床に転がった。全身に酷い痛みを抱えながら髪などが水によってびしゃびしゃに濡れた。
それでもオウロは剣を手放しておらず、折れてもいなかった。だが、刀身に罅が入っているのは、気のせいではないだろう。
「かっ!!」
オウロは丹田に力を込めながら立ち上がったので乱れた呼吸はすぐに戻るが、足がふらふらになっている
だが、そんなオウロへガラグゴは攻撃の手を休める事はない。
ガラグゴは長い足を存分にオウロへと振るった。右足、左足、右足。それぞれの一撃を先ほどと同じようにオウロは捌こうとするが、先ほどとは違って足に力が入っていない。直撃は剣で防ぐことはできても衝撃までは殺しきれない。
オウロの体は着実に殴打を受けていく。
命が削れていく。
それでもオウロの心が折れなかったのは、剣に毒を纏わせていたからだ。いつかこの毒がガラグゴに効くと思っているが、純白の体は未だに毒に侵される様子はない。
せめて刀傷を与える事ができれば毒が体内に回って勝てる光明が生まれるかも知れないが、足部は特に固い鱗に包まれている。オウロの剣で傷つけられるとは思えなかった。
とすれば、皮膚の薄い場所を狙えばいい。
オウロもガラグゴの弱点を知っている。目の前の特異体が通常のガラグゴと同じ弱点を持っているかどうかは分からないが、オウロはそれに賭けるしかなかった。
首の後ろは剣が届かない。
ならば太ももの裏側だろうか。
オウロは剣越しに狙いを定めた。
ガラグゴの攻撃は先ほどと変わらない。
空中に飛んでオウロへとかかと落とし。オウロは飛んで避ける。只の右足による中段蹴り。体を回して後ろ蹴り、体を独楽のように使いまわし蹴り。オウロに長い足を活かして至近距離まで近づいたかと思うと膝蹴り。それからまた前蹴り。回し蹴り。蹴り上げ。かかと落とし。それから足の裏が見えるほどの前蹴り。
ここがオウロにとっての攻め際だと思った。
オウロはガラグゴの足を大木のような足を潜るように躱す。狙いは一つ。伸ばしきった右足の付け根。オウロの太刀は長い。一歩踏み込むだけで切っ先が届く。オウロの剣はガラグゴの皮膚を撫でるように斬り裂いた。オウロの視線の先で赤い筋が見える。そんなオウロへ伸ばした右足が振り落とされるが、既にその時には体を横に逃げている。何もない地面をガラグゴは踏み抜いた。オウロは急いでその場から離れようとするが、右足を軸にガラグゴは重心を入れ替えて左足を伸ばす。それはオウロの体が逃れるより早い。つま先がオウロの腹部を貫こうとしたが、野太刀を盾として使っていた。
だが、腰の入ったガラグゴの蹴りは、剣ごとオウロの体をくの字にした。野太刀が真っ二つになり、鋼の破片と共にオウロを遠くへと飛ばした。
オウロは床に転がると冒険者の本能ですぐに立ち上がろうとするが、体に押し寄せる激痛と共に膝をついて血を吐く。透明な水を赤く染め上げる。
オウロは折れた野太刀から手を離すと、両手を膝について立ち上がる。唇の端が血で汚れていても拭う事すらせずに見つめるのは敵の姿。痛手を与えたと思われる敵の姿だった。
だが、オウロの目に映ったのは、大して変わらないガラグゴだった。
確かにガラグゴは太ももから赤い血を流しているが、その肌はどこも紫色に染まっていない。オウロの毒はガラグゴの体内に入っても効かなかったのである。もしかしたらオウロの毒は血によって洗い流されたのかも知れないが、モンスターの中には稀にアビリティもギフトも効かない変異種がいると言う。
目の前のガラグゴもそういった種類なのだろうか、とぼんやりと頭に浮かぶが、真相は分からなかった。
いや、分かったところで一緒なのだ。
原因はどうであれ、オウロのアビリティは通用しなかった。
オウロにはそれらを嘆く暇などなかった。
ガラグゴは真っすぐオウロへと駆けていく。
オウロは命を繋ぐため、そんな状態でも立ち上がる。
