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ラグナロク  作者: 木の棒
第4章 王城でのキャラメイク的な!
20/27

第18話 聖樹の祝福

―― 聖樹王暦2000年 1月 14日 18時 ――


 マリア様の豪邸本館で、マリア様、ミカ様、そしてちょっと早めに仕事を終えた文無しと共に、これまた豪華な夕食を頂いた。


 文無しは大喜びだ。

 いつもより夕食が豪華だからだろう。

 マリア様はずっと僕のことを見つめている。

 おかげで文無しはマリア様に見つからないように、次々と食べている。


 マリア様に聖樹の祝福のことは秘密にしてもらった。

 誰にでも与えていいものではない。

 そしてまだ僕自身が聖樹の祝福を与えるために未熟であること。

 だから、今は僕とマリア様だけの秘密にして欲しいと。

 話していいのは、明日お会いすることになる女王ティア様にだけと。


 こうして僕はマリア様と2人だけの秘密の共有することに成功した。


 ミカ様は別館にあった温泉をとても気に入ったらしく上機嫌だった。

 僕にも温泉入った? と聞いてきた。

 まだです、と答えたら、絶対入った方がいいよと笑顔で話してくれた。


 ミカ様が温泉を楽しまれている時、僕はマリア様の柔らかな感触を楽しんでしまっていました。

 いや、だって! マリア様から押し付けてきたんだもん!

 僕からは触っていません!


 さて、マリア様に聖樹の祝福を与えた後、マリア様は僕にずっとべったりだったのですが、その時にいろいろ話をしたことで、新たな情報を得ることができた。


 主にこの世界の人達の情報だ。


 最も驚きだったのが、マリア様は「聖魔法を除く全ての魔法」を使えたのだ。

 そして、それはマリア様だけではなく、この世界の魔法士は全員全ての属性を使える。

 もちろん得手不得手はある。

 けど、僕達のような縛りはない。


 そのためマリア様の与えられる祝福の数がすごいことになっていた。


 マリア様に聖樹の祝福を与えた後、マリア様が木の棒に触れていない時でもマリア様のステータス画面を見ることができた。


 マリア様が木の棒に触れていない時のステータス画面だと、祝福に神力をどれだけ消費するか説明が出てきた。


 そして祝福の考察をした。

 考察の間、マリア様の柔らかい胸や太ももが僕の身体に押し付けられていたおかげで、効率は200%アップしたのか、200%ダウンしたのか分からない。


 まず魔法。

 神力50消費:火、水、風、土

 神力100消費:光 闇


 補助系は全て神力100消費だった。

 魔力強化、魔力量上昇、魔力消費減、魔力回復上昇。

 闘気の補助系もあった。

 マリア様は後衛の魔法士だけど、身体能力が上がる闘気もあった方がいいだろう。


 その他の祝福も取れる。

 マリア様の仕事の役に立ちそうな祝福でもあるかと思って見ていたら、とんでもない神力消費の祝福があったのだ。


 神力消費500:洗濯 マッサージ


 洗濯とマッサージの祝福には神力500! なんで?!


 僕の残り神力は1,402だ。

 マリア様に祝福をたくさん与えてあげたいけど、僕だって神力を得るためにラグナロクをしているわけで。

 ほいほいと与えるべきではないだろう。

 状況を見ながらだ。


 しかし、既にマリア様は完全に僕のことを崇拝している状態だ。

 これ以上の好感度アップないんじゃね? MAXじゃね? な状況である。



 楽しい夕食が終わった後、僕とミカ様、そして文無しの3人で話し合いをしたいとマリア様に伝えた。

 本館の一室を開けてくれて、そこで話し合いをすることにした。


 さて、まずは文無しとの関係をはっきりさせる必要がある。

 文無しを仲間に引き入れる。

 お金させ握らせなければ大丈夫なはずだ。

 能力は高いのだから。


「さてガブリエル様。僕達は明日女王ティア様とお会いすることになりました。これも全てガブリエル様のおかげです。本当にありがとうございます」


「でしょ! でしょ! でしょ! いや~私もルーちゃん達のために本当に苦労したんだよ~~~~」


 文無しがこれでもかと恩を誇示してくる。

 ま~マリア様に僕達のことを「親友」と言ってくれたことには感謝だな。

 その一言がなければ、マリア様と会えなかったかもしれないのだから。


「そこで、ミカ様ともさきほど話していたのですが……よかったらラグナロクの間、僕達と一緒に行動しませんか?」


「むふふ~♪ どうしようかな~♪」


 文無しがこれでもかとにやけている。

 そして無意味に迷ってみせる。


「あ、ガブリエル様が嫌なら無理強いには……」


「一緒! 一緒一緒! 一緒に行動する!」



 文無しが仲間に加わった!



