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逆襲聖女~婚約解消?わかりました。とりあえず土下座していただきますね♡~  作者: てんてんどんどん@★見捨てておいて コミカライズ開始★


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25話 どうなってるの!?

(ふふふ。今回は大会議に出席できないわ。いい気味)


 カミラは枢機卿が部屋を出ていくのを見送りながら、口元を歪めた。

 回帰前の大会議では、リネアが東部・西部の聖女たちにまで称えられ、まさに主役だった。

 彼女の献身的な行動が讃えられ、神殿中が賞賛の声で満ちていたのだ。


(どうして下級貴族の娘が、みんなに慕われるのよ!)


 思い出すだけで腹が立つ。

 本来その光景は、正妻の子である自分こそふさわしいはずだった。

 それなのに、褒め称えられていたのは常にリネア――。


(今回は神殿に閉じ込めて苛め抜いたのだから、褒められることなんてないはず。

 各神殿からの評価なんて、絶対に与えさせない。正式な聖女としての出席は止めなきゃ)


 東部と西部の聖女は犬猿の仲。もしリネアを正式な聖女として出席させれば、再び「宣誓巫女」に選ばれてしまうかもしれない。


 豊穣祭最終日の祈りの儀式でカミラが力を示す――

 それが今世の彼女の目標だ。

 前世でリネアに奪われた全てを、今度は自分の手で取り戻すために。


***


「聖女リネア。ウィル皇子と面談した日、お二人で出かけたとか。どちらへ行かれたのですか?」


 皇都神殿。グレ枢機卿の管理する部屋での問いに、リネアは困ったようにもじもじと視線を逸らした。


「仕来り通り、街を散策して帰りました。景色を見ていただけなので……正確な場所まではわかりません」


 以前はもっとはきはきとした印象だったが、今では虐げられたせいか、すっかり気弱な少女になっていた。

 その姿が、グレ枢機卿の歪んだ興味を刺激する。


(今日は打ち合わせだけのつもりだったが……)


 枢機卿はソファに座るリネアを、舐めるように見つめた。

 もともと女好きの男だ。特に、気弱な少女は好みのど真ん中。

 いまのリネアは、まさに理想の形だった。


(公爵家の娘だから手は出さなかったが、今は違う。

 皇妃やカミラにも疎まれている。手を出しても誰も庇わないだろう。

 ショックで部屋に籠もれば、会議にも出さずに済む……)


 そんな思惑が胸の奥に渦巻いた、その時――


 ガシャーン!!


 背後で、花瓶が砕け散る音が響いた。


「な、なんだ!? 暗殺者か!?」


 慌てて振り返るが、誰もいない。


「どういうことだ……? 聖女リネア――」


 振り向いた瞬間、そこにいたのは――


『よくも私を裏切ったわね……』


 リネアではなかった。

 かつて「付き巫女にしてやる」と甘い言葉で誘い、弄んで捨てた平民の聖女。

 その女、メリルとうり二つの姿がそこにあった。


***


『グレ枢機卿!! お話が違います!』


 悲痛な叫びが、遠い記憶の中から蘇る。

 平民の聖女メリル――貧しい家に生まれ、弱い力ながらも聖女に選ばれたことで、家族はようやく人並みの生活を送れていた。


 だが母が病に倒れ、治療には高価なポーションが必要だった。

 金のない彼女は、付き巫女の報酬に縋り、グレ枢機卿に懇願したのである。

 その代償として、彼の望むままに身体を差し出したのだ。


 なのに――。

 彼は金を積んだ貴族令嬢を選び、メリルを切り捨てた。


 母は死に、兄弟も病に倒れ、メリアは一人取り残される。

 神殿からポーションさえ支給されていれば、救えた命だった。


 絶望した彼女は、神殿の前で焼身自殺を図る。

 「グレ枢機卿も道連れに」と叫びながら。

 しかし護衛に阻まれ、彼だけが生き残った。


『絶対に地獄へ堕としてやる……』


 呪いの言葉を残し、炎の中で彼女は消えた。


***


 事件はもみ消され、真相を知るのは枢機卿と数人の側近だけ。

 それなのに、今、目の前に――


「ひ、ひぃ!! メリル!? なぜお前が!?」


『許さない……許さない……母と兄弟たちの恨み……』


 メリルはぶつぶつと呟きながら、椅子に座っていた。


「だ、誰か! 誰かいないのか!!」


 叫んだ瞬間、肩を揺さぶられ――目を覚ました。


「枢機卿っ! 大丈夫ですか!」


 目を開けると、アレスと神官たち、そして心配そうなリネアの顔があった。


「め、メリル!? メリルはどこへ!」


「メリル……? 何のことですか?」

 アレスが不思議そうに首をかしげる。


「突然泡を吹いて倒れたので心配しました。すぐに精密検査を」


 リネアが静かに言う。

 その瞳には、どこか――冷たい光が宿っていた。

ブックマーク&ポイント&リアクション&誤字脱字報告ありがとうございましたぁぁぁ☆: .。. o(≧▽≦)o .。.:☆


最近、「AIで文章の校正を手伝ってくれるツール」があると知り、今回から文章のチェックと推敲補助をGPT先生(AI)にお願いしてみました!


※AIは私の書いた文章を読みやすく整えるお手伝いをしてくれているだけで、お話の内容や構成はすべて自分で書いています!(p≧w≦q)


句読点の位置や語感の流れを整えてもらっているので、以前より読みやすくなってる……はず!(´▽ʃ♡ƪ)


既に公開済みの話も、少しずつ校正版に差し替えていく予定ですので、

「あれ?なんか読みやすくなってる?」って思ったら、それは先生マジックです(๑•̀ㅂ•́)و✧


自分が書くとくどくど説明くさかった部分も、Web向けにスッキリ読みやすくなるよう調整してもらいました。

世界観説明などのテンポが少し変わっているかもしれませんが、どうぞ温かく見守っていただけたら嬉しいです(๑•̀ㅂ•́)و✧


時間を見て、既存話も順次修正版に差し替えていく予定です~!!

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