だが、判断が遅い。体も動かない。オウロはガラグゴの蹴りをまともに受けてしまった。なんとか鞘に包まれた小太刀で受ける。だが、小太刀は簡単に折れてしまい、オウロは遠くにある壁に体ごとぶつかる。
壁に背を向けたまま倒れているオウロの視界はぼやけていた。それから視界に赤が混ざる。きっと血が流れているからだろう。
オウロは近づいてくるガラグゴを見ても立ち上がろうとしなかった。
負けた。
負けたのだ。
白いガラグゴには全てが通用しなかった。
まさか自信のあるアビリティが通用しないとは思わなかった。
オウロにとって、自身のアビリティ――『蛮族の毒(バルバロ・ベネノ』はこれまでの一番の原動力だった。
オウロの毒には確かに弱点がある。範囲が狭く、即効性もない。毒が効くまでには時間がかかるので、モンスターを速攻で狩るという現代の冒険スタイルにはあまり合わないのであまり評価はされなかった。
だが、学生の頃トップを争うほどの大きなパーティーに拾われたオウロのアビリティは、当時のリーダーであるコロアからは高く評価された。
オウロのアビリティは、雑魚相手にはあまり意味がないが、どんな大物にも必ず通用したのだ。少しの傷さえ与えれば、時には相手の動きを低下させたり、視覚や聴覚などを封じたり、時間経過によって命を奪う事さえあった。
大物食い、と言われる事もあったアビリティだ。
このアビリティで殺したはぐれの数も大勢いる。
そんなアビリティが通用しない。
今もガラグゴは変わらずこちらに向けて歩みを続けている。
オウロにとっては翼をもがれた結果に等しい。
「……ここまで――か……」
オウロは苦々しい言葉を出した。
これまでの人生がオウロの頭に一瞬のうちに蘇った。
幼少期に受けた厳しい訓練。ラルヴァ学園時代の輝かしい冒険の記録。卒業してからの冒険の記憶。
全てが過去の黒騎士と同じように深海に沈もうとしていたのだ。
そして、先祖の雪辱を晴らすのである。
それが、オウロの人生での目的であり、幼き頃より定められた呪いだった。
今もオウロはその呪いに縛り付けられている。
親や祖父母、また里の連中からずっと言われていた言葉を思い出す。
「黒騎士としてかつての栄光を取り戻せ――」
オウロの心に刻まれた戒めである。
そんな呪いから解放されるには深海に沈むことしかないと思っていたが、この時になってもう一つ方法があると気づいた。
――死、だ。
死こそが自分の救済ということに気付いた。
それならば、自分の運命を受け入れるのもいいかも知れない。
オウロはゆっくりと目を瞑り、これからガラグゴによってもたらされる自分の運命を受け入れるのもいいかも知れないと考える。
結局は、自分はかつての黒騎士のようにはなれなかったのだ。
彼らのように深海に沈むことはできなかった。そこに辿り着くことさえできなかったのだ。
自分は彼らとは違うのだ。
大英雄時代に輝いた彼らとは。アダマスと同じ時代に生きて、冒険者として輝かしい功績を収めた黒騎士とは。
オウロはそれならせめてかつての彼らと同じように、死ぬ時は最後まで戦って死にたいと思ったから壁に背を持たれながら立ち上がった。
腰にある太刀を抜き、構えるがもう抵抗する気などない。
自分の運命を受け入れた。
大英雄時代の黒騎士たちに習って、このまま――
そんな時、オウロが思い出した記憶は只の一つだった。些細な事だった。気にしても仕方がないことだ。
かつて――大英雄時代にアビリティは存在しなかった。
ギフトを持っていない多くの冒険者は武器だけで迷宮に潜っていた。数多くいた黒騎士もそうだったと聞く。
剣だけでモンスターと戦い、優れた冒険者ははぐれすらも狩ったと言う。
「諦め……る? アビリティが……通じ……なかっただけ……で?」
オウロは握った太刀に力が入るのを感じる。
ああ、そうだ。
何を自分は諦めようとしていたのだ。