 というわけで、文無しのレベルなどのステータスの詳細を聞いた。



♦♦♦


名前:ガブリエル  性別:女  年齢:10歳  神力:5万  レベル:4

種族:ハーフエンジェル

闘気:4  

魔力:4

技能:0

武器:銃術1

魔法:水魔法1 光魔法1

補助:魔力強化1

カード:鬼娘 瞬間転移

装備:魔力銃(小型) 水法衣

レアアイテム:太陽の光

所持金:5,000G


♦♦♦



 神力の残りは5万だった。

 お互いの神力数値に関しても情報を公開したのだ。

 仕事しているはずなのに、所持金が少ないのは、浪費癖ですぐに何か小物を買ってしまうとのこと。


 特典のレアアイテムは「太陽の光」

 傷を治す治癒魔法の能力。

 ただし、自分の傷を治すことはできない。


 それにしてもレベルが低すぎる。

 これはマリア様に頼んで、王城での仕事時間を減らしてもらって稽古させる必要があるな。


 さて、文無しが無事に仲間になったところで聖樹の祝福です。

 ミカ様に木の棒を持ってもらい、祈りを捧げてもらった。


 たぶん祈りを捧げる必要ってないのかもしれないけど、雰囲気でね!


 以前、ミカ様に聖樹の祝福を与えてみようとした時とは違う。

 今ならはっきりとこの能力を使いこなせる!


 そして見えてきた……。

 ミカ様の聖樹の祝福のためのステータス画面が!



♦♦♦


名前:ミカ  性別:女  年齢:20歳

種族:人間   身長:164  3サイズ:94(G)/57/88

祝福:


♦♦♦



 ぶっ! やっぱりこの情報は見えるのね! 見えちゃうのね!


 祝福の欄を見る。

 魔法がある。

 しかし、火と光以外の祝福は表示されていない。

 僕達プレイヤーの縛りを解除することはできないようだ。


 ミカ様に火と光の祝福を与える。

 ミカ様のためなら、僕の神力消費は惜しくない!


「あっ……」


「聖樹の祝福を感じます? いまミカ様の火魔法と光魔法に祝福を与えたんです」


「むむ~ルーちゃんどういうこと?」


「マリア様から聞いたのですが……」


 僕は真なる魔法のことを2人に伝えた。


「そうだったの。この世界の魔法にそんな歴史が」


「つまり私達が使っていた魔法は、真なる魔法じゃなくてただの魔法だったのね。でもルーちゃんの聖樹の祝福を受けることで、真なる魔法が使えるようになると」


「確かに今までと比べて火魔法も光魔法も、天界の頃に使っていたようなとても強い力になっているわね」


「この木の棒の能力を使いこなせるようになって、ミカ様に与えられる祝福が見えるようになったんですよ。残念ながら、使える魔法の縛りは解除できないです……ってあれ?」


 ミカ様の祝福の魔法欄を見た時だ。

 新たにそれが追加されていた。


 炎魔法


 え? どういうことだ?


「ルシラ君? どうしたの?」


「え? ええ……ミカ様の魔法の祝福欄に炎魔法が追加されていて……」


「炎魔法! 火の上位魔法じゃない?!」


「たぶんそうですね。僕が火魔法に祝福を与えたから追加されたのか?」


 ミカ様の炎魔法の祝福を取得する。

 ミカ様のためなら神力消費は惜しみません!


「あっ……」


「ミカ様。炎魔法に祝福を与えてみました。どうですか? 何か感じますか?」


「ええ……感じるわ。とても懐かしい……天界で使っていた炎そのものだわ」


 いいね! きたね! これまたミカ様の好感度ぐんぐん上がってるよ!


