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ラグナロク  作者: 木の棒
第4章 王城でのキャラメイク的な!
22/27

第20話 新たな装備

―― 聖樹王暦2000年 1月 20日 10時 ――


 僕はいま「聖なる間」にいる。

 1人で。

 ティア様から呼ばれて待っているのだ。


「ルシラ殿すまない。待たせたな」


「いえ、大丈夫です」


 誰もいないところでは呼び捨てではなく、「殿」をつけてくる。


「お互い時間もないので、本題にすぐに入りたい」


「はい」


「金剛石を分けて欲しい」


 これか。

 ティア様が金剛石にすごい関心を持っていたのは知っている。

 そして欲しがっていたのも、


「ルーン王国には金剛石は他にあるのですか?」


「あるにはあるのだが、私の自由にはならない。」


「なぜです?」


「賢老会が持っている」


 賢老会。

 そしてそれを束ねる3賢者は失われた神々の子孫と言われている。


 マリア様が金剛石を知っていたのは、賢老会が持っている金剛石を見たことがあったからだ。


「ティア様は金剛石で何を作りたいのですか?」


「ふむ……ちょっとした乗り物と言えばいいだろうか」


「乗り物ですか……そういえば、王都テラの道を走っているあの不思議な乗り物もティア様が発明されたのでしたね」


「そうだ。バル王国では「機械」と呼ばれる失われた技術を研究している。その機械の知識と魔法を混ぜて私は今まで様々な発明をしてきた」


 ティア様のバイクという言葉はバル王国で知った言葉なのか。

 でも、どうしてそんな機械という技術がこの世界に残されているんだ?

 ミカ様が知っているユグドラシルの世界には、そんな機械はなかった。


「ナール様の工房で金剛石を見ていた時に「バイク」と呟かれていましたが、それもバル王国にある機械なのですか?」


「そんなところだ。「バイク」は空を飛ぶ乗り物として開発しようと思っている。そのために魔力と相性の良い金剛石がどうしても欲しいのだ。ただとは言わない。ルシラ殿の望むもので私が支払えるものがあれば支払おう」


 空飛ぶ乗り物!

 空飛ぶバイクってなんかかっこいいな!

 僕も欲しい!


「では、開発に成功しましたら僕にもバイクを1台頂けませんか」


「なるほど……その条件で金剛石をどのくらい頂けるのだ?」


「逆に1台作るのにどれだけ必要なんですか?」


「作ろうとしているバイク全てが金剛石で作るわけではない。核となるエンジン部分を金剛石で作りたいのだが……これくらいで1台分かな」


 ティア様は両手でサッカーボールよりちょっと小さいぐらいの丸を作られた。

 エンジンって言葉が出たけど、魔力で翻訳されたのか? そのまま聞こえたぞ?


「正直に言おう。バイクを与えたい者は、騎士ではシュバルツとミリアだ。それと魔法士ではマリアとシャルム。そして私も欲しいので5台分だな」


「では、僕らの3台を合わせて8台分ですね。バイク3台頂ければ、5台分の金剛石と交換でいかがでしょうか」


「良い取引だ。感謝する」


 ティア様はにこにこ笑顔だ。

 満足な結果なのだろう。


 しかしバイクか。


 実際に乗ったことないけど、憧れの乗り物だ。

 どんなデザインになるんだろう。


「やはりハーレーダビットソンのようなものがいいな……しかしレーサータイプも捨てがたい……むむ~迷うな」


 ティア様がぶつぶつと呟く。


 その呟きは僕に理解できる言葉だ。


 それは魔力によって翻訳されているわけではない。

 僕は完全に魔力を切っている。


 どうして……どうしてティア様の口から「ハーレーダビットソン」とか「レーサータイプ」とかの言葉が出てくるんだ?


 バル王国にあるのか? いやいや、具体的すぎるだろ。


 小さい頃から様々な発明。

 バル王国と親交を持つ前からなのか?

 だとすれば、ティア様が次々と発明できた理由って……。


 久しぶりに思い出した隠居神。

 僕が転生?! と思ったら、そんな展開はないと言っていた。


 それって僕に対しての言葉?

 それとも全ての魂に対して?


 もし転生があるとすれば。

 そして転生前の記憶が残っているとすれば。


 ティア様のことが理解できる。

 理解できてしまう。


 転生者なのか? ティア様は……転生者なのか?