確かに自分は黒騎士に憧れた。両親などから話される彼らの英雄譚に憧れたのだ。
そんな彼らに習い、彼らのように死ぬだと何を言っているんだろうか。
アビリティが通用しないぐらいで死ぬことを受け入れる自分が、かつての黒騎士に近づいているだと。そんな風にはオウロは思えなかった。
「――かっっっ!!!!」
オウロは振るえる体に力を込めた。
腰のポーチから取り出すのは、皮袋に入った回復薬だ。それを口に入れて二口飲み、残りを頭からかける。体が少しだけ冷えた気がした。
ガラグゴはゆっくりと近づいてくる。
オウロは体に活力が戻って来るのを感じる。
構えるのは中段。見据えるのは近づいてくるガラグゴだ。
だが、その刃は毒で濡れておらず、純粋な黒い刃だった。そして刃に曇りも全くない。
ガラグゴは壁際にいるオウロへと真っすぐ前蹴りをする。壁を地面と見立てて踏み潰そうとしたのだ。オウロは横に倒れるように避ける。
必要なのは脚力ではなく、相手との距離感だ。
オウロは先ほどまでのように脚力だけで避けようとはしなかった。必要なのは距離感を見切る眼だという事に気づいたからだ。
ガラグゴの猛攻は先ほどと同じように続く。
中段蹴り。回し蹴り。後ろ蹴り。
素早く、重たい猛攻。
それをオウロは紙一重で躱していく。先ほどよりも近い距離で、髪の毛の一本程しかない距離を保ち、ガラグゴの空気を切り裂く風をその身に感じながら、一つ間違えれば死ぬような距離で焦りもせずに躱していくのだ。
アビリティを使っていないおかげか、先ほどよりも“躱す”という動作により集中できるようになった。
それは、オウロに染みついた正しい戦士の動きがなせるものだった。
幼少期から厳しい戦闘訓練を受けて、数多くのモンスターとの戦闘をこなし、そしてはぐれが相手でも死なずに生き残ったオウロだからこそなせるものだった。
アビリティという余分な意識が阻害されて、純粋に目の前の敵に集中できたからこそできるのだ。
かかと落としを横に避けて、中段、上段の右足による連続蹴りを範囲外から体を逃がす。伸びてくる後ろ蹴りを後ろに下がって躱し、竜巻のような回し蹴りは潜るように避けて、下段蹴りは地面から軽く飛んで避けるのだ。
先ほどまでは、ガラグゴの攻撃をしのぐ事しか考えられなかった。
毒を持った刃で受けるか、それとも掻い潜って相手に攻撃をするかのどちらかしか思い浮かばなかった。
だが、今となっては違う。
オウロはそれらの攻撃を躱すのに余裕が生まれた。
余裕が生まれると、新しい事に気づく。
鱗と鱗の間には隙間があるのだ。特に関節部分は鱗が薄いように思える。線のように細い場所なので、普通の冒険者が気づかないのも無理はない。また激しい戦闘中にそこを狙うのも無理だろう。
だが、オウロは戯れか、攻撃を受ける、あるいは太刀で捌く際にその隙間を狙う。
撫でるだけ、あるいは軽く切るだけだったが、オウロの見立て通り薄い赤い線が通る。掠り傷でしかなくダメージなど殆どないだろう。
ガラグゴの攻撃は速い。
だが、特殊な攻撃なのではなく、あくまで四肢が伸びるだけだ。他の多くのはぐれとは違い武器も持っておらず、オウロがこれまで“倒してきたどのはぐれ”よりも強いか、と聞かれるとオウロは首を横に振るだろう。
ガラグゴの強さなど、所詮はこれまで自分が糧としてきたモンスターなのだ。
アビリティが通用しないとしても、多くはそう変わらない。勝てないモンスターではない。きちんと刃を立てて、狙うところを狙えば、オウロの剣は通じるのだ。
前蹴りを紙一重で後ろに飛び、指の付け根を刃で撫でる。回し蹴りは躱すだけ。かかと落としは横に躱して足首を薄く切りつけ跳ね上げるような攻撃は横に飛んで躱すのだ。
針の穴を通すような繊細なオウロの刃は、純白のガラグゴの体に少しずつ赤い線を刻んでいく。
一度でもガラグゴの攻撃を受ければ、オウロは倒れるほどの余裕しかないのにかかわらず、オウロに焦りは全くなかった。
