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Infinite Abilities Online   作者: 星長晶人
最終章

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151/165

最強プレイヤー決定戦

 最強プレイヤー決定戦の予選はかなり時間がかかるため、決勝トーナメントは翌日に行われた。


 決勝トーナメントは完全ランダム性で、身内とそれ以外関係なくトーナメント表の配置が決まる。

 当日に組み合わせが発表され、各々対戦相手に対して考え始めた。


 予選はトッププレイヤー不利だったが、トッププレイヤー同士の潰し合いはあれどトッププレイヤーが勝ち上がることは多かった。そこでトッププレイヤーはやはり強いのだという不安を拭う一手にはなっている。

 トーナメントからはただ純粋に戦いを見て楽しみにする観客も多かった。


 注目の初戦。エアリア対カリニャ。


 忍者系職業を極めたエアリアに対して、『戦乙女』のカリニャは遠距離戦闘職だ。巨大な弓で槍を放つ豪快な一撃で、予選では数多のプレイヤーを屠った。

 だが何事にも相性はある。


 元々AGIの高い近接職は遠距離攻撃系に対して有利に働く。特にカリニャは一発一発が重い代わりに連続して撃てないタイプだ。


 エアリアは開始早々カリニャの懐い潜り込み、擦れ違い様に『逆手持ち』した二刀で一撃ずつ入れる。だがカリニャもそうなることがわかっていたようで、避けられないにしろ一撃で倒されることを防ぐために身体を捻って急所だけは逃れている。それでも直撃はしたのでHPががくんと減った。

 カリニャは素早く後ろを振り返って槍を放つが、既にエアリアはいない。エアリアは今現在、トッププレイヤーで最も高いAGIを誇る。その上AGIや移動速度を上げるパッシブスキルを多く習得しているため、トッププレイヤー最速と呼ばれているのも納得のステータスとなっていた。スキル構成などを公開しているため、素早さを求めるのであれば見本にしやすいプレイヤーの一人だ。


「くっ……!」


 エアリアの素早さに翻弄されるカリニャだが、彼女も歴としたトッププレイヤーの一人。悔しげな表情をしつつも少しずつ槍の着弾点がエアリアに迫っていた。

 それなら、とエアリアは影分身を五体出現させる。どれが本物かわからなくなるように交錯しながらカリニャを取り囲むように位置取り、一斉に襲いかかった。手数で補えないように多方向から攻撃するのはいい手である。だがいい手であるが故に対策もされやすい。


「『ワープ』」


 六人のエアリアが攻撃を当てる寸前で、弓を構えたカリニャが空中に『ワープ』する。集まった六人のエアリアに向けて弓を構えている体勢だ。


「【覇道弓】!!」


 番えた槍から光が放たれて六人のエアリアを照らし出す。すると状態異常の麻痺が付与されて動きが阻害された。

 直後、振り絞った弓を放して強烈な一撃を発射する。放たれた槍は六人のエアリアを消滅させる――とまではいかなかった。


「……ッ」


 本体のエアリアは麻痺耐性をつけていたのか、影分身達と違って完全には麻痺していなかったようだ。直前で回避行動を取ったおかげでなんとかHPが六割ほど残っている。

 着地したカリニャがエアリアに狙いをつけるのに対して、エアリアは相棒であるテイムモンスター・鎌鼬のカイを呼び出した。エアリアはプレイヤー内最速だが、テイムモンスター最速はカイだと言われている。この最速コンビのコンビネーションこそ、エアリアの真骨頂となっていた。


