12F:夢のつづき-4
一般的にフランスの観光名所として知られる凱旋門は、ナポレオン・ボナパルトが建造させたパリ市内に存在するエトワール凱旋門の事を指す。
軍事的勝利を演出するための舞台装置であり、その発想は古代ローマ時代から存在した。完全な形で現存している数は少ないものの、その痕跡を各地で垣間見る事はできるようだ。
ナポレオンの時代により印象付けられた戦争と軍馬の等号。
国外の一流馬を集める国際競走を創設する際、その名を戴く事に迷いは無かったのだろう。
凱旋門賞。
本競走はクラシックディスタンスで競われる。
日本では2400mとして表記され、競馬発祥の地、英国では12F、12ハロンと表される。
ロンシャンの地で頂点を決める12ハロンの戦い。
現代に於いても尚、国際的名声を集める、欧州競馬の最高峰である。
凱旋門賞が開催される当日と前日は、凱旋門賞ウィークエンドとして数々の国際競争がフランスはロンシャン競馬場で施行される。
英国のように厳しいドレスコードはないものの、女性は華やかなドレスで着飾り、男性はそんな女性に恥をかかせない、清潔な出で立ちで挑む。花の都パリの名に相応しい華麗な社交の場となる。
そんな中、勝利への渇望にギラつく競馬関係者は主役であるにも関わらずやや浮いた存在となっていた。
小箕灘もまた、その場の雰囲気に馴染まぬ側であった。通訳を引き連れつつ、分かる限りのフランス語で挨拶をし、それらを済ませるとさっさとマルッコの元へと戻ってきたのだった。
遠くからでもすぐに分かる、日差しを浴びて美しく輝く栗毛の馬体。いよいよパドックを迎えようかというのに、栗毛の怪馬は今日も自然体だ。
「よう。戻ったぞ」
「あ、センセイ。おかえりなさい。どうでした、お偉いさん達」
マルッコとじゃれていたクニオが、間もなく迎える晴れ舞台の前に鬣を整えてやろうとブラシを取り出しながら言った。
「日本の関係者はどれも色気づいちゃってたな。勝てるんじゃないかってソワソワしてた」
「あはは。そりゃマルッコとクエスですからね。どっちも世代のナンバーワンじゃないですか。期待もされますよ」
「自分で言うのもなんだが、国内の世代王者が揃って凱旋門賞に挑戦なんて今まで無かったからな。ようマルッコ。お前色んなモン背負っちまったな」
小箕灘の投げかけた言葉にマルッコは首を傾げた。「ほら動かない」というクニオの声に迷惑そうな顔をしながら、大人しくしていた。
「甘くは無さそうだがな」
一転表情を険しくしながら、周囲を見回す。
恥も外聞も無く総力を結集してきたフランス勢。しかもどの馬も生半可な仕上げではない。それこそ昨日今日開催されてきた別のGⅠへ出場すればいくつでも勝ち取れた程に。
外敵として迎え入れられたドバイの二頭。そう、直前に追加登録を行いねじ込んできた馬がいる。ケインスニア。欧州短距離戦線で活躍したドバイ、ダーレーの馬。そして絶対王者セヴンスターズ。どちらも調子は悪く無さそうに見える。
これから人の多い場所を通ってどうなるかは分からない。小箕灘は出来れば不調であってほしいと思っていたが、嬉しくもあった。奇しくもそれは、超訳された己の言葉と似た意味合いを持っていた。
「勝負の鉄則を知ってるか? 相手がどれだけ本気かどうか、か。言い得て妙だな」
なるほど、燃えるな。フォワ賞の浮ついた雰囲気の陣営と見比べれば一目瞭然。
傍らで椅子に座り集中していたクリスへ声をかける。
「そういう訳だクリス。厳しいレースになる。だが、任せたぞ」
静かに顔を上げたクリス。透明な瞳に光が宿る。
「ハイ」
戦いの時だ。人馬は舞台へ躍り出る。
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『ご覧の番組はミドリチャンネル特別編【凱旋門賞挑戦中の日本馬を応援しよう】でございます。本日は通常のウェブ放送とは別に、ニマニマ動画その他動画サイトにてご覧いただいております。間もなく始まるパドックの解説は私こと黄島と』
『はいどーもこんにちは。竹中です』
『はい、竹中さんでお送りいたします。ね。竹中さんとご一緒していると、まるで日本の競馬場のパドックを見ているような錯覚をしてしまいそうですが、今回は世界が相手。そして私、黄島と竹中さんはフランスはロンシャン競馬場の放送席からこうしてお伝えしています。
