サラ(3)
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アイザックメモより:
第一騎士団所属のネイサン。
真面目で純朴で忠義心に厚く、誰に言わせても“良いヤツ”だ。その上腕も立つ。
ジェラルドやフリードからも絶大な信頼を得ている。
姫様がダヴィネスへ来た当初から護衛に付き、破天荒な姫様に幾度となく振り回されながらも、人の良い笑顔で姫様を和ませていた。
そのネイサンの、おそらく本気の恋だ。
しかも相手は芸術家のサラ・スウェイツ。
ちょい…いやかなり手強いぜ。どーすんだっ ネイサン!!
◁◁
夜も深まった時刻。
騎士団詰所での会合を終えたジェラルドは、フリードと共に城塞から城へ続く回廊を歩いていた。
「ジェラルド」
フリードが呼び止めた。
フリードの指差す方を見ると、鍛練場の片隅のベンチに黒い影が見える。誰か腰掛けている。
ジェラルドとフリードは顔を見合わせた。
黒い影の正体は、会合にもいなかったネイサンだ。
ネイサンはサラがダヴィネスを去ると知らされてから、周囲が呆れるほどに気落ちしていた。
それはもう気の毒なほどに。
「…私が行く。先に帰っていろ」
フリードに告げると、ジェラルドはネイサンのもとに向かった。
かなり近づいても、ネイサンは気づく気配がない。
騎士としては失格だ。
しかしジェラルドは責める気にはなれない。
「ネイサン」
「! ジェラルド様っ」
ジェラルドに呼び掛けられ、ネイサンはハッとして立ち上がった。
「…座れ」
ネイサンは黙って静かに座る。
ジェラルドもベンチに腰掛けた。
暗闇の中、二つの影が並ぶ。
「ネイサン、ここ数日皆が心配しているぞ」
「…申し訳ありません」
その訳も、皆は察しがついているだけに、またネイサンがあまりにも思い詰めた顔しているので誰も何も言えなかった。
ジェラルドは「私が言えた義理ではないが…」と前置きをした。
「ネイサン、心を揺さぶられる相手はそうそう現れるものじゃない。お前が覚悟を決めかねている間に、すり抜けて行くかもしれないんだ」
「……」
ネイサンは下を向いて黙っている。
「きっかけはどうあれ…自分の気持ちに素直になるのも悪くない」
「…………」
なおも、ネイサンは言葉を発しない。いや、発する言葉が見つからなかった。
ジェラルドはネイサンの肩をポンとひとつ叩いて、その場を去った。
・
サラは、取り憑かれれたように領主夫妻の絵を描いていた。
とは言え、以前のように寝食を疎かにすることはなく、誰かに心配を掛けるようなことはしない。
芸術家であれば、時には全てを作品に注ぎ込むことはあっていい。しかし、それは日常生活あってこその活動だ。そのことを忘れてはならない。
このことは、カレンから学んだと言えた。
いつかのお茶の時間の折にカレンが言った。
「人は、食べるものと考えることからできていると言います。なので、その二つ、もしくは一方だけでも決して疎かにしてはいけないと思います」
「もし怠れば心身を病み、人に心配を掛けてしまう。それは大人の…ましてや自分のような立場の者は許されることではありません」
ヌードデッサンの時、領主様の腕の中で少女のように震えていた人の言葉とも思えないが、このような言葉はそう簡単に言えることではない。