 二人して縦横無尽に駆け回り翻弄してくる相手に、数撃ちゃ当たる戦法で対抗するカリニャだったが、結局はそれ以降ダメージを与えることは叶わず敗退した。


 二戦目。

 『ナイツ・オブ・マジック』のフィオナ対女将のアリーン。


 βテスト時は肩を並べて戦っていた二人が雌雄を決する時が来た。

 とはいえフィオナは前線でずっと頑張ってきていたが、アリーンは密かにレベル上げをしていたというだけで前線にはいなかった。

 勝敗を分けたのはきっと、その差だったのだろう。


「で、なんでこの大会に参加してたのよ? 攻略には関わらないって言ってたじゃない」


 HPがゼロになって消えていく親友へと、フィオナが尋ねる。


「私も戦わなきゃって、そう思ったからよ。これまでは日頃の生活を支えることが私の使命なんだって思ってた。でも……それが助けにならないことがある。結局助けにはなれないんだって思い知ったのよ。だから私も前線に立つ覚悟を決めた。この大会はその、トッププレイヤーに返り咲く決意表明ってところかしら」


 アリーンは普段の女将らしい口調をやめて以前と同じ年相応の話し方に変えた。彼女の言う「助けになれない」というのがどの時を言っているのかは想像に難くなかった。


「そう。なら歓迎するわ。――また、あなたと肩を並べて戦える日をね」


 ある種、アリーンの正式サービス開始後のプレイスタイルは逃げに走ったとも取れるモノだった。βテスト時にはトッププレイヤーだった人が、宿屋の経営に勤しんで前線から退くのだから。

 元々そうするつもりだったとはいえ、『ナイツ・オブ・マジック』のメンバーなんかは考え直して欲しいと何度も頼み込んでいた。


 それでも、彼女が前線に戻ることはなかった。そして、コンビを組んで現実でも仲がいいフィオナはアリーンに対してなにも言わなかった。ゲーム攻略には一人でも多くのプレイヤーが必要だというのに、フィオナは親友の選択になにも言わなかった。


 それをアリーンは本当は責めたいんじゃないかと自問自答する時もあったが、そんな疑念は払拭された。


 フィオナの、一点の曇りもない真っ直ぐな笑顔を見たから。


 この大会の後、アリーンがβテストの時と同じように『ナイツ・オブ・マジック』に復帰することとなるのは、この場にいた誰もがわかることだった。


 三戦目。

 『SASUKE』副ギルドマスターのアリア対『幸運の招き猫』リッキー。


 ……ただし、勝負にならなかった。


 『幸運の招き猫』というギルドはトップギルドでもない、正真正銘弱小ギルドだ。

 特徴的なのはギルドの所属プレイヤーが全員とんでもないリアルラックの持ち主ということだ。故に人数も全員で六名となっている。そのリアルラックの凄まじさは、リッキーが証明した通り。


 あの場で最もレベルが低くステータスに格差があったというのに、決勝トーナメントに勝ち進んだ。

 運良く(・・・)、それまで一切攻撃に当たらなかった。

 運良く(・・・)、最後まで残っていたレベルの高いプレイヤー二人が相討ちになった。

 たったそれだけのことだが、彼以外に運の良さで勝ち残った者がいないのだから強運ではある。


 もし真面目にゲーム攻略に駆り出していたら、物語の主人公のようにリアルラックが発動して強くなっていっただろう。


 『幸運の招き猫』というギルドは、彼のようなリアルラックの凄まじい人の集まりである。ただ一人、日頃から「不幸だーッ!」と叫びたくなるほど幸運に恵まれないギルドマスター以外は。

 ギルドマスターは自分が不幸体質だと知っているからこそ、デスゲームに挑む勇気を持てなかった。そこで、幸運なプレイヤーではあるが勇気を振り絞れなかった者達を拾っていったのが始まりである。


 簡単に言えば、運がいいだけで戦闘力は皆無である。


 バトルロワイアルなら兎も角、一対一の勝負で運要素の絡む部分は少なくなってくる。


 結局警戒して挑んだアリアが拍子抜けするほどにあっさりと、最初の一撃で呆気なく退場していった。


 四戦目。

 『月夜の黒猫(ナイト・キャット)』ギルドマスターのショコラ対クイナ。

 『月夜の黒猫(ナイト・キャット)』はトップギルドなのではないかと目されながらも、前線に立たないギルドだった。曰く、攻略に興味がない。曰く、前線に立たない臆病者集団。しかして実力者揃い。


