番外編:そして魔王は西より来る-5
【宝塚記念】サタン世代さん、強すぎる【反省会】
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
宝塚記念
1着スティールソード4牡
2着ラストラプソディー4牡
3着ストームライダー4牡
ぐう最強
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
ライダーはともかく、ラストラプソディーまで上位に突っ込んでくるとは思わなかった
そのせいで馬券外した川澄氏ね
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
鉄剣はまたしても展開に恵まれたな
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
後差しが決まった結果にはなったが別に恵まれたってほどでもないような
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
逃げるライダー差せる馬がどんだけいるんだって話ではある
勝った鉄剣とラプソディーより前に居た馬はバテてて
後ろに居た古馬は届いていなかった
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
鉄剣もダービーじゃライダーを抜けなかった訳だしな
まあその更に前にS氏がいたんだけど
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
ダイランドウが大乱闘してなきゃライダーが勝ってただろ
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
ライダーが59秒台前半だからペースそのものはそれほど無茶でもなかった
開催最終週の馬場でそのまま後半までフラットに走って最後もう一度伸びたんだから
やっぱこの馬強いよ
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
ライダー、最後キャリオンを差し返したのは好材料だな
どうも並ばれたり抜かれたりすると弱いような印象がずっとあった
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
ダイランドウだけマイル戦してたせいで1000m通過後も3コーナーまでのラップがかなり速い
明暗を分けたのはやっぱ3~4コーナーだな
結果から言えばライダーはダイランドウを意識しすぎた
向こう正面からもっと緩めてよかった
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
あのままダイランドウが逃げ切る可能性もあったからこその展開だとは思う
有馬は走りきったわけだし
まじでよくわかんねー馬だなww
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
4コーナーでダイランドウがヘロヘロになる事を期待していた奴は多いはずだ
ヘロヘロのダイランドウ君くぁいいなぁ~
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
伸るか反るかみたいなとこあったから負けて悔い無しいややっぱあるわ須田金返せ
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
王者の走り(歩行)
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
どうして俺はハルランマンから買ったのか
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
ノーセンスハルランマンニキは相馬眼磨いて
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
今回の宝塚でスティールソードは世代内の順位上げただろ
今年はこいつの年だよ
サタンなんかめじゃない
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
レース前に春天の結果は宝塚には結びつかない
ましてや展開に恵まれたフロックのスティールソードは絶対にないとか言ってた奴
絶対に許さないからな
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
でもよぉ、お前それ信じて鉄剣切ったんだろぉ?
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
???「ぜんぜん違うじゃん! 言ったよね?!」
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
つーか細原GⅠ二勝目か
おめでとう
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
若手が伸びるのはいいことだな
八君はどうなるか
キャリオンで勝てそうな気もするが、正直国内は時代が悪いとしか……
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
鉄剣もクラシックの時は二番手どころか三番手も怪しいような評価だったが
いまや古馬GⅠ2勝だからな
中長距離古馬戦線で頭一つ抜けた感ある
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
俺は去年のモデラートがだぶるが……
サタン帰ってきたらまじで去年のモデラートとクエスの焼き増しになるんじゃねえのw
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
モデラートは展開苦しかったとはいえちょっと付いていけてなかったな
有馬の時からそうなんじゃないかと思っていたが
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
モデラートはヨーイドンで勝つタイプの馬だからなぁ
サタン世代が作る高速ラップのレースは向いてない