それでは世界の名馬達を前に日本から参戦したクエスフォールヴとサタンマルッコの様子、並びに世界の有力馬の様子を見て行きたいと思います。
ではまず、竹中さん。日本の二頭。この辺りご覧になってどう思われましたか』
『クエスフォールヴの方から見ましょうか。うん。映像との比較となってしまいますが、愛チャンピオンSの時同様、後肢の踏み込みや毛艶、全身から漲る覇気と申しますか、やる気のようなもの。そういったところがですね実に素晴らしい出来となっていますよ。
好走が期待できる状態であると私は思いますねぇ。
そしてサタンマルッコ。これがもうこの馬にしては珍しい事にやる気十分といった感じでね。先程から元気良く周回していますよ。この馬との私はそれなりに長い付き合いになりましたが、これだけ集中しているレースは日本ダービー以来なんじゃないですかねぇ。
レースの鍵を握っているといっても過言ではない馬ですが、何かやってくれそうな、そんな気配に満ちていますよ』
『ありがとうございます。日本馬の状態は十分であるとのお言葉でしたが、続きまして対戦する相手であります、我々から見て外国の馬、これらについて伺いたいと思います』
『じゃあまず本命視されているセヴンスターズからですかねぇ。
んー……こうして生で見てみてもなんというか、物静かといいますか、覇気がないと申しますか。この馬はいつもこんな感じなのですが、馬体はね、さすがダーレーだと唸ってしまうような仕上がりですよ。もうここを絶対に獲るって意思をね、感じますよ。見てくださいあの引き締まった後肢の筋肉。それでいて硬いところを感じさせないんですから、いやはや世界的名馬とはこのような物かと感心しますよ。
状態は絶好といって良いでしょうね。覇気が無いというのも落ち着きと言い換えてよいでしょう。葦毛の馬体とあわせて実に不気味な雰囲気ですね。
続いてフランスの馬。リスリグ。
この馬はマイルからの参戦でね、まあセヴンスターズに散々負かされてきたお馬さんで、この距離も初めてってことでね。日本だったら考えられない使い方なんでしょうけど、陣営側も距離延長に際して夏前から時間を使っているのでね。その上での参戦であるのならある程度勝算あってのことだと思います。
区間距離のスピードでならこの馬はセヴンスターズにも勝るものを持っています。サタンマルッコのいるこのレースでそれがどのような形で発揮されるのか、そのあたりに注目したいですね。
馬体がねぇ、この馬は本当に綺麗でねぇ。マイルの体系だったものがしゅっとしてステイヤー型の身体に変わっててね。いや、実にいいですよ。この馬も強敵と言っていいでしょう。
他に、となると目移りしてしまいますね。お世辞とかではなく、ラビットとして使われる予定の馬も含めて全頭有力馬でもいいですよ。
私は、今、猛烈に感動していますよ。これだけの凄まじい馬が集まるレースに、日本で生まれて、日本で調教され、日本で活躍した馬が参戦しているんですから。
世界の壁を知った1981年ジャパンカップ。あれから日本は、日本競馬はここまで成長したんだなと。この場に立つ馬がサタンマルッコとクエスフォールヴで良かった。異端の才能と最優の才能。彼らだからこそ結果に納得できる。
見守るだけではありませんよ。応援をしたい。私は彼らに勝って欲しい。今日くらいは平等主義を捨てたっていいでしょう? 気取った態度はとりません。放送席からマイクを切って、ライアンの時よりも声を出しますよ』
『ありがとうございました。パドック解説、並びに決意表明は竹中さんでした。
今、先頭の馬が本馬場へ向かいます。凱旋門賞はもう間もなくの発走となります。
見届けましょう。日本競馬の、サタンマルッコの、クエスフォールヴの挑戦を。
レースの実況はラジオNK、河本アナウンサーです――……』
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蒼穹の遥か彼方、銀河の果て宇宙の天蓋まで見通すかのような澄み切った空。
雲ひとつ無い秋晴れの陽気の中、決戦に向かう人馬が緑のターフに姿を現す。