 その活動目的はあまり噂にならないが、初心者プレイヤーとNPCの保護と援助だ。


 彼らは総じて、このゲームをただのゲームと思っていない。それだけIAOというゲームのリアルさに魅せられてしまったプレイヤー達の集まりだ。

 だからこそ、戦いに出られず身を守る術を持たないプレイヤー達と、本来命のないNPCを守るために活動している。


 対するクイナは当初からトッププレイヤーの一人として数えられてきた、砲撃の名手。高火力にしてド派手。なにより本人が物凄く楽しそう。


 ショコラの風貌は、控えめでしなやかなボディラインの出る黒いスーツを着込んだ女性だ。猫の獣人を種族にしているのか、暗い紫の毛色を持っている。全身が暗めでありながら、月のように黄色い双眸が妖しく輝いているようにも見えた。


 勝負の開始と同時に、クイナが特大の大砲を設置してショコラに狙いを定める。砲弾ではなく光線を放つ大砲や砲弾が無数に分かれて広範囲に広がる大砲などを駆使してショコラに攻撃するクイナだったが。


 ショコラはそれらの全てを完璧に回避してみせた。


「うにゃっ!?」

「掠ったら死んじゃうにゃ!?」


 などと言いながら、一発も掠っていない。本当に余裕はないが、ちゃんとノーダメージでスキルを行使したトッププレイヤーの攻撃を全て避ける辺り、彼女の強さが出ている。

 しかも着実に距離を詰めており、


「にゃふふ……背後取ったにゃ!」


 砲撃を乱発するクイナの背後を取った。手に持っていた短剣で隙だらけのクイナに一撃入れるかと思ったが。


「『身代わり』」


 彼女が短く呟いた言葉によって、設定されていた『身代わり』がクイナの立っていた場所に現れる。――それは前後に弾を放つ特異な大砲だった。クイナ本人は十メートル先に移動している。


「これならどうかな?」


 クイナは『遠隔操作』で出現させた大砲から砲撃を放つ。してやられた形のショコラは砲撃をまともに受けてしまった。


「にぎゃーっ!!」


 それでも叫び声に余裕がありそうなのはどういうことだろうか。

 素早さはかなり高く振っているのがわかるが、防御に振っていそうな雰囲気はなさそうだった。砲撃一発でHPが半分ほど削れたことからもその印象は間違っていない。


「……流石にトッププレイヤーは強いにゃあ。これはアタシも本気ににゃるしかにゃいか」

「あれ? 手加減してたの? だったらショックだなー。これでも強いつもりだったんだけど」

「違うにゃ。コレは仕事の時以外使わないって決めてたにゃ。アタシなりの拘りってモンかにゃ?」

「へぇ? じゃあその拘り捨てて本気でやってくれるんだ?」

「そういうことになるにゃ。……やっぱり、死に立ち向かうトッププレイヤーは一味違うにゃ」


 ぼそりとつけ足した言葉は、クイナの耳には届かなかった。


「じゃあこっからは本気も本気、お仕事モードでいくにゃ!!」


 ショコラは言い放って銀色の仮面を取り出し装着して目元を覆う。逆に言えば、それだけだった。


「――夜ではないけれど、今日は特別よ。胸を借りるつもりで挑ませてもらうわ」


 しかしそれだけで、ショコラの放つ雰囲気ががらりと変わる。仮面を着けた姿こそ『月夜の黒猫(ナイト・キャット)』のもう一つの顔。義賊紛いのことをやっている怪盗団の証である。……プレイヤーにとっては名前が表示されるので意味はないが。


