エピローグ☆荼毘にふす
「みちる」
「デルムント!」
「腕輪を取り返してきた」
「まあ。嬉しいわ」
「ただ、相手を死なせてしまったので、ちょっと後味が悪いんだ」
デルムントは大きく息をついた。
「何があったの?」
「向こうが毒蛇を仕掛けてきたから、やり返したんだ」
「……。正当防衛だったのね」
「そう思うかい?」
すがるように、デルムントはみちるを見た。
「死体は手厚く葬った?」
「いや、放ってきた」
「せめて埋葬してお花を手向けたいわ」
「一緒に行ってくれるかい?1人では心細い」
「ええ」
デルムントはみちると手を繋いで時空を超えた。
ぱちぱち。
火の粉のはぜる音。
「熱い」
あれほど溢れかえっていた財宝は跡形もなくなって、リンカの遺体が燃やされていた。
「誰か他にここのことを知っている者がいたんだ」
「じゃあ、その人が火葬にしたの?」
火を避けて2人は立っていた。
「デルムント、あなたが逆恨みを買わないといいけれど」
「大丈夫だ」
根拠のない言葉だった。
「みちるの部屋へ戻ろう」
再び手を繋ぎ、時空を超えた。
「腕輪を」
ペアの両方をみちるに差し出した。
「私、想う人もいないし、片方だけでいいわ。もう片方は、デルムント、あなたがつけていて」
「俺が?」
「そう。細い女性用の方を私がもらうから、太い男性用の方をあなたが持っていて。そして、思い出した時でいいからまた会いに来て」
デルムントは、腕輪たちの同意を得てみちるの申し出を受けた。
「では、また」
シルクハットをちょいと動かして挨拶に変えると、デルムントは姿を消した。