「ねえあなた。あなたがそうしていても、マルちゃんのレースの結果は変わらないと思うのだけど」
「うるせえほっとけ」
いつかしたような会話。メインスタンドの最上階、デザイナーが心魂注いで作り上げたという豪奢かつ華麗な内装の天覧席。中川は念でも送るようにワキワキとさせた手を、返し馬をしているマルッコへ向けていた。むしろ邪念が取り付きそうなその形相にケイコは呆れて物申したのだ。
「恥ずかしいから止めて下さいよ」
「やらない恥よりやる恥だ」
「んもう! 落ち着かないならそう言いなさいよ!」
ケイコは夫の手をとって肘掛にたたきつけた。いてえ、と呻く貞晴の手に自らの手を重ね、しっかりと握る。
「見届けるわよ。マルちゃんの行く末。いつか言ってたじゃない。今日がその時よ」
「……勝てるかなぁ」
「負けたっていいじゃない。このレースが終わったってマルちゃんは生きているのよ」
「……マルッコのレースを見ていると、時々俺、思うんだわ。あいつ、ゴールした後にそのまま燃え尽きて天国まで昇っていっちまうんじゃないかって。大阪杯の時なんかまさにそうだった。消えちまうんじゃねえか、そんな風に不安に思っちまうんだよ」
「信じましょう。あなたのお父さんの夢も乗った、あなたの子供よ。夢は覚めるけれど、消えはしないのよ。しぶとくしぶとく繋いだ道じゃない。信じて待っていましょう。ね?」
「親父か。そういや健治のやつが、俺の夢も任せたとかなんとか抜かしてやがったな。クサイ事言うようになりやがって。俺のと親父の、それから健治とお前の夢。マルッコに全部積んだら、重量オーバーか?」
「へっちゃらに決まってるわ。だって日本の夢がもう乗っているもの」
「すげえ奴だなマルッコは。あの薄汚れた仔馬が、今じゃこうして世界一決める戦いで勝つか負けるかやってんだ。そうだよな。応援してやらないといけないよな。信じて待とう。一緒に居てくれるな、ケイコ」
「ええ。勿論よ」
夫婦は重ねた手をぎゅっと握り合った。
それはそれとして、と貞晴。
「緊張して腹が痛くなった。今のうちにトイレ行っていいか?」
「んもう!」
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《皆さんどうもこんにちは、実況は変わりまして私、河本がお送りいたします。
本日はいつものラジオ放送やテレビ放送と異なりウェブ放送という事で、やや勝手の違いに戸惑っております。
さて、発走までまだ僅かに時間が御座いますので、少々私事を語らせていただきます。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、私、河本とサタンマルッコには少々の縁がございます。というのも、かの馬のJRAでのデビュー戦、阪神競馬場にて実況を担当していたのは、他ならぬ私なのです。以来、何かにつけて追いかけていたので、本日このような栄えある立場に置いていただきまして、本当に、大変光栄に思っております。
我々実況は普段、特定の馬に対して贔屓をしないよう、平等を心がけてレースの状況をお伝えするのですが、本日は海外遠征ということで、クエスフォールヴ、サタンマルッコを中心に実況していきたいと思っております。ご理解いただけると幸いです》
発走ゲート前では各馬がいよいよゲートに収まっていた。
サタンマルッコは⑯番。クエスフォールヴは⑨番に収まろうとしている。
有力所ではフランスのリスリグが①番、セヴンスターズが⑤番となっていた。
《さあゲート入りですが順調なようです。歴史的決戦を前に随分とあっさりとした、いや、そう感じるのは日本馬の挑戦を見守る我々であるからで、欧州のホースマンたちからすればこれが日常なのかもしれません。
しかし競馬とは得てしてそう、あっけなく感じるもの。我々が慣れ親しんでいる日本の競馬でさえ、ファンファーレが鳴ってから5分と経たずに結果が出るのです。戦前の期待、予想、想い、それらに掛けた時間からすれば、レースの時間はあまりにも短い。
その儚い時間の物語こそが、我々を捕らえて離さない。夢を見せてくれ、そして無事に帰ってきてくれ! サタンマルッコ、クエスフォールヴ!