 試してみるか。


「ティア様。僕のバイクは「GS400のファイアパターンなんてできます?」


「……」


 僕の言葉を聞いてティア様の目が点になった。


「そ、そのようにしよう」


「ありがとうございます」


「……」


「……」


「はっ! まさかギリシア王国の冒険者とは!」


「違います。僕だけ特別です」


「ルシラ殿……だけ?」


「はい。これに関しても僕の声はティア様に届かなくなってしまうでしょう。ですが、ティア様が考えている答えは正しいはずです。僕もさきほどのティア様が呟かれた言葉を聞いて試しに言ってみたのです。GS400という言葉がティア様に届いてよかったです」


 どうして届いたのだろうか。

 ティア様が転生者でその言葉を当然の理解として分かっているからか?


「いろいろと納得がいきました。そしてティア様と同郷であることを嬉しく思います」


「ふふふ……本当だな。まさか同郷の者と会えようとは」


「なんでも相談してください。僕にできることならなんでも協力します」


「ありがとう。私もだ。何かあれば遠慮なく言ってくれ。女王として、そして同郷の友としてルシラ殿の力になろう」


「ありがとうございます」


 僕達は誰にも理解できない笑みを浮かべながら話し合いを続けた。



 ティア様は転生者だった。

 日本のことや、地球に関することは普通に喋れた。

 そのことが理解不能の言葉とはならなかった。


 生前どんな人だったのか気になったけど、ティア様も僕の生前について聞いてこなかったので、僕も聞けなかった。

 デリケートな部分だろう。いまは女王ティアとして生きているのに、実はこんな人なんです! なんて知られたくないだろうし。


 僕は生前の人間の姿そのままだし、正確には転生者ではない。

 天使なのだから。


 生前のことは突っ込んで聞かないことにした。



 ここまできたら、もうティア様の部下として、仲間としてラグナロクの間を過ごすべきだろう。

 最も繁栄しているルーン王国の女王様なのだ。

 味方となるには最も良い相手といえる。


 僕は金剛石と最高純度神石、それに聖純度神石を一緒に有効利用しましょうと申し出た。


 ティア様はあまりの嬉しさで、飛び跳ねてしまった。



 聖樹王歴2000年 1月 30日



 1月終わり。

 1ヶ月は全部30日である。


 ナールの武器作りが完成した。


「こちらがミカ殿の剣です」


「こ、これは……」


「ルシラ殿から聖純度神石を使って欲しいとのことでしたので、金剛石と最も相性の良い割合で使わせて頂きました。これほど贅沢に聖純度神石を使った剣は初めてですな~。そもそも金剛石を使えることも初めてですが」


 ナール様がミカ様に渡した一振りの剣。


 剣の形状はサーベルだ。

 ミカ様が最も好むのがサーベルだから。


 刃が真っ白だ。金剛石は金色だったはずなのに。


「聖純度神石と混ざることで色が変化したんですよ」


 ミカ様は新たな剣を持ち、嬉しさのあまり固まっている。

 剣に見惚れている。


「剣に名はあるのか?」


 ティア様がナール様に聞く。


「特に決めておりませんが」


「そうか。ミカ、新たな剣に名を与えてみてはどうだ?」


「名を……」


 ミカ様が僕を見る。


「ルシラ君に決めて欲しいな」


「え? 僕なんかが決めていいんですか?」


「うん。ルシラ君のおかげだし、それにルシラ君に決めて欲しいから」


 くぅぅぅぅぅ! 抱きしめたい! 許されるなら今すぐ抱きしめたい!

 しかしこれは責任重大だぞ。

 ミカ様の剣に名を与えるなんて……変な名前はだめだ。

 むむ……真っ白な剣……ミカ様の鎧の白花と合うような名前がいいな。


「白雪姫……なんてどうでしょうか」


「白雪姫……うん、とっても素敵な名だわ!」


 気に入ってもらえたようだ!


 正式名称は「神聖剣白雪姫」となった。

 聖純度神石を使った武器には「神聖」という名がつくそうだ。

 神聖槍とか神聖弓とか。



 文無しにの銃が2丁。

 1つは小型銃。

 ガチャ装備で持ってい魔力銃よりかは長い。


「ぐふふ」


 天使の巫女の顔を崩すなって。


「もう1つがこれです」


「んな! なんだこれ!」


 僕は絶句した。

 そこにあったのは……。


 超大型ライフル。


「ナール様素敵です♪ 私の希望通りですね♪」


「はっはっは。しかしガブリエルちゃんにこんな大きな魔力銃で大丈夫かい?」


「はい! ナール様の魔力銃! きっと使いこなしてみせます!」


 文無しは振り返ると僕にVサインをしてきた。


 くそっ! いったいどんだけ金剛石使ったんだ!