「うん、かかってきてよ!」


 当然、クイナもショコラの宣言に笑って答えた。

 ショコラ含むギルドメンバーが全員、仮面を装着すると全ステータスが上昇する『仮面武闘』のスキルを習得している。

 クイナも全力で応えたのだが、結果はショコラの勝ちだった。


 勝因はクイナがあまり近接慣れしていないことだ。最近のクイナはリーファンとコンビを組んで近接を任せていることが仇になったとも言える。


「いい勝負だったにゃー」


 勝負がついて仮面を外したショコラがいい笑顔で言った。


「うん! で、どっちがキャラづ――」

「それ以上は言っちゃいけないのにゃー」


 ショコラの禁忌に触れたようだ。変わらない口調と底冷えするような瞳で警告していた。


 五戦目。

 『格闘国家』ギルドマスターのタケル対『軍』ギルドマスターのダッカス。


 タケルは武器を使わない徒手空拳でしか戦わない。上半身の盛り上がった筋肉を惜しげなく晒し、下半身の道着以外は靴も履いていない。アクセサリーの類いもないため、装備品によるステータス補正もほとんどない状態である。それでいてトッププレイヤーなのだから余程のことだろう。噂では現実世界で格闘をやっていたらしい。

 台頭が途中からなのは、人相手の格闘術とモンスター相手では感覚が違うため、その感覚を掴むためにずっと修行していたからだというのだから筋金入りだ。


 対するダッカスは、メッシュ亡き後崩壊しかけた『軍』をなんとか立て直したプレイヤーだ。『軍』という場所を壊したくなくて一生懸命頑張った結果が今のギルドマスターという地位だ。

 実力ではトッププレイヤーに並ぶというほどではなく、戦闘スタイルもメッシュとは違って戦士系。それでもトップギルドのギルドマスターだからと用意された枠に恥じない戦いをしようと愚直に頑張った結果、決勝トーナメントに勝ち上がることができた。


 ただやはりトッププレイヤーと戦えばわかる。


 ダッカスは真のトッププレイヤーとは良くない意味で一線を画す。

 それでも恥だけは晒すまいと最後まで全力でタケルに立ち向かった。


「うむ! 見事な戦い振りだった! やはり漢はそうでなくてはな!!」


 タケルがでかい図体を揺らして労い、メッシュの裏切りによって落ちていた『軍』の評判が僅かに回復するくらいには、意地を見せたのだ。

 それを見て現在の『軍』メンバーが、やっぱりダッカス以外にギルドマスターはいないと再認識して戦いを称えやる気を出すのも、当然だったのだろう。


 六戦目。

 『一夫多妻(ハーレム)』のラウネ対『狂戦騎士団』副ギルドマスターのヴァンツ。


 ベルセルクの右腕だけあってヴァンツは強いのだが、ラウネの方が強かった。

 ラルネの戦い方はテイマー系でありながら特殊で、契約したモンスターの力を自分に宿して戦う。普段は気弱なのだが、モンスターを宿すとモンスターの性質に若干性格が影響される。テイマーながらも自らが前線で戦う珍しいタイプだ。


 ヴァンツは戦闘狂集団のNo.2だけあって、真正面から力によるごり押し。多分一回死んでみたかったんだろうな、とは彼をよく知る戦闘狂の頂点に立つプレイヤーの言である。


 ラウネが勝利を収めて次に駒を進めた。


 七戦目。

 『暗黒魔術師団』副ギルドマスターのモーガン対センゾー。


 決着は最速だった。

 モーガンは弱くない。むしろ魔法による殲滅力でならツァーリとリィナに次ぐとすら言われているほどだ。だが、センゾーは強すぎた。


 下馬評では、センゾーとメアが最強を争うだろうとされている。

 トーナメントも勝ち抜けば二人が決勝でぶつかり合うようになっている。そう予測する者がほとんどだった。


 だが、ダークホースは八戦目にいた。


 『ナイツ・オブ・マジック』ギルドマスターのジュンヤ対UNKNOWN。

 片やトッププレイヤーを率いており、四大刀剣のエクスカリバーを持ち、メッシュが手にしていた『神聖七星剣』のスキルを獲得した、文字通り騎士の頂点。

 九十階層の突破に至る時であっても、彼の防御は貫けなかったとされている。


 エクスカリバーが防御寄りの効果を持つこともあって、おそらく『SSS』とセットで使うのが強いのだろう。『SSS』を持ったメッシュを倒すことで手に入ったという状況から考えてもそうだ。