「ルーちゃん! ルーちゃん! 私にも祝福頂戴よ!」


「あ~ちょっと待ってください。神力が……」


 僕の神力は1,402から1,102に下がっていた。

 火が50。光は100だったはず。つまり炎は150消費したのか。


「ルシラ君? 神力がどうしたの?」


「あ、実は聖樹の祝福を与えるには、僕の神力を消費するんですよ」


「ええ! ど、どうして先に言わなかったの?! いくつ神力を消費したの?!」


「大丈夫です。神力がマイナスになるほどじゃありません。火魔法に50、光魔法に100、炎魔法に150の神力消費ですね」


「神力300も……」


 むは! またきたよ! ミカ様のこの申し訳なさそうだけど、私のためにそんなにしてくれるなんて顔! 可愛いぃぃぃぃぃぃぃ!


「あれ、でも私の白花に聖樹の祝福をくれた時も、神力消費していたの?」


 む? あれ? あの時は神力消費なかったよな。

 別なのか…聖樹の祝福とは別の能力?


 いや、そもそもこの祝福を与えることだって「聖樹の祝福の1つ」なのだろう。

 聖樹の祝福とは大きな意味の言葉だ。

 その中に、僕の神力を使える能力や、ミカ様の白花の花びらが増えたことや、祝福を与えることなど全てが含まれているのだ。


 白花の花びらが増えたのは、特典アイテムの能力強化だと思っていた。

 なら文無しの太陽の光も、能力強化してあげられるか?


「ガブリエル様。ちょっとこの木の棒を持って祈りを捧げてもらっていいですか?」


「やる~♪」


 文無しは木の棒を持って祈りを捧げる。

 さすがは腐っても大天使様だ。神に祈りを捧げる姿勢は様になっている。


 太陽の光へ……聖樹の祝福を!


「あっ!」


「どうですか?」


「なんかびびっときた!」


 びびっときたってどういうことだよ。


「ガブリエル様の特典アイテム太陽の光に何か変化ありませんか?」


「う~~~ん」


 文無しは指に光を宿してみる。

 光の強さが増しているように思えるけど。


「う~~~ん。そもそも自分に太陽の光は使えないから分からないよ。ちょっとミーちゃんに太陽の光を与えてみるね」


 ミカ様に太陽の光が注がれる。


「あっ……これ分かった。たぶんルシラ君の聖樹の祝福で、ガブリエルの太陽の光に追加効果がでているわ。私の闘気と魔力が回復していくの。闘気と魔力の回復効果だわ」


 おお~、なかなかの追加効果じゃないか。


「今までそんな効果あった?」


「ううん。仲間に見捨てられる前に、太陽の光で傷を癒してあげたことあるけど、そんなことなかったよ」


「間違いないですね。太陽の光は闘気魔力も回復できるようになったんですね」


 嬉しい追加効果だけど、文無しが自分を回復することはできない。

 そこもできるようになれば良かったんだけどな……欲張り過ぎか。


「ルーちゃんのおかげだね♪ あ、真なる魔法は?」


 チッ、覚えていたか。


「そっちも今しますね。また木の棒を握って祈りを捧げてください」


 今度は祝福を与えるためのステータス画面を出す。



♦♦♦


名前:ガブリエル  性別:女  年齢:10歳

種族:ハーフエンジェル   身長:140(162)  3サイズ:92(F)/58/87

祝福:


♦♦♦



 文無しはFと。

 しかし3サイズの表示がおかしい。

 この身体でこの数値表示はおかしい。

 おそらく元の身長からの表示だろう。

 計算するのが面倒だとか、よく分からなかったとかじゃないからな。

 140の横にカッコ書きされている162が元の身長なのだろう。


 ミカ様と差別したら文句言うだろうな。

 仕方ない。


 水魔法、光魔法を祝福する。

 水魔法を祝福したら、氷魔法が表示された。

 氷魔法を祝福する。


「お~! 感じるよ!」


「ガブリエル様には水魔法、光魔法、そして氷魔法の祝福を与えました」


「ちょ、ちょっとガブリエル! ルシラ君の神力なのよ」


「いいじゃない。それに祝福で消費した分の神力なら、決闘であげるよ?」


 あ、そうか……文無しから回収すればいいのか。


「その手があったわね。ルシラ君、私も祝福の分の神力を」


「いえ、神力はいりません。僕は、僕の力でミカ様を祝福したいんです!」


 よしきた! 好感度アップきた! 格好良かったよね?!