もちろん、サラとカレンとでは立場も何もかも違う。しかし、カレン達の手を借りて、心身ともにスッキリとした状態で再び筆を取っている今、正にそれは真実だと言えるし、実感できた。
「ふう、こちらは今日はここまで」
サラは領主夫妻の肖像画の筆を止めた。
そして白い布を掛けてある、少し小振りのもうひとつのイーゼルに向かう。
サラはゆっくりと白い布を取った。
その絵は…初夏のダヴィネスの広野とそれを見下ろす一人の騎士、その横顔は…ネイサンだ。
「……」
サラは絵の中のネイサンへ、そっと指をふれた。
この半年間、毎日一緒に居てくれた。
それはネイサンにとっては仕事だが、もはやサラはそんなことはどうでもよかった。
彼の姿…その瞳を思い浮かべるだけで、サラの心は温かさに溢れる。
彼がアパートメントの扉を蹴破ってくれなければ、今のサラは存在しなかっただろう。
「…………」
サラの頬を涙がつたう。
絵の中のネイサンがぼやけて見えなくなる前に、サラは筆を取り、作業を再開した。
・
「では、お披露目いたします」
ダヴィネス城の居間に、カレン、ジェラルド、モリスにエマ、ニコルに集まってもらい、領主夫妻の肖像画を公開せんと、サラが白布をバサリと取り払った。
「「「「…!」」」」
皆は一斉に息を飲み、誰一人言葉を発しない。
そこには、裸身の領主夫妻…匂い立つような官能を纏った神々しい姿のカレンとジェラルドが、真っ直ぐにこちらを見つめていた。
カレンは口に手をやり、驚きのあまり大きく目を見張り、まばたきができない。
「…素晴らしい」
「…すごい…」
ジェラルドとカレンが同時に呟いた。
二人は顔を見合わせると微笑み合い、ジェラルドは後ろからカレンを腕の中へ収めると頬へキスをした。
絵の中の自分達と向き合う。
「私達、こんな風に見えるのですね…」
「これを見て、ミス スウェイツがヌードの提案をしたことに合点がいった。これは…まさに“男と女”だな」
「私は芸術のことは門外漢でございますが…この絵の前では何もかも霞むようでございます」
モリスが感じ入ったように、しみじみと感想を漏らす。
それ程に、絵の中の二人は光を放ちながら瑞々しく息づいていた。
ニコルなど顔を紅潮させ、ほぅっと絵の二人に見入っている。
「どちらにお飾りしたらよろしいでしょうねぇ…?」
エマとモリスが顔を見合わせる。
「そうだな…やはり寝」
ガチャリ
ジェラルドの言葉の途中、突如開いた扉に、居間にいた全員が一斉に振り返った。
薄く開いた扉の隙間から、アンジェリーナがひょっこりと小さな顔をのぞかせる。
「…あれ? なに? ………あー!」
アンジェリーナは皆が自分に集中していることを不思議がったが、視線の先に肖像画を見つけると、吸い寄せられるように近づいた。
「あ、アンジェリーナ様っ! …え? あ!」
慌てて護衛のティムが後を追ったがもう遅い。
しかもアンジェリーナの背中の向こうの、領主夫妻のヌードの肖像画を認めて、年頃のティムは瞬時に赤面し、立ち尽くした。
それを見たニコルが機転を利かせ「ティムには外で待っていてもらいます~」と、さっさとティムを連れて部屋を去った。
「さすがにティムには刺激が強いな…」
ジェラルドが苦笑する。
「……」
アンジェリーナは息がかかりそうな近さで絵に釘付けだ。
子どもには、この絵はどう映るのだろう?
