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逆襲聖女~婚約解消?わかりました。とりあえず土下座していただきますね♡~  作者: てんてんどんどん@★見捨てておいて コミカライズ開始★


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20話 異世界の大賢者様♡(ただ性格と人間性に問題あり)


 ワー!!!


 コロシアムに試合を開始する銅鑼の音が響き、それにあわせ歓声があがる。コロシアムはものすごい熱気で、みんな人気剣闘士の試合を早く見たいと目を輝かせている。私達はデーンさんが用意してくれた、闘技場の見やすい中央付近で観戦しているため、試合の様子がよくわかる。私はウィル様とレティアさんの後ろの席でハラハラしながらその様子を見守っていた。


「大丈夫でしょうか」


「大丈夫だよな?」


 私がレティアさんに聞くとウィル様も不安げにレティアさんに聞いた。

 ウィル様の大事な人だからか、ウィル様も縋るようにレティアさんを見ている。


「大丈夫よ。あの剣が必ず彼を勝利に導くから」


 そう言ってレティアさんがにぃっと笑ってみせた。


 

***



 かぁん!!


 試合がはじまると同時、振り下ろされた巨大な斧はギルディスの剣によって受け止められた。


「おおー!!」と闘技場から歓声がわきおこる。


 闘技場の中央では、ハンマーを振り下ろしたオダと、それを細い剣一本で受け止めるギルディスの姿がある。


 剣士オダは2Mを超える巨体でその身体は巨大なオーガロードを彷彿させる。普通の者ならその巨体から振り下ろされたハンマーに押しつぶされてしまうだろう。

 細身の男性のギルディスが剣一本でその攻撃を防いだのだ。


 観客席から感嘆と驚きの声が上がる。


(凄い、押しつぶされるどころか、ハンマーが軽い)


 ギルディスは、オダの巨大なハンマーを受け止めつつ、心の中で思う。

 オダのハンマーは闘技場でも有名な魔法武器だ。彼の意思で大きさも重さもある程度自由に設定できる。そのためどんなに剣などで防いでも、重くされその重みで対戦者を武器ごと押しつぶしてしまう事が多い。

 それほど重みのある攻撃を剣はやすやすと受け止めたのだ。


 だがギルディスは疑問に思う。

 剣はどんなに固くても剣だ。衝撃の衝撃そのものまで防げるだろうか?


(いや、無理だ。どんなに強固な剣でも、使う者が貧弱ならこのような上からの圧力に耐えられるわけがない)


 この魔法剣は剣としての切れ味や強度だけではなく、使い手に作用する身体能力強化魔法を施す効果までついている。

 この世界に魔剣は存在する。だが、剣そのものの切れ味や、魔法を放つなどの効果はあっても、使い手にバフを施す魔剣はギルディスが知る限りでは存在しないはずだ。


 ギルディスがチラリと、観客席にいるレティアに視線を向けると彼女は笑っていた。


 まるでその効果を示せといわんばかりに。


(わかりました。このギルディス、その期待に答えましょう。我が主、ウィル様のために)


 心配そうに見つめるウィルを視線の隅に捕らえ、思う。どうやってウィルがあの女性を説得して自分を助けにきたのかは知らないが、おそらく武器の強さを示せば、ウィルに利になるはずだ。


 ギルディスは注意をオダに向ける。そしてそのまま、オダの斧を受け流すと、オダの斧を真っ二つに切り裂いた。


 がこんっと、真っ二つになった斧が地面に落ちる。


「んなぁ!!」


 オダが、驚きのあまり悲鳴をあげる。

 いままでその一撃でほぼ敵を圧死させていたために、武器が壊されるという事態に戸惑いを隠せなかった。


 オダが慌てて飛びのいて距離をとると、ギルディスは落ち着いた様子で、闘技場内でオダの武器が置かれた場所を指さす。

 闘技場には各自武器を用意して置いておく場所がある。

 好きな武器を使うためと、壊れた時に取り換えるためだ。

 ギルディスはそこを指さし


「どうぞ、新しい武器をもってきてください」


 と、言い放った。


***


「さて、あれはなんの冗談でしょうか」


 ギルディスの勝利で歓声があがる闘技場で、デーンが観客席に座るレティアにつめよった。会場はオダを無名の剣闘士が倒したこと、そしてオダの最強といわれた魔道具の斧を壊したことで、興奮状態だ。


「ふふっ。なんのこと?」


「あの剣。私の部屋にあった飾りの剣です。あんな力があるわけがないのに、なぜ魔剣となっているかお聞きしても?」


 デーンが目を細めた。

 そう、レティアの世界では剣に魔法をこめて魔剣にするという技術があるがこちらの世界には存在しない。レティアのしたことは、この世界では神がおこす奇跡にも近い偉業だった。


「何、簡単な事でしょ。剣に魔法を付与しただけ」


「い、いえ、簡単な事って、そんな事が可能ななのですか?

 古代の書物だってそんなことができたという記述はみつかった事がありません」


「でも実際出来た。違いますか?」


 レティアの質問が返しに、デーンが口ごもる。確かに、あの剣はデーンが気まぐれで買った模造品の剣だ。あんな装飾ゴテゴテの使いにくい、実用性のない剣が魔剣として存在するなんてありえない。


「……貴方は一体何者です?」


「私?異世界の大賢者様」


 デーンの問いにレティアは笑って答えるのだった。



***



「やった!!!!よくやったギルディス!!」


 ギルディスさんの勝利に、ウィル様が席を立ってガッツポーズをした。途端観客席からも歓声が沸く。

 試合は本当にすごかった。屈強な大人と子供くらいの体格さがあるのに、ギルディスさんが全ての攻撃をかわしてオダが闘技場に用意した武器を全部切ってしまった。まるでギルディスさんの持っている武器の凄さを示すかのように、試合をしているみたいだった。最終的に剣から出した魔法の球体のようなもので倒してしまったのだ。

 視線を移すと、デーンさんがレティアさんを呆然と見つめてる。

 うん、やっぱり規格外だよね。レティアさんって。

 デーンさんからもらったに魔石を使って魔剣を作り出してしまったのは本当にすごい。魔道具に詳しくない私でもわかる。とても規格外なことだって。


(レティアさんなら本当にこの世界の歪なシステムを変えてくれるかもしれない)


 私はデーンさんに詰め寄られてるレティアさんを見つめて思うのだった。


あわわわ、すみません!!予約一日ずれてました!!

宣言した次の日に投稿遅くなってすみません><

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