 文無しは、接近戦は2丁拳銃でいくようだ。

 そして超大型ライフルでの超遠距離射撃と。


「ルーちゃん! 私の銃にも名前つけてよ!」


 面倒だな。文無しの武器の名前なんてどうでもいい。

 適当につけた。


「小型銃は2つで「ルーレット」 大型銃を「丁半」で」


「ルーちゃん……私がその名前の意味分からないとでも?」


「あれ? 天使の巫女のガブリエルちゃんがどうしてこんな言葉を知っているの?」


「素敵な名前です~♪ 意味分からないけど素敵な名前です~♪」


「では「神聖銃ルーレット」と「神聖銃丁半」ですね」


「え?」


 文無しがミカ様の後ろに隠れた。

 どういうことだ……聖純度神石を使うのはミカ様の剣だけだったはずだぞ。


 文無しを睨みつけようとすると、ミカ様が困った顔をしている。


「ナール様。ガブリエルちゃんの銃に聖純度神石を使うことになっていました?」


「ええ、ガブリエルちゃんからルシラ殿からの指示だと……違うのですか?」


 くそっ! とことん親友の立場を利用したな!

 ナール様もどうして信用するかな~。


 しょうがない。使ってしまったものは……ゴブルンごめんよ。



「あとこちらがご希望のメイスです」


 これこれ、ゴブルンのための金剛メイスだ。


「ありがとうございます」


 これをゴブルンに渡すことで、文無しの悪行を父ゴブルンに許してもらおう。



「こちらがマリア様の杖となります」


「ありがとう」


「ティア様より、保管してあった聖純度神石を使うように指示がございましたので、こちらも聖純度神石を金剛石と最も相性の良い割合で使っております」


「まぁ……!」


 マリア様がティア様を見る。

 ティア様は当然だろう? という表情で笑っていた。


 シュバルツの両手剣、ミリアの片手剣も金剛石で作ることにした。

 バイク8台分を考えても、まだまだ金剛石は余っているのだから。



 こうして武器を手に入れた僕達は、聖樹王の穴に行ってみることにした。


 いつまでも稽古ばかりではなく、実戦経験も必要だ。

 万が一の時は、文無しが持っている「瞬間転移」のカードで逃げることができる。


 1度に5人まで瞬間転移できるらしい。


 僕達が聖樹王の穴に行ってみると伝えたら、マリア様も一緒に行くと言い出した。


 マリア様って魔法士団の仕事とか大丈夫なのかな?

 最近ずっと僕の側にいて魔法を教えてくれているけど。



♦♦♦


名前:ルシラ  性別:男  年齢:18歳  神力:8302  レベル:35

種族:人間   身長:174

闘気魔力:35  

技能

 武器:棒術4 体術3 盾術3 (真)土棒技3

 魔法:(真)土木魔法4 (真)闇魔法4

 補助:闘気強化4 闘気量上昇3 魔力強化4 魔力量上昇3

カード:ゴブルン

装備:伝説の木の棒 闇の服 土手袋

レアアイテム:伝説の木の棒


♦♦♦


名前:ミカ  性別:女  年齢:20歳  神力:20万  レベル:40

種族:人間  身長:164  3サイズ:94(G)/57/88

闘気魔力:40  

技能

 武器:剣術4 体術4 盾術4 (真)火炎剣技4

 魔法:(真)火炎魔法4 (真)光魔法4

 補助:闘気強化4 闘気量上昇4 魔力強化4 魔力量上昇4

カード:

装備:神聖剣白雪姫 ユリ鎧 サクラ盾 火光の手袋

レアアイテム:白花


♦♦♦


名前:ガブリエル  性別:女  年齢:10歳  神力:5万  レベル:25

種族:ハーフエンジェル  身長:140(162)  3サイズ:92(F)/58/87

闘気魔力:25  

技能

 武器:銃術3 体術2 (真)水氷銃技3

 魔法:(真)水氷魔法3 (真)光魔法3

 補助:闘気強化2 闘気量上昇2 魔力強化3 魔力量上昇2 魔力消費減2

カード:鬼娘 瞬間転移

装備:神聖2丁銃ルーレット 神聖大型銃丁半 水法衣

レアアイテム:太陽の光


♦♦♦


名前:マリア  性別:女  年齢:30歳

種族:人間   身長:160  3サイズ:98(I)/58/89

祝福

 武器:杖術 体術

 魔法:(真)火魔法 (真)水魔法 (真)風魔法 (真)土魔法 (真)光魔法

    (真)炎魔法 (真)氷魔法 (真)雷魔法 (真)木魔法 (真)闇魔法

 補助:闘気強化 闘気量上昇 闘気消費減 闘気量回復上昇

    魔力強化 魔力量上昇 魔力消費減 魔力量回復上昇

装備:神聖杖 神聖法衣



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