カレンは食い入るように絵を見つめる娘の様子をうかがった。
「……キレイ……」
ぽつり、とアンジェリーナは呟いた。
「アンジェ?」
「父様と母様、スヴァジルとキュリオスみたい…」
アンジェリーナの例えに、カレンとジェラルドは顔を見合わせ、次いで笑い始めた。
両親のヌード肖像画の感想にしては、あまりにも“通”の様な、それでいて子どもらしいような感想だ。
モリスとエマも微笑んでいる。
と、アンジェリーナが絵の右下に記されたサインに目を留めた。
「エス…S・スウェイツ…サラ・スウェイツ? 先生? すごい!」
勢いよくサラの方へ振り返る。
アンジェリーナは尊敬の眼差しだ。
「サラ…あなた、この絵に本名のサインを入れたの?」
カレンが驚きを持って問い掛けた。
サラは母娘に微笑む。
「はい。『サラ・スウェイツ』名義では、初めての肖像画です…生まれたままのお二人のお姿ですから、私も本名のサインをいたしました」
「なるほど…ありがとうサラ。家宝にするとしよう」
ジェラルドの言葉にカレンは「えっ」と、ジェラルドを仰ぎ見た。
ジェラルドはカレンを見下ろす。
「それはそうだろう。言うなれば、これはダヴィネス家の公然の秘密の大作だから」
カレンはその言葉に吹き出してしまった。
“秘密の家宝”…領主夫妻の肖像画にしては、それはあまりにも密やかで意味深な作品だった。
・
サラの客間には、サラとカレンが居た。
サラのもうひとつの作品…ネイサンの絵を、カレンに公開したのだ。
「素晴らしいわ…サラ」
カレンは胸に手を充て、感激もひとしおだ。
丘に立つネイサン…その横顔は凛々しく、遠くダヴィネスの平野を見下ろしている。
…ネイサン、サラの前ではこんな顔をするのね…
カレンは、長い付き合いの護衛の新たな一面を、サラの絵を通して認めた。
この絵の説明はいらない。
溢れんばかりのネイサンへの思い。ただそれだけだ。
「サラ…、本当にダヴィネスを去るの?」
「…はい。けじめをつけたいと思っています」
「それには、ネイサンは必要ないの?」
「…今となっては、わかりません」
「ならば!」
「私はとてもネイサン殿に釣り合う者では、ありませんから…」
離縁された身だから?そんなことはネイサンは気にしないだろう。
この半年間、片時もサラから離れなかったネイサンの行動は雄弁だったとカレンは思っている。
どう見ても思い合っているのだ。
カレンは遠回りをしたがるサラが心底もどかしい。
「サラ、私からの最後のお願いです。どうかネイサンにチャンスをあげて…どうか」
サラは複雑な顔をして、次に少し寂しそうに笑った。
「ネイサン殿は…決して矩を踰えないと思いますわ」
・
「『矩を踰えない』か…」
「ええ…」
ジェラルドは腕組みをして、ふーん、と考える。
カレンは、ネイサンの絵をサラから託され、ジェラルドに見せた。
「ネイサンには一度発破をかけたが…まだ覚悟が決まらないらしいな。なかなか悩ましい…しかし」
二人は目の前の、サラが残したネイサンの絵を見る。
「これはミス スウェイツのネイサンへの気持ちに他ならないな…」
「…はい」
二人とも相当の頑固者なのは明らかだ。
下手に間を取ると、かえって拗れそうな気もする。
しかしこのままだと、サラは確実にネイサンには何も言わずにダヴィネスを去るだろう。
カレンはもどかしくて仕方ない。
唇を真一文字に結んで考え込むカレンを見て、ジェラルドはある提案をした。
それは…
・
サラは、カレンやアンジェリーナ、親しくなった使用人達に惜しまれつつ、ダヴィネス城に別れを告げた。
ネイサンは見送りには現れなかった。
ネイサンの絵はそのままカレンに預けると、アパートメントを引き払うために、一旦アパートメントへと戻った。
住居兼アトリエのアパートメント。
必要最低限の生活雑貨と画材道具…ダヴィネスへ来た当初は、このシンプルな自分だけの城が心地よく感じたが、今はガランとしたただの器とさえ感じてしまう。
サラはひとつ息をついた。
「…ダメね、私ったら。さ、片付けましょ」