今最後の一頭がゲートに納まりました!》
一瞬の静寂。
《スターァトしましたッ!
サタンマルッコまずはスタート絶好ッ! 今日も行く、今日も馬なりで前に躍り出た!
おっと、これはケインスニア、ドバイのケインスニアが猛烈な勢いでサタンマルッコの内に付いた! もの凄い出足、この辺りスプリンターの面目躍如か。
さあ二頭が外目から先頭を走ります、他馬はそこから5、6馬身離れての追走。2ハロンの標識を通過して坂を上ります。ここからがロンシャンの厳しい上り坂。
先頭僅かにサタンマルッコ、内側で変わらずケインスニア。これはサタンマルッコを自由にさせないための指示が出ていると見てよいでしょう。ぶら下がるように追走しています。二頭、コーナーへ向けて少しずつ内へ寄せていっています。
後ろに5馬身。5馬身しか切れていないぞ、5馬身離れてフランス牝馬マイルクイーンのサイキ。団子になるように各馬が密集して、クエスフォールヴは、外目の後方。隊列の後方に位置しています。
馬群が一塊に密集しつつある。このまま進むと直線で包まれる馬が出てきそうですが、あッ! 馬群の中心にセヴンスターズ! セヴンスターズ、コーナーを前にして既に包囲されつつあります!
しかし泰然としているのではないだろうか、泰然としているセヴンスターズ。鞍上のフランコフ騎手にも慌てた様子は見られない。この程度問題ないとでも言うのか、それほどまでに相棒の実力を信頼していのか。
先頭が坂を上りきります。クエスフォールヴは後方集団ぽつんと一頭追走しています。クエスフォールヴの前2馬身程にフランスのリスリグ。馬群の後ろにつけているようです。
さあ先頭のサタンマルッコが1000mを通過。通過タイムは57秒3!
サタンマルッコはフォワ賞とほぼ同じペース! しかしどうなんだこれは、これはどうなんだ。なんと先頭をちぎると思われたサタンマルッコ、鈴が付いているぞ。内に一頭、ドバイのケインスニアを挟んでコーナーへと差し掛かります。
そしてその後方、なんと3馬身もない位置に後続集団の先頭が居る! いいのかフランス、それは速いぞ! 明らかに速い! 団子になった馬群と先頭のサタンマルッコにはそれほど差がついていません。
サタンマルッコの通過タイムから逆算して中団の馬群は最後方でも59秒、59秒をもしかしたら切っているかもしれません。おかしな事になっている、これはおかしな事になっているぞ! どう考えてもペースが速い!
その点クエスフォールヴは上手く行っているのではないでしょうか。鞍上ダミアンロペス騎手の手綱に従い後方を追走。先頭までの距離から考えて1000m通過は60秒前後。ロンシャン競馬場では60秒でもそれなりに速い扱いとなりますが、クエスフォールヴのペースとしてはセーフティ。実に順調、クエスは順調だ!