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
こいつらと戦って勝ってるS氏とかクエスって一体何なんだろうな
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
サタンに勝ったモデラートに勝ったクエスに勝ったサタンに勝ったモデラートに……
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
S氏とクエスも1勝1敗だしまだまだ世代の白黒は付いてないな
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
総合力なら4歳世代だと思うけどなー
てかサタン世代とかくそださい名前つけるのやめようぜ
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
ならクラシックまで時間を巻き戻して嵐世代とでも呼ぶのかね
まあ普通にリアルタイムで見てる分には4歳世代で通じるからそれでいいけどな
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
スティールソードでサタンやクエスに勝てるのかって言われると、うーんって感じ
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
いやそんな絶対勝てないほど強くもないだろサタン。
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
大阪杯でハナ差だったしな
全然紛れはあると思うが、やっぱ絶対出負けしない逃げ馬ってのは安定感がちげーよ
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
丸いのとクエスの凱旋門賞も楽しみだけど
やっぱ競馬場で生観戦できる国内戦のほうが楽しみだわ
名無しさん@競馬板 20NN/07/02
どうなるんだろうな
やっぱサタンが出てきてから競馬おもしれーよ
馬券ちっともあたらねえけど
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それは夏真っ盛り。
宝塚記念より二週間。七月の初週のこと
文昭は美浦トレーニングセンター内を移動していた。管理馬の調教が終わり、一休みしようとしていた所だった。
スティールソードは宝塚記念勝利後、秋へ向けて休養のため生まれ故郷の北海道の牧場に放牧に出された。文昭としては心寂しく感じる夏でもあった。
騎乗の予定が入ったら、ついでに会いに行こうかな。そんな事を考えていた文昭に声がかかる。
「おっ、ドリームキャッチャー文昭君じゃないか」
「あ、横田さんおはようございます」
引退宣言より騎乗回数を減らしているせいか、割と暇を持て余していると見受けられる横田友則だった。今日も若手の仕事を奪うため、暇つぶしで調教に乗りに来ている様子だ。
同じ美浦所属の騎手として諸々の手ほどきを受けていた文昭にとって、横田は頭の上がらない相手の一人である。
とはいえ別段苦手意識があるわけでは無い。お茶目な部分も含めて付き合いやすい人間であると感じるし、横田の側も年齢差から直情的な文昭の性格を若さとして受け入れるだけの余裕があった。
「今日皆でマルッコのサンクルー大賞見るんだけど、うち来る?」
「え? お邪魔していいんですか?」
「いいよいいよ。折角だし皆で見ようよ。細原家、家電とか弱そうだから衛星放送とかないでしょ?」
「いや確かに無いですけどすげー偏見ですねそれ」
「いやーだって知ってる? 君のお父さん、昔僕に『横田さん、インターネットってどこで買うんですか?』とか聞いてきたんだよ」
「……時代が時代だったんで許してやってください。あ、とりあえず夜に伺いますね。何時頃行けばいいですか?」
「ついでだし皆で軽くパーティーでもしようよ。細原、あー大吾センセーの方ね。とかも連れて来てさ。10時過ぎくらいにきてくれればちょうどいい感じかな」
「分かりました。声かけておきます」
厩舎の片付けで少し出遅れた感のあった文昭は小走りで横田宅へ向かっていた。話を聞いた父大吾はまだ日が高いうちからタダ飯にウッキウキし、その日の仕事が終わるや否や横田宅へ飛んでいった。なんでも、横田夫人の手料理は抜群に美味いらしい。
そんな話を聞かされた母は父子が外食(といっていいのかは不明だが)に出ると聞くや否や、自らは友人を伴って都心のレストランへディナーに行ってしまった。こうしてサバサバしたというか、お互いに自分勝手であまり干渉しあわないからこそ結婚し、そして夫婦生活を続けられているのだろう。
ともあれ美味い飯と聞けば期待は高まる。インターフォンを鳴らす頃には文昭もウッキウキであった。
出迎えた横田夫人に挨拶をしつつリビングへ顔を出せば、すでに出来上がった父大吾やその他先輩同業騎手たちがやんややんやと騒いでいた。
「こんばんは横田さん。お邪魔します」
「おう文昭。適当にやっちゃってよ」
「あ、はい。いただきます」
席について手近にあったちらし寿司をよそい、口に含む。
なるほどたしかに。うちの母ちゃんより何か美味いわ。
「お、そろそろ番組が始まるな」
時計の文字を読める程度に酔いの浅い誰かがそう呟くと、それまで散り散りに飲み騒いでいた競馬関係者達は一斉に大型モニタの前に集まった。
文昭は食いかけのタンドリーチキンを小皿に載せ、それに習う。
ソファーに背中を預けてグラスを転がしていた横田に声をかける。
「実際サタンって欧州だとどうなんです? ネット界隈とかだと楽勝みたいな意見が多いみたいですけど」
「向うの馬を映像でしか知らないからなぁ。それに時計で測ろうにも基準となる数字が全然違うしね。
ただ一つ間違いないのは、オーバーペースの逃げ馬は日本同様数が少ないって事だね。2000m以上で道中57秒台の馬を追いかける経験なんて、向うの騎手でも無いんじゃないかな。
あとはマルッコがどれだけ向こうの馬場に負けないか、だけど……その点は問題ないと思うよ」
「どうしてっすか?」
「冬の間に散々砂浜を走って思ったんだけど、マルッコはやっぱりパワーがあるよ。蹴りが強いから足元が悪くても掘り返す勢いで走れるし、そもそも蹄が悪路向きに深い。欧州芝にも適応できるはずだと思ってる」