「そっか~。ルーちゃんがそう言うなら~」


 文無し。お前は神力よこせ。

 くそっ! ミカ様の好感度を上げるために、文無しからも神力を回収できなくなってしまった!


 あれ? 待てよ。

 この祝福って自分にもできるんじゃないか?


 木の棒を持って自分の祝福のステータス画面を出してみた。



♦♦♦


名前:ルシラ  性別:男  年齢:18歳

種族:人間   身長:174

祝福:


♦♦♦



 男に3サイズは不要と。


 よし! 自分にも土魔法と闇魔法の祝福。

 土魔法の上位は木魔法だった。

 木魔法にも祝福!


「よし。自分も祝福できました。土の上位は木魔法でした」


「お~自分にもできるんだ! ルーちゃんも強くなったんだね!」


 技能欄を見る。

 土魔法が、(真)土木魔法になっている。

 土棒技も、(真)土木棒技になっている。

 技能欄では共有しているのか。


「ミカ様、ガブリエル様。技能欄を見てください。上位魔法は下位魔法に含まれて表示されていると思います。別々にレベルを上げる必要はなさそうです。それと武器の属性技にも上位の魔法属性が一緒に追加されているはずです。そして真なる魔法が解除されたので(真)の文字が追加されているはずです。」


「本当だわ……」


 マリア様の(真)光魔法にレベルはなかった。

 僕達にはある。僕達の強さはレベルによって制限されている。

 力の使い方は熟練によって変わるけど、力の量や強さの上限は定められてしまっているのだ。


 僕達3人は、しばらくステータス画面を見て、あれこれと効果を確かめて話し合いを続けた。


 文無しがやけに楽しそうだった。

 自分が悪いとはいえ、仲間に見捨てられたのはショックだったんだろう。

 ちょっとだけ文無しにも優しくしてあげようと思った。








♦♦♦


名前:ルシラ  性別:男  年齢:18歳  神力:502  レベル:28

種族:人間   身長:174

闘気魔力:28  

技能

 武器:棒術3 体術3 盾術2 (真)土棒技3

 魔法:(真)土木魔法3 (真)闇魔法3

 補助:闘気強化3 闘気量上昇2 魔力強化3 魔力量上昇3

カード:ゴブルン

装備:闇の服 土手袋

レアアイテム:伝説の木の棒 金剛石(極)


♦♦♦


名前:ミカ  性別:女  年齢:20歳  神力:20万  レベル:30

種族:人間  身長:164  3サイズ:94(G)/57/88

闘気魔力:30  

技能

 武器:剣術3 体術3 盾術3 (真)火炎剣技3

 魔法:(真)火炎魔法3 (真)光魔法3

 補助:闘気強化3 闘気量上昇3 魔力強化3 魔力量上昇3

カード:

装備:片手剣ブロードソード ユリ鎧 サクラ盾 火光の手袋

レアアイテム:白花


♦♦♦


名前:ガブリエル  性別:女  年齢:10歳  神力:5万  レベル:4

種族:ハーフエンジェル  身長:140(162)  3サイズ:92(F)/58/87

闘気魔力:4  

技能

 武器:銃術1

 魔法:(真)水氷魔法1 (真)光魔法1

 補助:魔力強化1

カード:鬼娘 瞬間転移

装備:魔力銃(小型) 水法衣

レアアイテム:太陽の光


♦♦♦


名前:マリア  性別:女  年齢:30歳

種族:人間   身長:160  3サイズ:98(I)/58/89

祝福

 魔法:(真)光魔法

装備:不明


♦♦♦



※ルシラとミカはゴブルン戦で大幅にレベルアップ

※ミカの方が稽古依頼を多くこなしているので、レベル先行

※技能のポイント表示削除 常に0なので表示する意味なしなので。

※装備の簡易化。戦闘に関連する装備だけ表示します。服や靴は何かしら着ているということで。

※所持金削除。今後所持金の計算をすることはありません。それが必要となる話はこの先ありません。


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