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Infinite Abilities Online   作者: 星長晶人
流れる冷水編

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竜紋とDDD

 遅くなりました。

「……」


「それは何だ? 武器なのか?」


 白蛇は怪訝な顔をしていた。


「……ああ。アルファ・ディ・ベルガリエだ。超古代兵器でな。俺が持つ中でも桁違いの威力を誇る」


 リューヤがアルファ・ディ・ベルガリエに触れると、取手が出現し、それを掴む。


 まあ、あのコンビを使えば匹敵するかもしれないが、と心の中で呟く。


「人間ごときが使う兵器など、私の鱗を傷付けることも出来ないわ」


 白蛇は嘲るように笑う。


「……まあ、喰らってみればわかるさ」


 リューヤは肩を竦めて言うが、自信があるようだった。


「……」


 砲口に光が収束していき、二つのレーザーが放たれる。


「ッ!」


 それらは白蛇に向けられたモノではなかったが、周りにいた白蛇は一掃された。


「なん、だと……?」


 白蛇は驚愕してリューヤを、いや、リューヤの持つアルファ・ディ・ベルガリエを見ていた。


「驚いてるとこ悪いが、まだまだ威力は上がるぜ」


 再び砲口に光が収束し始める。


「……いいだろう、全力で殺してやる!」


「……ああ。俺もお前を殺す!」


 リューヤは砲口に光を収束させたまま駆ける。


「っ!?」


 大砲は遠距離で使うモノだと言う常識が白蛇を驚かせる。そもそも、遠距離だけで使うなら取手はいらない。浮いていても任意に撃てるのだから。


「悪いが、俺は近距離の方が好きなんだよ」


 動きが遅れた白蛇の眼前に跳び、アルファ・ディ・ベルガリエを至近距離で向ける。


「っ! ーーがあああああああぁぁぁぁぁぁ!!」


 さすがに危険だと感じたのか、咆哮してリューヤを怯ませる。


「……あいつらと契約しても怯まされるとはな」


 咆哮による怯みは状態異常ではないが、三蛇と契約したことによって大概の咆哮は効かなくなった。それが効くと言うことは、三蛇が力を合わせても白蛇には敵わないことを示している。


「ふん。あれらと来ればさほど差はなかったのだが」


 怯みがすぐ解けたことがそれを示している。


「……悪いが、恩人を殺せとは頼めないな。その恩人を殺そうとしているヤツが言えることじゃないが。……第一、俺がお前に怒ってんだよ。あいつらのためじゃない」


 リューヤは白蛇を睨む。


「人の善心につけ込んだこと。人を物扱いしたこと。ーー俺の仲間に手を出したことに怒ってんだよ!」


「ははっ。偽善者がよく言う。情が移ったのか?」


 白蛇は嘲笑する。


「……お前、ウザいな。いいやもう。殺すから」


 リューヤは急に無表情になる。


「?」


 雰囲気の変わったリューヤを見て白蛇は首を傾げる。


「……『ウエポンチェンジ』」


 リューヤは最高の武器、アルファ・ディ・ベルガリエを変えた。


「? 最高の武器ではなかったのか?」


「……ああ。だが、現時点での最強じゃない」


 リューヤが新たに出したのは聖竜剣・ホーリードラゴンと闇竜剣・ダークドラゴンの二つの剣。


「……スキルを重ねるとこっちの方が上だ」


「竜剣を二つだと? しかも四対の光闇邪聖の内二つか。上位属性の竜剣は二つしかないが、その内の片方を持っているとはな」


「よく知っているな」


 リューヤは依然無表情で言う。


「だが、それだけでは私に傷さえ付けられない」


「……『ドラゴンフォース』」


 まず、聖竜剣・ホーリードラゴンか闇竜剣・ダークドラゴンを使わないと使えないスキルを発動させる。


 全身から白と黒が混じり合ったオーラを発し、髪は逆立ち所々に黒が混じっている。眼は左が白になっていて、背に純白の竜の左翼と漆黒の竜の右翼が生えている。尾は黒で白いトゲがある。


「ドラゴニアの奥義だと? ……少しは楽しめそうだな」


「……『闇竜紋』、発動」


 リューヤの左手の甲が黒々しく光る。


 コートなどで見えないが、リューヤの全身に黒い筋のようなモノが走り、顔に黒い紋様が出る。純白と漆黒の翼の下に二回り程小さい竜の翼の漆黒の紋章が生える。


「ふん。竜の呪いか。大して私に勝てるようには見えないが?」


「アルファ・ディ・ベルガリエだと『ドラゴンフォース』が使えない。だからこれなんだ」


 それに、相性の問題もある。


「……『ドラゴン・ドラグーン・ドラグオン』」


 リューヤが、最後の仕上げをする。


「っ!?」


 白蛇が驚愕に目を見開く。


 リューヤの全身や顔の所々に鱗が生え、装備が侵食される。黒一色の衣類も、エリアボス限定防具の数々も、両手に持つ二つの竜剣さえも、『竜』に侵食されていく。


「竜紋を持っているからか! だが、それはヒューマンが使える程のスキルではないハズ……」


「……知らねえよ。まあ、楽しむ余裕なんて与えないぜ? すぐにお前を殺すから」


 リューヤは無表情に、しかししっかりとした怒りを持って白蛇まで駆けていく。


「出でよ!」


 白蛇が叫ぶと、周りに白い大蛇が無数に出現し、リューヤを受け打つが。


「……」


 リューヤは駆けながら無表情に右手を一閃させる。それだけで、大蛇は全てズタズタに引き裂かれ、消滅していく。


「なっ!?」


「……」


 驚く白蛇を他所に、リューヤは白蛇を真っ二つに斬った。


 IAOに一撃必殺の急所などはないが、貫通ダメージや消滅ダメージなどが追加される。


「くっ!」


 よって、白蛇は復活するが、HPが一本減っていた。


「……悪いが、一瞬で終わらせる」


 畏怖の念を込めて白蛇はリューヤを見るが、リューヤは全くの無表情だった。

 アルファ・ディ・ベルガリエの活躍はまたの機会です。



 次で三蛇編は終わりになると思います。

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