「てことは、大した相手もいないここは楽勝ってことに?」
「そうだといいんだけどね」
それだけ聞くと何も不安に思う箇所は無いように思える。どこか煮え切らない態度の横田に疑問を抱きつつ、文昭は画面に目を戻した。
大型液晶ディスプレイの中では、出走各馬が静かにゲート入りを行っていた。マルッコ以外の馬は鹿毛や黒鹿毛、葦毛なので栗毛のかの馬はよく目立つ。いつも通りすんなりとゲートに収まり落ち着いた様子でスタートを待っている。
「……これはまずいな」
「え?」
「余所見してる」
カメラが正面からの視点に変わる。ゲート内の様子も伺えなくも無い状態だ。横田の指摘を受けて文昭も画面を凝視してみるが、やはり落ち着いているようにしか見えなかった。
「落ち着いているんじゃありません?」
「何か考え事してる顔だねあれは」
「そんなの分かるんですか?」
「あの馬に限っては結構分かるよ、表情豊かだから。クリスも気付いてない、ダメだなコレは。あーあ何やってるんだか」
「ちょっと横田さん。まだ始まってないんですから」
場を白けさせるような言葉を咎める。
横田はどこ吹く風でソファーに背中を預け、グラスの酒を傾けた。カラン、と中の氷が乾いた音を立てる。
画面の中では全頭ゲートに納まり、間もなく発走されようかという瞬間。外国語の解説がまとめの言葉を発しているようだ。
『ガチャッ!』
聞きなれた物とは似て非なる開閉音。
「あ」
同音異語。その場に集まった人間の口から間抜けな声が飛び出す。
「ああああああッ!」
サタンマルッコ、ゲートから出ず大敗。
相棒の間抜けな姿に、横田は一つ溜息を吐いて苦笑したという。
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暑いのは平気。寒いのは嫌い。大親友はサタンマルッコなダイランドウの馬房前。二人の男が飼葉を突いている僚馬の前で喧々諤々と議論を交わしていた。一際寂しがりやなダイランドウだが、耳を振り回して若干迷惑そうにしている。ご飯は静かに食べたいらしい。
議論を交わしているのは厩舎の主、須田光圀とダイスケことダイランドウの担当厩務員大河原だ。
「ていうと何かい。つまりは1000m通過地点がスタンド前かどうかって事か?」
「これまでの傾向からして、ほぼ間違いないんじゃないかと」
須田は疑わしげな声音で。大河原はやや自信の無い口調で言った。
何の話かと言えば、須田厩舎の大エース、ダイランドウの大暴走についてである。
昨年末、今にして思えば3歳と4歳世代の王者が居並ぶ地獄のようなメンバーの中2500mの有馬記念をタイム差1秒の5着に健闘したダイランドウ。
2500mが走れるのだから2200mも走れるだろうという須田の目算は3コーナー途中の爆発炎上という形でご破算となった。ゴール板を駆け抜ける頃にはいつかの世代戦を思わせるヘロヘロのキャンターだった。それでも完走したのだから褒めてくれとはレース後インタビューでの須田の言。
確かに目算は外れたものの、これは少々不自然な出来事だ。
いや、そもそもの話として、それまで短距離でしか走れなかったダイランドウが2500mの有馬記念で好走した事実が奇怪ではある。しかし実績として1000mを57秒台で走っておきながら、それも上の世代との戦いで5着している。ならばそれより300m短い宝塚記念を走りきるだけのモノは備わって然るべきだ。少なくとも普通の馬ならば。
春の間は安田記念を勝利し、短距離路線完全制覇を目標としていたため棚上げにしていた問題だが、夏の時間のある今の時期に原因を究明することとしたのだ。
答えらしきものを導き出したのは騎手ではなく厩務員の大河原。
『ダイスケはそこまで賢い馬じゃない。自分がその日走る距離を分かっていないはずです。
新馬戦のころから、こいつにとってのレースってのは向こう正面から始まってスタンド前のゴールを駆け抜ける所で終わってたはずです。だからレースの日っていうのはそういう物だって思いこんでいた。弥生賞も皐月賞もスタンド前発走です。向こう正面で失速したのはいつものように走ったらゴール板が無くて困惑したからなのでは。
勿論あの頃は息を入れるのもヘタクソだったので単純に息切れもあると思いますが。
それが変わったのがマルッコと併せた時で、あれで息の入れ方を覚えたダイスケは距離延長へ順応出来るようになった。そして有馬記念は1000m通過がゴール板あたりです。たぶん1コーナーを曲がる辺りで"あ、今日はまだ走るんだ"って理解したんじゃないですか。今になってレースを見返してみると、1コーナー辺りの手応えがそんな感じに見えます。国分寺さんに聞いても背中を伺うような感じだったと言ってました。
だから1000m通過地点が向こう正面の弥生賞と皐月賞の中山2000mはダメ。
直線奥から始まり小回りのコーナーを曲がりきった地点が1000mの阪神2200mもダメ。
特殊なスタート位置から始まり1週目のゴール板辺りが1000mの中山2500mはOK。
そういう事なんじゃないかなと思うんです』
この推論を聞いた時、須田は自厩舎の所属馬ながら、本当にそんな馬いるのかと疑いの眼差しを向けたほどである。暢気に走るダイスケや在りし日のマルッコを思い返し、そういう馬もいるかも知れないと思いなおしたが。
「じゃあその推論に拠るなら東京1800m、2000mは行けるってことか?」
「2000mまでいくと分からないですが、1800mは行ける筈です。あのスタート地点は安田の1600mと殆ど変わりませんし」
「それもそうだな」
「逆にジャパンカップの2400mはダメかもしれませんね。もろにスタンド前発走ですし」
「試してみないことには分からんな。何にせよ次の目標は決まっている」
東京競馬場2000m。天皇賞秋。走れるかどうか分からない。だからこその挑戦だ。
男二人の視線を受け、ダイランドウは小首を傾げて尻尾を振った。
話が全然進んでないけど気にしない!
胃腸炎で間が空いて暫くソシャゲやっていました
いや、本当に胃が痛いと楽になる姿勢がないんですね。ビビりました
治った後、ぽつぽつ書いてはいたんですが、どうも展開が面白くならなくて没にした話が何個か
閑話の閑話でそのうち纏めて乗っけようと思います。
今日から隔日更新していきます