先頭からもう一度見ていきましょう。
おっと、第二セクション、坂の下りに差し掛かりサタンマルッコが単独先頭。鈴をつけたケインスニアは少しペースを落としたか。サタンマルッコの真後ろに入る形になった。
サタンマルッコはフォワ賞と同じ形に持ち込んだか。坂の下りで力を抜いて走れているかどうか。クリストフ騎手の手綱は持ったまま。どうやらこの辺り、思い通りになっている。思い通りになっているように見えますサタンマルッコ。
セヴンスターズ包囲網はどうだ。コーナーに差し掛かってやや馬群が解けつつある。これだけのハイペース、このままゴールまでいけるはずもなくペースが緩みます。そしてどうやら緩むペースまでは同じにならない様子。内、外、位置が入り乱れての、ちょっと凱旋門賞にしては珍しく、コーナーの途中で珍しい形の順位入れ替えが起こっています。
これは思ったより前に出たセヴンスターズに釣られて包囲網を敷いた馬が先にバテてしまったのか。思いがけぬハイペース、果たしてどの陣営がどの程度想定内であるのか、今の段階ではまるで分かりません!
これらを前に見てクエスフォールヴ。間もなくコーナーが終わりフォルスストレートに入ろうかというところ。ダミアン騎手がクエスを外へ持ち出した。抜きにかかるのかクエスフォールヴ。
レースも中盤、フォルスストレートに入ってからサタンマルッコと中団の差が開き始めている。5、6馬身といったところ。やはり高速ペースはこちらに分があるか、淡々とラップを刻むサタンマルッコ。
中団の塊を前にクエスはどうだ、ばらけた馬を外から交わして順位を上げるクエスフォールヴ。同じ道を利用してフランスのリスリグも上がってくる。ラチ沿いの馬と順位を入れ替える格好となった。
セオリー通りにするならばここはじっと堪えねばならない所。しかし序盤はあまりにハイペース、セオリーの裏を取るならここで順位を上げる判断は妥当なのかどうか。
あっ! ここでセヴンスターズ完全に包囲を抜けた! 外から上がるクエスフォールヴに付いていくような格好で外目に持ち出し位置を上げていきます。
包囲していた馬達はどうだ、前目につけていたフランスのマイル牝馬サイキ、ダンクスメイ、プリマミニエルあたりが内で位置を維持している。
クエスフォールヴ現在先頭サタンマルッコから5番手のところ、7馬身差まで上がってきた。外を通っているのでもう進路は問題無さそうだ。位置が落ち着いて少し息を入れ始めている様子。
先頭のサタンマルッコは手応えどうだ。鈴が付いた状態でまだ脚が残っているのかどうか!
さあ間もなくフォルスストレートが終わり最後の直線がやってくる!
先頭サタンマルッコが直線に入った! 懸命にサタンマルッコ! リードは2番手ケインスニアまで5馬身はある! その後ろ、順位を入れ替えて内からサイキがやってくる!
クエスフォールヴはサタンマルッコを射程に捕らえたか、5馬身程の位置で脚を溜めている! そしてその後ろにピッタリとセヴンスターズ、不気味にリスリグ!
先頭サタンマルッコ400mを切った!
ケインスニアはずるずると後退!
内の方サイキは伸びてこない!
先頭サタンマルッコ!
さあここでクエスフォールヴに鞭が入った!
クエスフォールヴ伸びてくる! クエスフォールヴ伸びてくる!
サタンマルッコリード2馬身!
クエスフォールヴ伸びる! 外はセヴンスターズを交わしてフランスのリスリグ!
ああこれはっ、リスリグがクエスを交わす! リスリグ脚色がいい!
サタンマルッコまだ1馬身程リード! 粘る! 粘る粘る!
リスリグ脚が止まったか! リスリグ止まったか! クエスもまだ頑張っている!
クエスフォールヴもう一度脚を伸ばして、
あぁっ! ここでセヴンスターズ! 物凄い脚!
フランコフが鞭ィ! セヴンスターズクエスを交わす!
一完歩、二完歩! リスリグに並んだ! 交わした! あっという間!
だがまだサタンマルッコがいる! 1馬身リード! この馬はここからがつよ……
ああぁセヴンスターズッ!
並ばない!
並ばない!
並ばずに交わす! サタンマルッコ交わされた!
1馬身!
残り200m!
2馬身!
セヴンスターズ差を広げる!
直線残り200mを切ってサタンマルッコ交わされた!
これが世界の豪脚か!
ああ……っ
ああ、また、なのか……っ!
セヴンスターズ完全に先頭に立ったッ!




