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逆襲聖女~婚約解消?わかりました。とりあえず土下座していただきますね♡~  作者: てんてんどんどん@★見捨てておいて コミカライズ開始★


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21話 お金なら心配ないから♡(自分でだすとはいってない)

※リネア視点※


「助けていただいてありがとうございます。レティア様。リネア様。ウィル様」


 あの後、闘技場でギルディスさんを買い取ってそのままデーンさんの事務所まで戻った。ギルディスさんはウィル様は買い取ったとはいえ罪人という事実はかわらないため、城に戻ることはできないし、神殿に連れて行くこともできないので、このままデーンさんの元で働く事になっている。


「ああ、無事でよかった」


 ウィル様が本当に嬉しそうに言う。なんとなく、その表情はいつもの険しいものと違い、子供っぽくて、本当に親代わりなんだなと思う。


「これもウィル様のおかげです」


「俺はなにもしてないけどな」


「縁を結んでくださいました。ウィル様なければ結びつかなかった縁です。もちろんレティア様にもリネア様も感謝しておりますが、縁を結んでくださったのはウィル様ですから」


 そう言って微笑み、ギルディスさんは私に視線を向けた。


「それにしても、確かに珍しい状態ですね」


 ギルディスさんが私とレティア様を交互に見る。


「どうなってるの?」


 私の姿が見えないレティアさんが不思議そうにギルディスさんに聞いた。


「リネア様の身体から白い糸がでて本来のリネア様の魂と結ばれております。このような事象は聞いた事がありません」


「これってもとに戻せるのか?」


 ウィルさんの言葉にギルディスさんは目を細めた。


「申し訳ありません。私の知識にはありません。これは一度ガルザ族の所に文を送り、巫女であるデデ様にご助言をいただかないと。位置はすぐにわかりますから、伝書を飛ばします」


 ギルディスさんとウィル様はエルフの血を引くといわれる、神秘的な遊牧民族のガルザ族出身。ガルザ族は神に最も近い種族といわれている。確かにそこなら幽霊に詳しい人も多いのかもしれない。


「その巫女デデって人なら幽体に詳しいの?」


 レティアさんが嬉しそうに目を輝かせてギルディスさんに聞く。


「はい。私達が知り得ない知識も有しています。レティア様の望む、幽体に対する知識と法則についても、一番詳しいのはデデ様だと思われます。ただ、こちらに連れてくるとなるとかなり高額な報酬を要求されますがそれでもよろしいでしょうか?」


 ギルディスさんの言葉にレティアさんが嬉しそうに頷く。


「金はデーンからたんまり奪い取るから、是非に」


 いぇいっと指でマルを作ってウィンクするレティアさん。


「それを本人の前でいいますか」


 ニコニコ顔でギルディスさんの手をとり、ぶんぶん振るレティアさんの後ろでデーンさんがうめいた。


「あら、まさか私と取引しないなんていわないでしょ?」


「……そうですね。是非取引させていただきたい。あの魔剣は何本くらい作成可能なのでしょうか?」


「そうね。あのレベルなら月100本は余裕♡」


「……貴方の場合、どこまでが嘘でどこまでが本当かわかりません。

 そうですね。もしこの魔剣販売を私のみに一任してくださるなら。戦略的にいきましょう。そんな大量に市場にだしてしまえば一気に価値が落ちてしまいます。ギルディスさんに渡したクラスの魔剣をあと5本くらい作っていただければけっこうです。10年~20年に一度のペースで出品します。不自然のないように、どこから発見されたなど、発掘された場所を捏造するなど下準備はしなければいけません。いきなり質の高い魔剣が大量にでまわれば疑われますから、あまり頻度が高くなってもプレミア感を損ねて値崩れします。あと三ランクくらい下のものを数年に一本、五ランクくらい下のものを販売しましょう。それでも十分な儲けになります。それでよろしいですか?」


「そうね。それじゃあその話はあとでつめましょう。神殿に呼ぶわ。そろそろ帰らないと」


 そう言ってレティアさんが空を見上げる。

 確かに空がほんのりと明るさを取り戻していた。



「で、帰るのになんでダッシュなんだ」


 夜の街の中を、レティアさんとウィル様が屋根の上を走り抜ける。普段ならこんなこと出来ないらしいけど、レティアさんの魔法のバフのおかげで、余裕で屋根から屋根をジャンプしていた。


「もう馬車は返して、私達それぞれ帰ってることになってるから。こっそり戻らないと。流石に結婚前の男女が朝帰りはまずいでしょ」


 レティアさんの答えにウィルさんがそれもそうだなと頷いた。


「レティア・リネア」


「うん?」


「その、ありがとうな」


 走りながらウィル様が顔を赤らめてお礼を言う。


「リネアの婚約者だもの当たり前でしょ。ね、リネア」


「はいっ」


 レティアさんの言葉に私も嬉しくなって頷いた。




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