 その二つを所持するジュンヤは、アリシャから今目の前に立つ男の情報を聞いていたため最初から全開で挑むことにした。


 UNKNOWNは黒い仮面を装着し、黒いローブで頭から全身を覆った風貌だ。怪しいことこの上ない。予選では武器もアビリティも使わずに徒手空拳で次々とプレイヤーを倒していったという。タケルと違って格闘のスキルを使っている様子はなかった。もしかしたら恐ろしくステータスが高いのかもしれない。


 ジュンヤが戦闘準備をしたと見て、相手も武器を取り出した。『ウェポン・チェンジ』などは一切なく、虚空から漆黒の大きな鎌を出現させる。


「来いッ!!」


 ジュンヤが盾を構える。既にエクスカリバーの能力は発動させた。エクスカリバーは必殺の一撃を放つ他に回復が早まる効果と防御力を上昇する効果を持っている。加えて特定のクエストをクリアすることで『円卓の王』というスキルが追加され、伝承でエスクカリバーを手にしたアーサー王の伝説になぞられた効果を会得した。アーサー王に仕える円卓の騎士達それぞれに由来した能力を使用できるのだ。

 今効果を発揮しているのは、その中でも【ギャラハッド】と【ガウェイン】である。盾を構えた時の防御力やダメージ軽減が上昇して、日中帯太陽の下でステータスが大幅に引き上げられる。


 つまり、攻撃しても大したダメージが与えられず『神聖七星剣』に耐性を獲得させてしまうばかり。その上あの場にいたトッププレイヤー以外にスキル効果が知られていない。

 突破はかつての最強プレイヤーですら叶わなかった。


 だが、UNKNOWNは無造作に、しかし素早さ特化のプレイヤーかと思うほどの速度でジュンヤへと肉薄した。そして遠心力をつけて両手で柄を握った鎌を大きくジュンヤの持つ盾に叩きつけるように振り回した。


「……えっ?」


 それが齎した結果に、誰かが呆然とした声を漏らす。あるいは、ジュンヤ本人のモノだったかもしれない。


 相手の一撃を盾で受けたはずのジュンヤの身体が弾かれて、大きく体勢を崩したのだ。

 プレイヤー中最高の防御力を誇るはずのジュンヤが、あっさりと防御を崩された。それは他のトッププレイヤーですら異常と感じるほどの事象だった。しかも、なんのアビリティも使っていないような、通常攻撃でだ。


「……本来起こり得る事象を逆転させるスキルが、確率で発動したようだ」


 唖然とするジュンヤに無機質な男の声が告げた。ジュンヤはそんなスキルの存在を知らなかったが、どうやら本来「攻撃を受け切る」はずだったのが逆転して「攻撃を受け切れない」になってしまったということらしい。

 容赦なく二撃目を入れられ真っ二つにされたジュンヤは、呆気なく敗退した。


 この事態に、コロシアムは騒然とする。

 謎のプレイヤーは、トッププレイヤーではないがなんの因果か強スキルを手に入れたのだと予想されることになった。


 敗退したジュンヤは、組み合わせが決まった時に相談していたアリシャを探すのだが、結局見つからなかった。連絡を入れても応答がなかったので、なにか手を離せないことが起きたのかと思うが、直前までは観客席でウインドウを操作していたようだ。


 あのプレイヤーには自分達も予想していないようなナニカがある。


 そう思わずにはいられないジュンヤであった。

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