自分に言い聞かせるように呟くと、多くはない家財道具の整理を始めた。
完成している作品は王都のギャラリーに預けることにし、粗方は片付けを済ませ、あとはアパートメントの管理人に任せる手配を済ませたサラは、今、ダヴィネスに来た時と同様に小さなトランクひとつを持って、辻馬車の待ち合い場所に立っていた。
ガラガラという辻馬車の音が近づく。
否応なしにダヴィネスに、そしてネイサンに別れを告げる時の音だ。
馬車はサラの目の前で停まった。
馭者に行き先を告げて料金を渡すと、トランクを預けて馬車に乗り込んだ。
幸い、サラの他に乗客はいない。
もう、後戻りはできないわね…
出発時間まで気を紛らわそうと、レティキュールの中から単行本を取り出したその時、馬車の扉が勢いよく開き、一人の男が乗り込んできた。
「失礼します」
サラは一瞬誰かわからなかった。
「…ネイサン殿…!?」
息を切らしたネイサンは軍服ではなく、ごく普通の普段着…シャツにジャケット、トラウザー姿でリュックを片手に、もう一方には小さなバスケットを持っている。ロングソードは携えていない。
ネイサンは、サラの向かいに座った。
「……なぜ?」
サラが言ったとたん、馬車がガタリと揺れて出発した。
「絵を見ました」
ネイサンの、濃いブラウンの瞳は真っ直ぐにサラを見る。
そのあまりの強さに、サラは目を瞬く。
「ミス スウェイツ、いえサラ…お供します、どこまでも」
ネイサンは力強く言い切った。
「…あなた、自分が何を言っているのか、わかっているの?」
「もちろんです」
ネイサンは狭い馬車の中立ち上がり、背を屈めて天井に手をつきながらサラの隣に座った。
サラはネイサンの動きを目で追うだけで精一杯だ。
ネイサンはサラの横にピタリと座ると、サラの目を覗いた。
「私の覚悟が決まらず…すみません。ギリギリになってしまいました…でも、もう後戻りはできませんよ」
「あ、あなたはダヴィネス軍の騎士でしょう?私のお供なんて…冗談にも程があります」
予想外のネイサンの積極さに、サラは驚き半ば怒りながらも、しどろもどろになる。
ネイサンは黙ってサラの手を柔らかく握った。
「サラ、愛しています」
「!!」
サラは息を飲んだ。
ネイサンの濃いブラウンの瞳が温かくサラを包み込む。
見開かれたサラの濃紺の瞳からみるみる涙が膨れ、溢れた。
……夢、ではないだろうか
「あなたが私を描いた絵を見ました」
「…え…?」
ネイサンは穏やかな笑みを浮かべる。
「『ネイサンが好き』と、私には聞こえたのですが…間違っていないですよね?」
ネイサンは照れながらだが、真剣そのものだ。
「…ええ。間違っていません…」
「サラ…!」
ネイサンは嬉しそうに笑みを浮かべると、サラを抱き締めようと逞しい腕をサラに回しかけた。
「ま、待ってください」
何もかもが突然過ぎて、サラは慌てる。
「待ちませんよ」
ネイサンは遮るサラ手をやんわりいなすと、その胸へサラを抱き締めた。
・
ネイサンは、つい小1時間程前に、領主夫妻に自分を描かれた絵を見せられ、同時にジェラルドに辞令を渡されたことをサラに告げた。
辞令の内容は『身分はダヴィネス軍の騎士のまま、一年間ミス サラ・スウェイツの専任護衛に着くように』という内容だった。
~
ジェラルドはネイサンに辞令を渡しながら
「フリードの時もそうだったが、お前達ダヴィネスの騎士は嫌になるほど忠義に厚い。だがそれは、己の幸せを犠牲にすることと同義ではないぞ」
と言い、後ろを振り向くように促した。
振り向くと、アイザックとネイサンの従騎士が立っている。従騎士の少年はネイサンの私服とリュックを持っていた。
「さっさと着替えて、ミス スウェイツを追え。辻馬車の立つ時間が近い」
「は、はっ」
ジェラルドに命じられ、ネイサンは慌てて着替えを始めた。
その場にいたカレンは突如始まったネイサンの早着替えに、慌てて後ろを向く。
「馬車の乗り合い所までは俺が送る、急げ急げっ」
「ネイサン、徽章は持ってるな?」
アイザックとフリードが相次いで急かす。
てんやわんやで準備を整えたネイサンは、改めてジェラルドとカレンに騎士の礼を取った。
