レベル上げ
すみません。
いいサブタイトルが思いつきませんでした。
「ん。魔法使いがLv15になった。レベルは5アップ」
早いな。あれだけの数を倒せばめっちゃ上がるんだろうな。
「おぉ。魔法戦士がLv15だ。レベルは2アップ。結構な経験値だな」
魔法戦士はまだMAXにならないな。
「よしっ。じゃ、頑張って今日中にMAXにするか」
「うん。張り切って」
その後は、アリシャが【サンダーストーム】を使えるようになったことも含めて、順調にレベルが上がり、夕方ギリギリでMAXになった。……もちろん、アリシャの魔法使いが、だが。
▼△▼△▼△
「今日はありがと。おかげで助かった」
「いいって。じゃあ、また明日売りに来るからな」
アリシャの鍛冶屋に着いて、アリシャと別れた。
「さてと、掲示板でも見とくか」
広場に向かう。
「おっ?」
掲示板の前に人だかりが出来ていた。
「何々? ……カリムタウンへの鍵は手に入った。西の草原の覇者はリューヤだ」
って、俺じゃん! ……逃げよ。
「お・に・い・ちゃん」
おおう?
「り、リィナ……?」
俺に話しかけてきたのはもちろん、リィナである。
「なぁんで、お兄ちゃんの名前が掲示板にあるのかなぁ?」
「……人違いだと思います」
「残念でした。IAOでは同じ名前がないようになってますぅ」
それは初耳だ。
「……ああもう、俺がやりました。鍵も持ってます。……これでいいんだろ?」
ヤケ気味に言って、リィナを見る。
「うん。お兄ちゃん、あれのせいで有名になってるから、南の森調査隊に入れようって必死だよ?」
「別にいいけどな。元々参加する気でいたし」
「そうなの? それで、西の草原のエリアボスは?」
「ん? ジャイアントゴーレムだったな」
βテスターなら知ってると思うんだが。
「うん。ありがと、お兄ちゃん。私はお兄ちゃんの参加とかの報告があるから、行くね。バイバイ」
「ああ。またな」
忙しいんだな、リィナも。
「さてと、飯食ったらまたフィールドに行くか」
結局のところ、暇だしな。
▼△▼△▼△
「ふあぁ……」
俺は起きて大欠伸をする。
「昨日の内に魔法戦士はMAXにしたし、今日は転職でもするか」
だからちょっと遅くなってしまった。
ピピッ。
「ん?」
目の前にアリシャ、と表示されたウインドウが出現した。
「ん、何か用か?」
タッチして、アリシャの顔が映る。
『ちょっと来て』
「はいよ。ちょっと待ってろ」
アリシャに言って、切ってから宿を出た。
「おっす」
「おはよ」
アリシャの鍛冶屋に着いて、短く挨拶する。
「何のようだ?」
「ユニークスキル、出た」
「マジか!」
運がいいな。
「『魔装』。対象に魔法を付与した装備を装備させられる。……多分、入手条件は魔法使いと鍛冶職をMAXにすること」
サポート系なのか? いや、自分に装備して戦えば強いな。
「これと、魔装使いがその専用職」
凄いな。
「俺もいつかやってみよ」
面白そうだ。
「とりあえず、リューヤもステータスチェックして」
まあ、いいけど。
「う~ん。おっ? 新しいスキルがあるな。『一騎当千』だって。全体攻撃アビリティが多そうだな。入手条件は、多分あれだ。一人で多くのモンスターを一掃するとかそんな感じだな」
【飛燕斬】っていうアビリティが増えたし。他はまあ、スキルレベルが上がって覚えたヤツだな。
「これ、教えた方がいい?」
「別に、どっちでもいいんじゃないか? まあ、公開した方が繁盛するかもしれないが」
アリシャが決めればいい。
「そう。じゃあ、教える。面白そうなスキルだから」
アリシャはそう言ってウインドウを開く。何をやるのかはさっぱりだ。
「掲示板に書き込む」
いい考えだな。総合掲示板は人目につくし。
「スキル『魔装』。鍛冶職人と魔法使いをMAXにしたら出た。下位職の魔装使いも出る。効果は対象に魔法を付与した装備を装備させる。……と」
口に出しながら書き込む。
「プレイヤー鍛冶店・knightより」
ちゃっかり宣伝してるし。
「リューヤの情報・武器は現時点最強、レベル十後半」
おい、何書き込んでんだよ。
「情報を勝手に漏らすなよ」
ここに来ることがバレるかもしれないだろ。
「まあ、いいけどさ。とりあえず昨日集めた海辺のモンスターの素材でも売るか」
そんなことを気にしても仕方がない。
「素材的には西の草原よりいいのが造れるけど?」
「じゃあ三つずつ、片手剣と杖、あとは長剣が欲しいな」
そろそろ転職するし。
「わかった。素材出して」
はいよ。ドサッ。蟹の甲羅や海鳥の羽根などを出す。
デジャヴを感じるな。
「二人で取ったもんだし、買い取りの金はいらないぞ」
「私も少し持ってる」
「いいから」
協力は大事だぞ、多分。
「じゃあ、『武器生成』、【一括生成】」
めんどくさくなったのか、一括で生成していた。
「うん。シーソード三つ、シーロッド三つ、ウイングブレード三つ」
海の幸で造られた装備はシー何とかって付くのか。大して強そうじゃない。
「一本ずつ売るか」
「ん。お代はその分と素材でチャラ」
それならいいな。
「転職するの?」
「まあな。やっと魔法戦士がMAXになったし、楽にレベル上げが出来る、魔法使いになろうかな、と」
東の海岸で。
「何で長剣?」
「その次は『長剣術』でも使おうかと思ってな」
まあ、片手剣士に転職した方がいいんだが。
「……わかった。リューヤにお願いがある」
ん? 何だ?
「東の海岸のエリアボス、その素材が欲しい。南の森攻略の時の装備にするように依頼された。会議で忙しいからこっちで誰かに依頼しろって」
「特殊素材なのか?」
「ううん。けど、現段階ではエリアボスぐらいでしか手に入らない」
だからエリアボスを倒してくれ、と。
「出現場所は全フィールド中最低難易度。出現条件砂浜から海に十メートル以上進むこと」
簡単すぎだろ。西とは違って準備してから挑めるのがいいな。
「イカルゴクラーケン」
イカか。でかいんだろうな。
「戦い易さで言えばジャイアントゴーレムの方がいいけど、弱点がはっきりしていて楽」
ジャイアントゴーレムは動きが遅い。イカルゴクラーケンは十本ぐらいの足がある訳だしな。