少しずつ刃を深くしていく。その度にオウロはより確かな見切りが要求されるが、一度としてその判断を間違える事はなかった。
オウロは風を受ける柳のようにガラグゴの攻撃を躱し、その際に太刀を振るうのだ。
だが、所詮はかすり傷だ。
ガラグゴは体から血を流していたとしても、命を脅かすものではない。
逆にオウロの命は風前の灯火だ。今にも燃え尽きそうである。今は最後の気力で動いているだけ。
既に命は燃え尽きそうであり、すぐにも殺されそうだ。
そんな時、一瞬だけガラグゴの動きが鈍くなる。
狙いは繊細さをかけ、攻撃と攻撃の間に一瞬淀みが生じる。これまで息も切らさずに仁王立ちしていたガラグゴが疲れたように頭を垂れていた。先ほどのオウロの些細な攻撃が通用したとは思えない。
その程度で全身が痺れるわけがない。だが、似たような光景は何度も見た事がある。
とすれば、理由は一つだった。
――毒だ。
オウロの毒だ。
きっと切りつけた中に含まれていた神経毒が効いているのだろう。
オウロは思わず笑いそうになるが、きゅっと表情を引き締めた。神経毒だけでモンスターが殺せるとは思っていない。動きが少しだけ落ちただけだ。モンスターの中にはよくあることだ。
モンスターを確実に殺すには、やはり剣でとどめを刺すしかないのだろう。
オウロは息を深く吸った。
もうひと踏ん張りだと、心に決める。
自分の攻撃は通用したのだ。
オウロはガラグゴを見据えたまま、決して自分から近づこうとはしなかった。後の先を取る為に深く集中し、ガラグゴだけに意識を向ける。これまでよりも遥か鮮明にガラグゴがよく見えるように思えた。
ガラグゴはオウロに向かってかかとを叩きつける。オウロは横に避けてガラグゴへと迫る。これまで腕を使っていなかったガラグゴが初めて拳をオウロへと向ける。オウロは横へ反らすように強く太刀を叩きつけた。鱗と鱗の隙間を狙うが予想以上にガラグゴの動きは早く傷はつかない。オウロはそのまま流れるように体勢を落としたガラグゴの腹部を狙う。ガラグゴはそんなオウロに拳を落としていた。それを肌で感じたオウロはガラグゴの股下を滑り込むように抜ける。オウロはガラグゴの背中に出た。鱗と鱗の間を切りつける。だが、赤い線がつくだけだ。そんなオウロへガラグゴは後ろ蹴りをした。
オウロはそれを躱すわけでもなく、防ぐわけでもなく、上に大きく飛ぶ。伸び切った足の上に着地した。
体はもう限界だ。度重なるガラグゴの攻撃により、オウロは動いているのもやっとだった。全身が痛く、力尽きてもおかしくはない。きっと内臓のどこかはいかれているだろう。骨だって折れているのかも知れない。口の中が血の味でいっぱいなのも気のせいではない筈だ。
だが、そのままオウロはガラグゴの首へと強く足を蹴った。目の前にあるのはガラグゴの首。オウロはそれを鋭い瞳で視界へと収めている。刃が届く範囲に初めて首があった。剣を担ぐように構える。オウロの、鍛えた力と、教わった技術と、託された剣と、先祖より受け継いだ意志に加えて、胸を中心に広がる熱がオウロに力を与える。
「あぁぁああああああああああああああああ!!」
腹の奥底から声を出したオウロは、全身を引き絞るようにガラグゴの首へと振るった。
鋭い刃は見事にガラグゴの首を跳ねて真っ赤な鮮血が舞う。だが、ガラグゴのバックブローは止まるわけもなく、無防備なオウロの体を打ち抜いた。
オウロは激しい痛みから太刀を手放し、壁へと叩きつけられた。今度は立ち上がる体力すらなかった。
だが、確かにガラグゴは首を失い、肉体を赤く染めながら地面へとゆっくりと倒れていく。
オウロはそんなはぐれの姿を見て満足したように笑いながら意識を失った。
文字数が多くなったことにより、投稿が遅れて申し訳ございません。
余談ですが、白いガラグゴの強さはガーゴイルと同じ程度と考えて下さい。