「勝手をして申し訳ありません。このご恩は必ずお返しします」
その場にいた全員は、やれやれと顔を見合わせた。
「お前のカタブツ加減はわかってはいたが…想像以上だ。…フリード」
ジェラルドに振られフリードは頷くと、銀貨がズシリと入った皮袋をネイサンに渡した。
「これは…?」
「ダヴィネス軍からの祝儀だ。黙って受け取れ」
珍しくフリードが微笑んでいる。
「はっ…しかし、」
「いーからもらっとけよ、ネイサン」
アイザックはいつもの調子だ。
「…ありがとうございます…!」
ネイサンは恐縮しながら、銀貨入りの皮袋を受け取った。
「それとこれを」
言いながらジェラルドは一通の封書をネイサンに渡した。
「お前の身元を保証する文書だ。徽章があればまず問題ないが、もし何かあった時、親交のない領地でもそれがあれば心配ない」
あとは…と、ジェラルドは微笑んでカレンを見る。
カレンは、はい、とネイサンの前へ進み出た。
「ネイサン、私からはこれを」
と、一通の封書を渡した。
「サラに渡してください。サラのご実家はストラトフォードからもそう遠くありません。少し前から、何か手助けはできないかと父にお願いしています。あなた達がサラのご実家に着く頃には、恐らく父は何か策を講じているはずです。どうかサラの力になってあげてください。あと…」
カレンは少しはにかみながら続ける。
「母は“サミュエル・セイジ”の大ファンなのです…だから、」
「はい、ストラトフォード領のご実家に必ずお寄りします」
ネイサンはいつもの人の良い笑顔で答えた。
次いでカレンはエマから小さなバスケットを受け取ると「荷物になるかもだけど、道中二人で食べてね」とサンドイッチのお弁当をネイサンに渡した。
「何から何まですみません、レディ」
カレンは、ううん、と首を振る。
「元気でね、ネイサン。サラと仲良くね」
笑顔で送り出したいが、一年とは言えダヴィネスに来た時からお世話になったネイサンと別れるのは、やはり寂しい。
カレンはしゅんとする。
「カレン…」
ジェラルドがカレンの肩を抱く。
「いーそーげーよー」
アイザックがまたもや急かす。
「ネイサン」
「はっ」
「一年だ。一年間はミス スウェイツのことだけを考えろ…お前の幸せをとことん味わえ」
「ジェラルド様…」
「捕まえたら死んでも離すな…越えて行け、ネイサン」
ジェラルドからの最大の励ましだった。
「はっ!!行って参ります!」
敬礼を取ったネイサンは、アイザックに追われるようにダヴィネス城を立った。
「やれやれ、手間のかかることで…」
フリードは呆れ顔だ。
カレンとジェラルドは微笑み合う。
ジェラルド発案の“ネイサンに考える暇を与えない作戦”は、大成功に終えたのだった。
~
馬車が走り出してしばらく後…
「ほら、あそこの丘を見てください、サラ」
ネイサンが指差した先…乗り合い馬車の窓から遠く見える丘の上には、同じ馬に跨がったジェラルドとカレンがいた。
あ……!
ジェラルドの前に横乗りをしたカレンは、体をひねったまま、馬車を見守っている。
同じポーズだわ……
くしくも、それはサラの描いた領主夫妻…カレンとジェラルドの取ったポーズだった。
馬車が進む方向に合わせて、馬上の二人も向きを変えてずっと見送ってくれている。
…本当に素敵。
ありがとうございます。レディ カレン、領主様………
ネイサンの温もりに抱かれたサラの胸の中から孤独は消え去り、今、喜びが広がる。
・
それからきっちり一年後、ネイサンはサラを伴ってダヴィネスへ帰った。
二人はどこから見ても、間違いなく“おしどり夫婦”となって……
お読みいただきありがとうございました!
頑固過ぎる絵描きのサラと、カレンの護衛騎士ネイサンにスポットを当てたエピソードでした。
この〈続・カレンとジェラルド〉シリーズは、もう少し続ける予定です。
引き続き、ゆるゆるとお楽しみいただけたら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします!




